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ボックスシート懐旅情、浅草から揺られたあの日-最北の地へ

2017年4月15日、廃止が迫る「東武快速」に乗車した旅。今回は下今市で後ろ2両東武日光行きを切り離したところから振り返ります。

定刻10時11分、行先方向幕を3行から2行に変えて下今市を出発。上り線と平面交差して鬼怒川線の単線区間に入っていきます。短くなった6050系は単線も似合います。

鬼怒川温泉に到着。ここで乗客の半数は降りたでしょうか、車内は疎らになりました。近年のインバウンドの来訪で少しは盛り返していると思いますが、20年前、30年前と比べるとかなり寂しくなりました。

JR253系を横目に鬼怒川温泉を出発、さらに北上していきます。鬼怒川公園、そして東武鉄道最北端の新藤原に到着です。ここまで4両で運転されてきましたが新藤原ではさらに2両を切り離します。

2両編成になった快速・会津田島行きは、ここから野岩鉄道に入ります。2両編成となり、いよいよローカル線といった様相です。

野岩鉄道は会津鬼怒川線という路線名で「ほっとスパ・ライン」という愛称も持っていますが、どこまで浸透しているんでしょうか。南海高野線の「りんかんサンライン」もそうでしたが、路線名プラスアルファの愛称はなかなか浸透しませんね。東武スカイツリーラインやJR西日本アーバンネットワークエリアの各線くらい、元の路線名を徹底的に案内から排除しないと難しそうです。

「ほっとスパ・ライン」内だったでしょうか、車内検札がありました。野岩鉄道、会津鉄道はICカードが使用できませんので、東武線内からICカードで乗車してしまった場合には車内か駅で全額清算が必要です。

東武伊勢崎線東武動物公園以南でもかつてICカードが導入される前には日中に車内検札が行われていましたが、近年では各社特急列車でも車内検札は省略されつつあます。検札に限らずですが、車掌が車内を見回る光景はだいぶ減ったのではないでしょうか。関西エリアでは近鉄などでまだよく見れますが。

浅草を出発して3時間33分、終点・会津田島に到着です。乗り通した方はどれくらいいたでしょうか。

折返しは12時31分発、区間快速・浅草行きです。区間快速の往路は4時間近くの道のりとなります。

会津田島には1991年から2005年まで350系による急行「南会津」が乗り入れていました。当初は2往復、廃止時(2001年改正後)には1往復となっていましたが、6050系快速とともに南会津エリアと都心とを結ぶ列車として機能していました。利用者減もあってAIZUマウントエクスプレスの鬼怒川温泉乗り入れと引き換えに急行「南会津」は廃止されたわけですが、2017年4月の東武快速廃止のダイヤ改正で特急「リバティ会津」が4往復設定されたことで、再び都心方面へ快適に乗り通す列車が復活しています。

さて、12時31分発の区間快速・浅草行きに乗車して東京方面に戻ります。各駅で少しずつ乗客を増やし、新藤原駅まで戻ってきました。往路で切り離しを行った同駅で、復路ではもちろん増結が行われます。4番線にはすでに2両編成が口を開けて待ち構えています。

ちょっと前までは朝ラッシュ時を中心に新栃木や南栗橋、館林で増解結、北千住で解結の作業を常時見ることができましたが、すでにそれも終了。快速廃止により日光・鬼怒川エリアでの増解結運用も廃止されることになりました。ちょっぴり残念です。

旅はまだ続きます。

2017年4月15日撮影
【写真解説】
1枚目:下今市
2枚目:鬼怒川温泉
3・8枚目:新藤原
5・6枚目:会津田島

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