見出し画像

潜在意識の書き換え 〜自己認識を書き換える〜②

前回は、自己認識の書き換え方法として、アファメーションについて取り上げました。一方で、アファメーションの効果をより高めるためには、「メンタルブロック」というネガティブな思考や感情を取り除くことが重要です。では、メンタルブロックとは何か、どうすれば取り除けるのか?今回は、そんなお話をしていきたいと思います。

【メンタルブロックとは何か】
「メンタルブロック」という言葉を聞いたことがあるだろうか。一言で言えば、「ネガティブな思い込み」のことである。例えば、下記の様な会話があったとしよう。

Aさん「C先輩、D社に就職だって。すごいよね。大手だし待遇もいいし、いいなー」
Bさん「インターンから入ったらしいよ。今募集してるし、応募出してみたら?」
Aさん「無理無理、私頭よくないからさあ」

軽いやりとりだが、何気ない言葉の節々からもある種のメンタルブロックが読み取れる。「自分は頭がよくない」という自己認識(=ある種の思い込み)や「だから自分には無理だ」という思い込み。自分が作り上げた「思考の枠組み」とも言えるだろう。先に伝えておくと、この「思考」の裏側には、必ずネガティブな「感情」がくっついている。この場合、どうせ無理という諦めかもしれないし、チャレンジして失敗することへの恐怖や恥ずかしさかもしれない。

なお、こうしたネガティブな感情が大きければ大きいほど、人は行動しにくくなる。その感情に向き合うことが苦しく、恐ろしいから、無意識に避ける思考になりがちなのだ。こうした思考(+感情)の枠組みが出来てしまっていることで、Aさんの場合、本当はD社に行けたらいいなあと思いつつ、「自分には無理って分かってるよ~」と自分を納得させて、挑戦するという行動に至れていない。このように、メンタルブロックは、自分の行動に心でブレーキをかけてしまうという特性を持っている。
そして、それは長年抱いてきた自分にとって「自然な」思考なので、そもそもそれがメンタルブロックだということに、気が付きすらしないことも多い。

【メンタルブロック解除 ~どのようにメンタルブロックを外すのか~】
こうしたメンタルブロックは、どのように取り除けばいいのか。ごくごく簡単に言ってしまえば、下記のような流れになる。

①自分のメンタルブロック(思考パターン&付随する感情)に気付く
②なぜそう思うか、なぜそう感じるか、根っこのメンタルブロックを深堀する
③根っこのメンタルブロックとなる思考・感情が生まれた理由を自覚し、受け入れ、手放す

ここまでが、メンタルブロック解除の大まかな流れだ。Aさんの事例に戻ってみよう。まずは、Aさん自身が、何気なく口にしている「自分には無理~」という思考そのものがメンタルブロックだと気が付くことが第一だ。

次に、なぜそう思うのか、自分を内観してみる。②で「根っこのメンタルブロックを深堀」と書いたのは、メンタルブロックは層になっているからだ。表面を外してもいいが、根っこをとらないと正直あまり意味がない。
例えばAさんの場合、こんな感じだ。「なぜ自分には無理と思うのか…だって、私そんな優秀じゃないし、何かがすごくうまくいったこともないし。昔からぱっとしなかったんだよ?」Aさんの「自分には無理」というブロックの根っこには、「自分は優秀ではない」というブロックが横たわっていることが分かる。だから、自分には無理、というブロックが派生しているのだ。ちなみに、Aさんとしては、「自分は優秀ではない」というのは厳然たる「客観的事実」と思っているのだが、何度も言うように、これも「事実」ではなく、メンタルブロックという「思い込み」である。

では、なぜこんな「思いこみ」がAさんの中に出来てしまったのか。③の工程では、まずその理由を考えてみる。
例えばこんなエピソードがあったとしよう。「小さい頃、歌が好きでよく歌っていた。家族にも褒められたし、自分も上手だと思っていた。本格的に学ぶために教室に通ったら、基本がなっていないと厳しく指導されて怖かった。周りの子も皆もっとうまかった。自分は練習してもなかなか上達せず、所詮こんなものなのかと悲しかった」。過去の失敗経験がトラウマになり、「私はここまで、優秀ではない」という自己認識のブロックが出来てしまったことが分かった。(※分かりやすいように、非常に単純化させています。)
また、潜在意識は「繰り返す」のだ。「私はこんなもの」という自己認識が潜在意識にあると、同じような経験を繰り返しやすくなる。その分、この自己認識兼メンタルブロックは、ますます確信度が高まり、Aさんにとっては事実としか思えなくなってくる。

③の工程では、「『自分は優秀ではない』のではなく、こういう出来事があったから、私は自分を『優秀ではない』と『思いこんで』いたんだね」ということを自覚することが重要だ。そして、「そう思い込むことで、その時感じた怖くて悲しい感情をもう感じなくていいように、自分を守ってきたんだね」と、メンタルブロックの思考と感情を、自分でいったん受け入れてあげるのだ。その上で、自分の望む未来のために、メンタルブロックを手放すことを「決める」。心を決めることで、潜在意識も脳もそちらの方に動き出すからだ。

【メンタルブロック解除後 ~体験と言葉で潜在意識を上書きする~】
メンタルブロックを手放した後は、今までやりたくてもできなかったことを行動してみること。行動すれば、新しい経験が生まれる。それがポジティブなものであれば、潜在意識の情動記憶がポジティブ塗り替えられて、なお効果的だ。(一方、やってはみたもののネガティブな結果だったら、ますます落ち込みそう…という不安もあるだろう。それについては、また別途お話ししたい。)

なお、一連のメンタルブロック解除が出来てこそ、新たな理想を心に刷り込むアファメーションも機能しやすくなる。「茶色」のメンタルブロックが消えて潜在意識が「白色」になった状態だからだ。「黄色」という自分の理想を謳ったアファメーションを繰り返すことで、潜在意識が「黄色」に塗り替わっていくのである。

【メンタルブロックを手放す、言うは易し。潜在意識レベルの感情の手放しは…】

今回は、メンタルブロックの基本的な特性や、その手放しについての基本の基本について、お伝えしました。ただし。これもまた言うは易し、(完璧に)行うは難し、なのです。。なぜなら、メンタルブロックを完全に消し去るには、「思考」のみならず、そこに付随する「感情」を消し去ることが不可欠だからです。Aさんの場合、積もり積もった怖さや悲しみですね。そして、それは手放すと決めたからすぐに消え去るというものでもありません。いや、本当に色々試して色々あったんです、自分も・・・でも幸いなことに、今では完全に外せるようになりました。次回は、そんな私自身の経験を通じて、メンタルブロック解除について、難しいと感じた点や大切だと思った考え方などについて、お話しさせてもらいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?