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【NPOの認知/行動変容施策】"大きな問題から小さな問題へ"?


みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
私の方は、先週末から急激に寒くなり、バタバタと冬服を出したり暖房器具を用意したりと冬支度を始めていました。
一方ではイスラエルやアフガニスタンで起こっている戦争や紛争、そして相次ぐ地震が重なり、かつてない人道危機に瀕しています。そしてこれから厳しい冬がやってくる。我々が関わっているいくつかの国際NGO団体さんもこうした問題に緊急支援として関わっています。
今もなお危機の中にある方々、また亡くなってしまった方々にはご冥福とご安全を祈りつつ、間接的ではありながらも団体さんのご活躍を応援しています。


大きなニーズに寄付が寄る

世界的に大きな問題ほど、国や国連、関連するNGO団体など"大きな組織による大きな支援活動"に寄付が集まります。
寄付ニーズにもある種トレンドがあり、潮流が存在するのでしょう。

近年で言えば、コロナによって社会への接続が弱くなり外出機会が減ったことにより日本国内への課題や支援に注目が集まりました。
ここでは相対的貧困やヤングケアラー、多様性やジェンダーなどの問題が多くメディアを賑わせていたと思います。
その後、コロナが落ち着き始めると共に社会の目は再び外へと広がり、ウクライナの問題が発生、コロナによってソーシャルセクターやエッセンシャルワーカー、公衆衛生、経済や医療といった分野に注目していた視線が今度は突然グローバルの方に移りました。

SNSでは大使館や関連団体が支援を呼びかけ、私も心ばかりか寄付をしました。

しかしながら、大きな問題が発生したからと言って小さな問題がなくなるわけではありません。

小さな課題にも気づいてほしい 

地球の裏側では、今日食べるご飯を探すためにゴミ溜をあさっている。教育へアクセスできず一生を靴磨きで終わらせざるを得ない。地雷によって両足を失くし、感染症が併発してしまった。こうした問題があるのは事実です。目を背けるべきではありません。
しかし、社会や人間、社会は多様化し、格差が広がり、本来守られるべき場所から遠ざかり、ボトルネックに挟まり、セーフティネットから漏れてしまった人々も同じように確かに存在するのです。

声にならないSOSや、誰にも届かない助けを求める声を探して、活動している非営利団体さんとも私たちは仕事をしています。
ここにもしっかりと寄付ニーズがあり、支援を求めている人々がいるのです。ぜひこうした人々の問題にも気づいてほしい。

ではどうすればこうした問題への認知が広がり寄付による支援が形になるでしょうか。
今回は、大きな問題から小さな問題へ視点をシフトしてもらうための表現について考えてみたいと思います。

大切な寄付者さんを逃していませんか?

特に大きなNGOさんであるほど、支援先/国は多く、支援活動としても多岐に渡ります。ホームページを見れば世界地図が表示されており、どの国で何をやったかが実績と共に表示されていることが多いです。

"世界をより選択可能な世界にする"のような大きなスローガンが掲げてあり、スタイリッシュでエモーショナルです。

「この団体に寄付すればなんだか少しだけ世界が良くなりそう。1,000円ならいいかな。でもよく見るとすでに数万人の寄付者が世界中にいるのか。正直団体名は有名だけど何をやってるのかよくわからないし、誰かが寄付してくれるのなら自分はいいや。」

一人の大切な寄付者をここで逃してしまいました。

一方比較的小さな団体さんですと、あまりホームページは整理されておらず「子どもの貧困を解決する」とだけ書いてあり、雑多に並べられた細かい情報にウッと面食らってしまいます。

「日本の子どもに貧困が広がっているけど、この団体は情報が細かすぎてよくわからない。一体何をやって貧困を解決するのかか分かりづらいし、信頼できるのか不明。だったらもっと有名な団体に寄付しよう。」

ここでも一人大切な寄付者をここで逃してしまいました。

大きな問題から小さな問題へ

こうした課題はどの団体さんにも非常に多く、情報が整理されておらず不明瞭で信頼性に欠けていることがあります。
特に、"色々なことをやっているのはわかるけど結局何かよくわからない"といったケースが非常に多いんです。
もちろんホームページをしっかりと読み込めば理解できるのかもしれませんが、"正直こっちも忙しいし、わざわざ読み込むくらいならもっと分かりやすい団体に寄付したい"これが恐らく本心です。

そこで昨今我々が使っている手法が問題の大きさや視点をシフトさせてあげることです。

たとえば

『日本の子どもの貧困が広がっています。その問題によって家庭内暴力が加速しました。私たちはDVによって苦しむ子どもたちのケアをしています。』

『コロナによりふつうの生活を奪われてしまった。さらに、こうした問題により難病の子どもたちの教育が脅かされました。私たちはオンラインで長期入院の子どもたちの教育支援をしています。』

『紛争により子どもたちが苦しんでいます。中には清潔な水にアクセスできず感染症で命を落としています。私たちは難民となった子どもたちの水を供給する活動を行っています。』

ポイントとなるのは以下の3つ

・大きな問題を提示し、アテンションを集める
・大きな問題から身近な問題へ視点をずらす
・身近な問題を具体的に表現し、共感を集める

こうすることで、誰もが知っている社会問題から、非営利団体が取り組んでいる現実的な課題にスムーズに視点を移すことが可能になります。
できれば誰にでも起こりうる身近で、リアルな事柄を表現することでより共感性が高くなるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、非営利団体における認知や行動変容の起こし方として"大きい問題から小さい問題へ視点をシフトしてもらう"ための考え方をご紹介してみました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

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