加古川を旅してきた話【分水嶺企画_太平洋側】
みなさんこんにちは!土木学会学生小委員会です。
2023年11月11日から12日にかけて、分水嶺企画を行いました。本企画は、本州一低い中央分水界である兵庫県丹波市の水分れ公園を出発点とした旅企画です。水分れ公園で参加者を2手に分け、それぞれ太平洋側(加古川流域)・日本海側(由良川流域)の河口を目指す道中で、土木構造物を探します。
本記事では太平洋側(加古川流域)へ旅をした模様をお届けします。
日本海側チームの記事はこちらから↓↓
加古川は、全長約109kmの兵庫県の一級河川で、京都府南丹市の源流から瀬戸内海に注ぐまで流れています。下流部の加古川市は、川の名前の由来となった町です。
私達は今回加古川を上流から下流まで辿り、河川をとりまく自然環境や川の歴史などを見ていくことにしました。
ルートはこちら↓
さて、この日は福知山駅からスタートしました.まずは福知山線で下滝駅を目指します!
下車すると、すぐ近くに篠山川の渓流が見えていました。水資源の豊かさがよくわかります。
また、付近に恐竜化石の発掘地があるそうで、駅前広場には恐竜を模したモニュメントもありました。
駅から15分ほど歩いた先の「広田の吊り橋」は、丹波地方で昭和6年の完成当時は唯一の吊り橋で、今でも観光名所になる景勝地として有名だそうです。
揺れながら渡ると篠山川の美しい紅葉を望むことができました。
さて、ここから先に波竜の里公園があり、寄り道しようと考えていましたが……約1時間に1本の電車に乗り遅れないよう、早めに駅に引き返すことにしました。別の機会にゆっくり訪れたいです。
下滝駅から谷川駅に向かい、加古川線に乗り換えます。この近くでは篠山川と加古川が合流し、合流地点より下流側は加古川となっています。
さて電車で揺られること約1時間、次は市場駅で下車しました。
この駅は1960年代の駅舎が現役で残るレトロモダンな佇まいが特徴的でした。
目的地は真っ赤な桁が印象的な「万歳橋」です。橋から加古川と山田川の合流地点を眺められ、加古川の川幅が中流部から一気に広がっていることがわかりました。この付近の河川敷には、かつて「万歳橋東詰所」と呼ばれた水運の拠点の名残がありました。(写真は取り忘れてしまいました...)
手前が山田川、奥側に加古川が走っています↓
加古川沿いに少し歩くと「黍田樋門」に到着!
樋門とは、川の水位が高くなり、水路から本川への逆流が起きそうになるとゲートが閉まり、本川から水路への逆流を防ぐ施設です。普段は目につきにくい設備ですが、川沿いには実はありとあらゆる治水施設があることを実感します。
さて、市場駅へ戻り、さらに下流に向かいます.約20分で加古川線の終点・加古川駅に到着しました。
ここからはレンタサイクルを利用して河口を目指すことにします。(移動の自由度が高く、市街地を回るのにとても便利でした!)
(画像引用:https://kakogawa-note.com/kakogawa-news/20230207-share-cycle/)
(余談)加古川の郷土料理、かつめしをいただきながら途中休憩。
自転車で約20分で相生大橋に着きました。
この橋は川幅が最も広がる河口付近にあり、すぐ側には水量調整のための水門が複数設置されています。
泊川防潮水門↓
養田逆水門↓
さて、とうとうラストスパート!加古川を左手に見ながら、瀬戸内海を目指します。
そして遂に加古川の河口に到着!瀬戸内海を眺め、多くの船の行き来を見るとここまでの約100kmの旅の終着を実感します。
最後は河口側最端にある高砂海浜公園まで足を延ばしてみると、白砂と松林の美しい海岸線を見ることができました。
いかかでしたか?今回は電車(と自転車)を乗り継ぎ、1日で加古川の上流から下流までたどった記録を、写真多めでお送りしました。
加古川線の車内では、上流の自然豊かな渓谷、中流の田園風景、下流の川幅の広がりと加古川市街の町並み、そして瀬戸内海への注ぐ河口まで、加古川の様々な表情を体感できました。
特に今回川沿いを歩くなかで、普段なかなか目に留めない治水施設の役割、かつては水運で栄えていた加古川の歴史的な側面を知ることもでき、加古川の自然と人々の暮らしの関わりを実感する1日となりました。
平均降水量が非常に多い地域ということで、至る所でひとのそばに水があったことがとても印象的です。降水量が少ない地域もあるいてみると、どんな違いがあるだろうかと、面白い発見があるかもしれませんね。
分水嶺企画、太平洋側参加者
・佐瀬 瑠璃
・今村 公美
<メンバー随時募集中!>
土木に興味を持ち、色んな人たちと交流する機会を作りたい学生の方は、是非とも土木学会学生小委員会で一緒に活動しましょう!メンバーは随時募集しています。