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麻婆茄子豆腐はいつも上機嫌

近所のディスカウントストアには、いつも粗挽きミンチが置いてある。こねたらすぐひと塊になりそうな細いのじゃなくて、豪快なドレッドヘアみたいなの。

これがムギュムギュしててうまいんだよ、ナスとお豆腐に合うの。毎度毎度買いものカゴに入れるたびに、おいしいもんつくるぞー! と気合が入る。


シェアハウスの同居人とは生活時間が似ているので、ほとんどの食事を共にしてきた。それがまたわたしの自炊頻度を上げている。

おいしいもの好きなわたしだが、ひとりで食べるごはんはお茶漬けだけとか食パン1枚とか、かなり適当だ。誰かが食べてくれると思えば、よっしゃつくったろと思える。

おいしいと言ってもらえれば、もちろんうれしい。そうでなくとも、今回は味濃かったなとかすこし前までナスは苦手だったんだけどとか、ちょっとした言葉を交わしながらごはんを食べればどこかほっとするものだ。


シェアハウスにはときどき友人たちが遊びに来てくれる。いっしょにごはんを食べお酒を飲み、ぐだぐだと夜中まで話したりゲームをしたり。

そんなときわたしが決まってつくるのが、麻婆茄子豆腐だ。今年の初期につくってみてクリーンヒットしたので、それ以来もてなし料理として定着した。

麻婆茄子も麻婆豆腐も食べたい、いっぱい食べたい。じゃあどっちも入れちゃえばいいじゃん! という欲張りメニューなのだが、これがねえ、グッとくるんです胃袋に。


見た目はけっこうな赤色。豆板醤はできるだけ辛そうなのをえらんで使うといい。くつくつと鳴る鍋のふたを開ければ、ニンニクと仕上げにたらしたごま油が鼻腔にダイレクトアタックしてくる。つよい!

豪快にスプーンですくってひと口。ムギュ、と噛みごたえのある粗挽きのお肉にうれしくなる。あーー、やっぱりこれなんだよなあ。
とろりとほぐれるナス、さいの目に切った木綿豆腐はぷるんぷるんで熱々、もうお口の中が忙しい。

しっかりとパンチの効いた主張をしてくるニンニクは正義。そこに鶏ガラ出汁のコク、すこし遅れてガツンとくる豆板醤の刺激。とろみをつけてあるので、うまみが長く口に留まる。伝わりますか、これ、白米いくらでもいけます。


事あるごとにつくってはうまいうまいと自画自賛する麻婆茄子豆腐。なんだけれど、たぶんほかの人はわたしが思うほどおいしいとは思っていない、気がする。

食べている間にいちばんスプーンが進んでいるのは間違いなくわたしで、うまー! とニコニコしているのもわたしだ。完全に手前味噌だが、だっておいしいんだもん。


2020年は外食の機会が格段に減った。いつまでこれが続くのかな。お店でわいわいお酒を飲む時間が恋しいな、と思うこともある。

でもわたしには自炊がある、そこそこおいしい料理がつくれる。しばらくはこの場所で暮らしていくのだろう。優しい友人もたくさんいるし。ちょっと奥まったところだけど、遊びに来てくれたらごはんでも振舞うよ。

大変なこともあるけれど、まだまだ元気にやっていけると思う。
麻婆茄子豆腐をつくれば、わたしはいつでも上機嫌になれるのだ。


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この記事はわたしがつくったアドベントカレンダー年の瀬にうまいもん #食べたっ隊 の最終日12/25担当です。

12/24の担当はけんずさんでした。おいしいものに対して素直に「おいしい!」って表現するの、案外難しいよね。

前半怒濤の勢いでうまいもんツイートを埋め込んでいるのはご愛嬌。いやーほんと毎日お腹が空いて仕方なかった…飯テロカレンダー、危険ですね。
飯テロされたい猛者はぜひ覗いてみてください。うまいもんに溺れられます。

カレンダーにご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
2021年もうまいもん食べて元気に暮らしていこーな!

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