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働き方改革、はじめました

スイスの本社に着任して 1ヵ月たちました。
そろそろ、お仕事らしきことも始めようと思います。

香港からスイスへの転勤に至った経緯 ☟

予告どおり、前の上司だったトムはアーリーリタイアし、後任にシネムを指名。私はシネムのアドバイザリーとなりました。

Sinem(シネム)
Commercial Finance VP。イズミール出身。43歳。
夫、11歳と1歳の女児、住み込みのナニーとジュネーブに住む。
陽気でフレンドリーな性格。仕事に対する姿勢はマジメで誠実。

この新しい役割を担うにあたり、私は 3つの能力を重視することにしました。

助言力

シネムはリーズナブルな考えの持ち主で、人格的にもバランスのとれた人です。面倒な上司に悩まされることがないと判断して、私はこの役割を引き受けました。
一方、シネムのポジションは相当なプレッシャーとストレスに晒されることが予想されます。私は、シネムを陰で支える助言役に徹しようと思います。

ただし、私からは何も言わないこと。
提言、諫言、苦言等は一切しない。
シネムが助けを求めてきたときにだけ、必要最小限の助言をする。
おそらくこれがお互いにとって最もラクな関係でしょう。

いい加減力

助言にあたっては、「深刻になってはいけない」を基本方針とします。
例えば、数字と格闘する機会が多くなるでしょうが、正確さや緻密さを求めないこと。
経営レベルの数字なんてのは、だいたい合ってりゃいいのです。

数字よりもロジックが重要なわけですが、そのロジックについても正しさや整合性を求めすぎないこと。
ロジックが多少おかしくても、上が納得してりゃいいのです。

また、物事を決めるときに、リスクをあれこれ考えすぎないこと。
リスクとは、不確実なことや、数パーセントの確率で発生するかもしれない災いのことですが、そんな心配をしていたら何も決められません。
細かいことを気にするな、ということですね。

やめる力

新しいことを始める能力よりも重要なのは、ずっとやってきたことをやめる能力だと思います。
例えば、あるプロジェクトが行き詰まって、そもそも前提が間違ってたんじゃね?と気づいても、すでに投入したリソースが無駄になる等の理由でやめられない。こういうときは「やめる」という決断も必要です。

形骸化した定例会議なども、なかなかやめられないものです。
ほぼ全員が「意味ないよね」と思っていても、「やめましょう」とは誰も言い出せません。それが言えるのは組織長だけです。

昨日、シネムが「今月のダッシュボードミーティングは参加者の予定が合わないのよね」と相談してきたので、「あのミーティング、もうやめたら?」と助言しました。
ダッシュボードなんてやつは上の自己満足でしかないです。下の人たちは、データを見てもアクションのとりようがないし、ミーティングを開いても、議論のための議論にしかなりません。
こういう会議を一つひとつやめていこうと思います。

以上のような姿勢は、むかーしむかし私が日本の会社で教育されてきたことの真逆です。日本の会社で働き方改革がなかなか進まないそうなので、正反対のことをすればいいと考えました。
これから、シネムとその配下の人たちの働き方がどのように変わるか、観察していきます。