『君とどこかへ行きたい』HKT48

HKT48 14thシングル『君とどこかへ行きたい』はHKT48としてはこれまでに無いシングルであったことは間違いない。13thの『3-2』もAKSから独立したMercuryになってからのシングルだが、旧運営のもとで制作されたシングルなのは間違いなく、Mercury印としては14thが実質的には初シングルということになるはずだ。

運営が変わったから、というのが理由かどうかはわからないけれども、
・W選抜
・JR九州とのタイアップ
・森保まどかの卒業ソロ
があるということはこれまでとは違いを感じざるを得ない。

W選抜「つばめ選抜」「みずほ選抜」というJR九州の新幹線の名前にちなんだ選抜グループ名で、それぞれ1期生・2期生・3期生・ドラフト2期生と、4期生・ドラフト3期生・5期生に分けてメンバーが選ばれた。この選抜メンバーの個々の物語を語ると楽曲の話とずれてくるので、別の機会で書こうと思うけれども、MVも2つ作られてYoutubeでそれぞれフル配信されている。

今回のMVの感想を素直に書けば、「みずほ選抜」つまり4期以降のメンバーのMVが素晴らしい。「つばめ選抜」のMVが悪いわけじゃないけれど、「みずほ選抜」のMVの仕上がりは「つばめ選抜」のMVを遥かに凌駕している。全体的にはアイドルMVとしての透明感・キラキラ感が溢れている。言い方が失礼かも知れないけれど、「つばめ選抜」のMVがあってこその「みずほ選抜」のMVという状況に思えてしまう。アンサーMV的な感じ。

フレッシュさに対する大人感を醸し出したかったのかも知れないけれど、もっとアイドルらしいストーリーで良かったんじゃないのかなと思っちゃうんだよなぁ。みくりんをセンターにしたのだったら、コスプレ感満載のMVにしなくてもいいんじゃないかなぁ、と思うんだよな。

「みずほ選抜」MVでの選抜メンバーは、みんな本当にキラキラしていて、なっぴ(運上弘菜)の透明感はHKT48の誰よりも強く出ています。そんなアイドル感全開なメンバー達ですけれども、ストーリーシーンの上島楓ちゃんはすごいカワイイ。そして、ダンスシーンでは竹本くるみちゃんの安定感というかキレが抜群で、体幹がしっかりできているところとかも見応えがあります。

「つばめ選抜」は全体的にまとまりが良すぎるところがあるのだとは思いますが、舞ちゃん(渕上舞)・りこぴ(坂口理子)・村重(村重杏奈)の旅する3人が話しているシーン(3:23~)はそれぞれが可愛く撮られていて、こちらのMVの中では一番いいシーンなんじゃないかな。

MVについてはさておき、歌詞を読み込むとJRタイアップという作り込みがあるように感じたりもするけれども、秋元先生が一番得意な「友達以上恋人未満」から一歩踏み出したいストーリー展開(踏み出せたっていう完了形ストーリーではなくて、童貞妄想ストーリーが秋元先生の真骨頂)。かなりいい線行ってるんだと思うけどw

歌詞の中に出てくる主人公とその彼女が付き合っているかというと「近すぎる」と「恋は始まらない」って言ってるから、まだ付き合ってもいないのかなと思えるシチュエーション。これをどうやって一歩進めるのか、っていうところで、「泊まりがけ」の旅行に誘い出そうってしているんだね。

高校生のときに好きな女の子にどうやってアプローチするか必死で悩んだ想いが蘇る男子目線な歌詞で、ノスタルジックな共感度は抜群です。エモいっていうべき?www

とってもまっすぐな歌詞で、それに似合うスピード感のあるギターリフなんかが入っている楽曲で、ぜひともTVやラジオなんかでたくさんかかって欲しいなと思えるいい曲ですね。

そして、うちには劇場盤しか無いので、まどかの卒業ソロ曲『この道』しかカップリング聴けてないのですが、こちらはベタな卒業曲。ピアノ曲としての作り込みがされているんだと思いますけれども、最後になっちゃったけども本当にソロ曲もらえて良かったよね、って感じます。まどかの歌声を聞きながら、HKT48の歴史を改めて見直す、10周年アニバーサリーサイトを読み込んでみるのもいい感じですよ。

最後に一つだけ、嫌なのは、今回はじめてHKT48では単独リクアワライブをやるのですが(ファンがこれまでの楽曲に投票した結果でランキングを楽しむライブ)、この投票券がシングルのキャラメル包装を開いて歌詞カードの中に挟まっているところ。通常盤は仕方ないけれど、劇場盤の投票権はリアル封入じゃなくて、シリアルコードをメール配信とかにしてほしかったなぁ。これだけはいただけないです。来年もあることを祈りますけれども、ぜひ、再考していただきたく願います。



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