別の道に進んでも

たぶん8年くらい前だと思いますが、経済誌でウォンテッドリーの名前を見ました。

新興企業が雜誌に紹介されても名前を忘れてしまうことの方が多いですが、ウォンテッドリーの名前は1回の記事を見ただけで覚えました。

1回で名前を覚えた理由はウォンテッドリーの事業に関心を持ったわけではなく、創業者の来歴が強く心に残ったからです。

細かくは覚えていませんが、その記事でウォンテッドリー創業者の仲暁子氏は漫画家を目指して作品も書いたが、限界を感じて漫画家になることは諦め、人々の暮らしに役立つことをビジネスにするためにウォンテッドリーを創業したと記されていたように思います。

起業した人の経歴についてそれまで何十人と雜誌やネットの記事で読んだことがありますが、起業する前にプロの漫画家を目指した人がいるのを知ったのは始めてで、漫画家になるのをやめてIT企業のCEOになる人は珍しいでしょう。

ウォンテッドリーは8月決算で、会社のホームでは2017年8月期から決算短信を見ることができ、2023年8月期の通年決算は10月13日に発表されていました。

ウォンテッドリーの事業を私は利用したことはありませんが、決算で発表されたウォンテッドリーの業績を見ると、この6年間は好調だったように見えます。

2017年8月期のウォンテッドリーの業績は
営業収益      12億89百万円
営業利益         64百万円
経常利益         59百万円
純利益          25百万円
それから2023年8月期まで通年の営業収益と純利益は全て前年度を上回り、営業利益と経常利益は2021年8月期のみ前年度を下回っただけでした。
2023年8月期のウォンテッドリーの業績は
営業収益      47億46百万円
営業利益      15億89百万円
経常利益      15億64百万円
純利益        9億95百万円
この6年間で営業収益は約34億円、営業利益と経常利益は約15億円、純利益は約9億円増やしています。

ウォンテッドリーの業績を漫画家に例えるなら、単行本で10万部から何十万部売れるヒット作品を6年間に百回以上発刊し続けてこられたという感じでしょうか。

ウォンテッドリーの企業情報を見ると代表取締役CEOは仲暁子氏とあり、創業から引き続き仲氏が中心になって会社を引っ張っているのでしょう。

何か希望する分野でプロになりたいと努力して、自分には向いてないとわかっても悲観することはない、別の道に進んでも努力すればいいことがあるとウォンテッドリーCEOの実績が示していると思います。



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