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人生初テニスの『リョーマ!』観てきた日記

前置き

僕のゴリ押しで『閃ハサ』観に行ってくれた先輩が「さあ!君も!テニスを!読むんだ!」とゴリ押し返しをしてくれているのですが、ところでこの夏映画館で幾度となく予告を観た『リョーマ!』が気になって気になってしゃあなくなっていました。話したこともなかった子が、気がつけばいつも目で追ってるみたいな感覚。

そんなに気にすることでもないんだけど妙にへこんでしまう仕事ミスをしてしまい、気にすることもない筈なのにずるずるとひきづっていました。どうやら『リョーマ!』を観るととても元気になるらしい。中学生がテニスするらしいぐらいしか前情報を知らないのですが思い立ったが吉日ということで、夜勤明けにTOHOシネマズの6回観たらタダになる券を使って観てきたわけです。

観たいものがそこにあった

めちゃくちゃ楽しかった。とにかく楽しかった。楽しいねぇ〜^^って思ってたら隣のお姉さんが小さく手を振り始めて良かったねぇ〜^^ってさらに楽しくなった。

これは僕が捻くれ逆張りオタクで本当に申し訳ない事なんだが、(なにこれ⋯)とか(わからない⋯)みたいな感想を全く抱かなかった。初見民が困惑する様を楽しみにこのページを開いていただいた方は本当に申し訳ない。

この映画のやり方は『テニスの王子様』というコンテンツが持つ膨大な魅力・ユニバースを新訳し新たに生まれ変わらせる上で、ど真ん中どストレートに凝縮しているんだと感じた。観客はただ真ん中にミットを構えているだけでボールが放られてくる。僕はスポーツ漫画を『ドカベン』と『ドラベース』しか読んだことがないので野球例えしかできなくて大変申し訳ない。

冒頭からすごい

とにかくCGがすごい。めちゃくちゃ動く。カメラシーケンスがすごい。めちゃくちゃダイナミックに動く。

CGアニメって言われるとなんかしょぼい動きになるってのはもう世間の常識だろう。せっかくリアルで綺麗なモデルを作っても、ダイナミックに動かそうとすればリアルとの整合性の取れなくなり、かえってチープに見えてしまう。この矛盾がCGアニメ誕生以来の至上命題である。

本作は、CGが抱えるリアリティとダイナミックの二律背反という課題に対して、テニスとミュージカルで答えを出してしまった。

リアルなテニスCGアニメを作ろうとしたところで、プレーヤーの動きが再現しきれずリアリティを損なうだろう。ボールの挙動シミュレートも難しいに違いない。そこで本作はスローモーションを多用していく。プレイヤーのダイナミックな動きを増長しつつ、再現困難なモーションをスローに見せることでリアリティ面の弱点をカバーしていく。

当然ながらスローモーションとはリアルではない。時間が止まるわけがないからだ。しかしそれがミュージカルならどうだ。音楽は時間に対して常に等速運動をしている。音楽が続く限り時間もまた等速で進んでおり、スローモーション演出が音楽に整合している事から、このテニスの試合はリアルそのものである。Q.E.D.

フルCGアニメの弱点をテニスとミュージカルで完璧に克服してしまう世紀の発明。冒頭のミュージカルはこの論文のアブストラクトである。わからされた僕の体がもう次の歌を求めてしょうがない。怪獣映画のドラマパートいらない過激派宜しく、ドラマパート要らないから次の歌を!歌って!と発狂しそうだった。

SEがバカ

とにかく聞かせたいSEを爆音で伝えてくる。というかテニスボールのSEをめちゃくちゃ聞かせてくる。

テニスボールを指でなぞるSE

テニスボールがコートに落ちるSE

テニスボールを拾うSE

テニスボールをラケットで打つSE

IMAX観るときに流れるあれ、全部これにしたらいいんじゃないか。

最近ポケモンで負け込んでいたので手塚部長の言葉が刺さった

ダブルバトルばかりやっているのですが、最近は日和った選択や安牌を切った事が相手に読まれて負ける試合が多く、何が悪いのかわからず反省しようがない日々を過ごしていました。

僕の手塚部長との出会いは『リョーマ!』がはじめましてとなったわけですが、

「一番苦しい時、お前ならリターンはどこに打つ」

刺さりました。お陰でマスターボール級20000位前後から3000位まで上がることができました。この調子で頑張ります。

気になったところ

プロフェッサーXが車椅子に乗らないで出てきた。

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かと思ったら最後にストームが車椅子押して出てきておもろかった。

全てを納得させる

観終わった後に疑問など残させないパワフルな説得力に、なすがままされるがままに気持ちよくされてしまった。良いものを観ることができて本当によかった。許斐剛先生、ありがとうございます。

朴璐美

そして朴璐美という才能をアニメ業界に発掘した富野由悠季という天才に感謝。(隙あればガンダム語り)

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