地獄のディズニーランド

僕は昨日、「地獄のディズニーランド」に行ってきた。あの有名な夢の国が、こんなにも変わり果てるとは思いもしなかった。入口に一歩足を踏み入れた瞬間、異様な空気が肌を刺す。遠くでかすかに聞こえる不協和音のようなメロディーが、耳に不快な響きを与える。

最初に目に飛び込んできたのは、地面に転がるネズミの死骸だ。ディズニーランドといえば、可愛らしいミッキーが迎えてくれるはずなのに、この場所では全く違う。僕は一瞬、足を止めてその光景に呆然としたが、気を取り直して奥へ進むことにした。

しばらく歩くと、「埼玉の海賊」というアトラクションが目に入った。海賊たちが酒場で酔いつぶれている。彼らの目は虚ろで、どこかしら魂が抜けたような表情をしている。その中の一人が突然立ち上がり、僕に向かって呟くように「おい、ここに来るのはやめとけ、海がないぞ!」と言った。その声は妙にリアルで、まるで生きた人間のようだが、確かめる気にはなれなかった。

次に目指したのは「マウンテン」という名のジェットコースターだ。古びた木製の車両が軋む音を立てて動いていた。その上には、乗客の悲鳴がこだまする。コースターが最頂点に達したとき、深い闇に包まれた景色が一望できた。明らかに途中で線路がなくなっている。

そして、夜が更けると「深夜のパレード」が始まった。普通のパレードなら華やかで楽しいものだが、ここでは暗黒の仮面を被ったキャラクターたちが無言で行進する。周囲は不気味な静寂に包まれ、時折、闇の中から聞こえる謎のささやき声が背筋を凍らせる。

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