働き方改革、はじめました
スイスの本社に着任して 1ヵ月たちました。
そろそろ、お仕事らしきことも始めようと思います。
香港からスイスへの転勤に至った経緯 ☟
予告どおり、前の上司だったトムはアーリーリタイアし、後任にシネムを指名。私はシネムのアドバイザリーとなりました。
この新しい役割を担うにあたり、私は 3つの能力を重視することにしました。
助言力
シネムはリーズナブルな考えの持ち主で、人格的にもバランスのとれた人です。面倒な上司に悩まされることがないと判断して、私はこの役割を引き受けました。
一方、シネムのポジションは相当なプレッシャーとストレスに晒されることが予想されます。私は、シネムを陰で支える助言役に徹しようと思います。
ただし、私からは何も言わないこと。
提言、諫言、苦言等は一切しない。
シネムが助けを求めてきたときにだけ、必要最小限の助言をする。
おそらくこれがお互いにとって最もラクな関係でしょう。
いい加減力
助言にあたっては、「深刻になってはいけない」を基本方針とします。
例えば、数字と格闘する機会が多くなるでしょうが、正確さや緻密さを求めないこと。
経営レベルの数字なんてのは、だいたい合ってりゃいいのです。
数字よりもロジックが重要なわけですが、そのロジックについても正しさや整合性を求めすぎないこと。
ロジックが多少おかしくても、上が納得してりゃいいのです。
また、物事を決めるときに、リスクをあれこれ考えすぎないこと。
リスクとは、不確実なことや、数パーセントの確率で発生するかもしれない災いのことですが、そんな心配をしていたら何も決められません。
細かいことを気にするな、ということですね。
やめる力
新しいことを始める能力よりも重要なのは、ずっとやってきたことをやめる能力だと思います。
例えば、あるプロジェクトが行き詰まって、そもそも前提が間違ってたんじゃね?と気づいても、すでに投入したリソースが無駄になる等の理由でやめられない。こういうときは「やめる」という決断も必要です。
形骸化した定例会議なども、なかなかやめられないものです。
ほぼ全員が「意味ないよね」と思っていても、「やめましょう」とは誰も言い出せません。それが言えるのは組織長だけです。
昨日、シネムが「今月のダッシュボードミーティングは参加者の予定が合わないのよね」と相談してきたので、「あのミーティング、もうやめたら?」と助言しました。
ダッシュボードなんてやつは上の自己満足でしかないです。下の人たちは、データを見てもアクションのとりようがないし、ミーティングを開いても、議論のための議論にしかなりません。
こういう会議を一つひとつやめていこうと思います。
以上のような姿勢は、むかーしむかし私が日本の会社で教育されてきたことの真逆です。日本の会社で働き方改革がなかなか進まないそうなので、正反対のことをすればいいと考えました。
これから、シネムとその配下の人たちの働き方がどのように変わるか、観察していきます。