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どうでもいいことで損するなよ

ご存知の通り中学に上がったくらいからライトノベルや深夜アニメにどっぷりと浸かり、物語の豚として無意味に肥えてきた自覚があるのだが、そのきっかけの一つとなったのは狼と香辛料だったと思う。こちらが4月からリメイクでテレビ放映されるときいて驚いている。もう十数年前の作品で2クール制作済みであるから、制作発表の中身は続編の告知だろうと思って中身をちゃんと見ていなかったからだ。主演の声優も台本もらうまでは続編だと思い込んでいたという。

リメイクとはいえメインキャストの2人は変わらずなのでまたあの軽妙なやり取りが聞けると思うとやはり期待値が高い。ライトノベルには珍しく剣と魔法の世界(≒いかにもフィクションな超常現象)の要素は控えめで、神様として祀られていた狼が美少女に化けて人間と暮らすくらいのもので、よく分からんパラメータ表示が見えたり、魔法が使えたり、チート能力が振られたり、ハーレムを作ったりするわけではない。行商人の主人公とヒロインが商売をしながらヒロインの故郷を目指すのが話の主な流れだが作り込まれた設定の中で商取引の描写が新鮮で、物語が全般的にリアルに見えて没入できたから好きになったのだと思う。

そういうわけで何年かぶりにアニメを見返してみることにした。主人公とヒロインの会話については聞いているだけで恥ずかしくなるのだが、ほとんど言葉通りの意味ではないためややもすればここ最近のアニメだとわかりづらい描写になっているかもしれない。直後のセリフで補足があったとしても非常にテンポ良く話が進んでいくのでそこそこのスピードだと思う。先日インターネットで、葬送のフリーレンのアニメを見ても意味がわからない、という文言を見かけたのだが、おそらく同じことを言われるのないかと思われる。そういう意味でリメイクをするのだとしたら少し残念なのでここだけは不安に思っている。リメイク後を見るのは楽しみでありながら怖い。

なんだかんだ時間が経って自分がおっさんになっていく実感がしっかりあり、別にそれを今更どうこういう気力もない。だから少し説教くさくても躊躇なく書き起こしておくことにするが、最近確信していることの一つに、他人に対する評価の仕方も人それぞれであり、自分の何が地雷になるかわからないということがある。だから品行方正に生きよとかそんなことを言いたいわけじゃない。なんか変な拗れ方をしても、そういう行き違いの仕方があるのだと納得する方便の一つとして覚えておくのはどうかという提案だ。なんであってもそれは同じで釈然としないことばかりが心の奥に積み重なっていくことは借金を重ねていくことと同じくらい辛く、損なことだと思うし、こんなどうでもいいことで損な気持ちになるのは癪である。どんなものが見れるか分からないけど、それを受け入れていよう。どうでもいいことで損しないようにいよう。

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