『3-2』HKT48

2020/4/22、HKT48の13枚目シングル『3-2』がやっと発売になりました。12枚目の前シングル『意志』が2019/4/10の発売ですから、1年以上の間隔となってしまいました。『意志』はHKT48にとって指原莉乃卒業シングルですから、そのメッセージ性も強烈で、特にMVで指原が後輩たちに「旗」を渡すシーンが強く印象に残っています。

今回のMVがYouTubeで公開されたときに、今回も「旗」が形を変えて使われており、まだ指原卒業から完全に決別できてないんじゃないか、という気がしていましたが、劇場盤カップリングの『青春の出口』がまだ卒業ソングだったので「もぉいつまで…」という気になりましたが、指原の卒業というわけではなく(少しはあるんだろうけれど)、卒業ソングという意味で捉えられるのかな、と思ってます。穿った見方としては、本当はもっと早く13thシングルがリリースされるはずで、いわゆる3月の卒業シーズンで流されるのを期待されていた曲なのかもしれないな、とか、ね。

HKT48のメンバーたちも言っていますが、HKT48のこれまでの表題曲ではなかったタイプの曲ということは間違いありません。ただ、巷で言われている欅坂46の曲みたいだ、という視点でいえば、他に無いわけでは無いというのが正直な感想です。三角関係というテーマも、普遍的なテーマですから、そこにオリジナリティがあるわけじゃない。

ただ、この曲を歌詞も見ずに最初に聴いたとき、三角関係の曲だとすぐ分った反面、歌詞の中にある「3-2」、「2-2」、「3÷2」、「3-1」といった数式が、何を意味しているのかが全然分からなくて、歌詞を読み込んでしまいました。

そりゃもちろん、「3」は三角関係の当事者全員、「2」は恋愛関係になった二人だし、「1」は残された自分、というのはなんとなく分かるんですけれども、「ー」と「÷」はどう違うのか、「割り切れる」とか「割り切れない」とか、何を意味しているんだろうってのを追及したくなっちゃったんです。

「3-2」は3人でいるシチュエーションから恋人同士の2人が去って行くということを示唆していて、また「3-1」は自分がそのシチュエーションから離れていくということを示唆しているんだろうな、ってのはすぐ分かるんです。

ただ、1番のサビの最後「2-2」が難しい。これは、3人で知り合う前で、2人で出会った段階で付き合い始めていたら、という仮定の話をしているのかなと。ただ、なんで0になってしまうのかが分からないんだよな。親友の前からいなくなってしまうことを意味しているのかな。

そしてサビの「3÷2」と「3-2」の違いは何なのだろうか。3÷2は1余り、3-2は1残る。それは算数の計算なんだけど、「3÷2」だと「僕だけ余る」し、「3-2」だと「孤独が残る」ということなんだよね。

ここまで考えて、ふと思いついたんだけど、実はこの曲、恋愛ソングという見方をするんじゃなくて、実は親友との関係性を考えている友情ソングなんじゃないかと思えてしまう。つまり、「3÷2」というのは、カップリングが3人だとうまくいかないから僕が余っちゃうのは親友が先に告白して「悔しい」という感情。「3-2」だと、親友を彼女に取られてしまって寂しいという感情。実は、中二病というより高校生くらいの「俺も彼女欲しいのに」という曲なんじゃ無いか、と思えてきてしまった。

告白の勇気が出せなかった自分が悔しい、という気持ちは、青春の1シーンには間違いないシチュエーションで、いろいろな理屈を付けて諦めを付ける、それが今回の曲の意味するところなんだろうか。

そして、劇場盤カップリングの「青春の出口」にストーリーがつながっていくんだな、と勝手に思い込んでしまい、自分的な納得が付いてしまいました。

MVがかっこいいから、こういう捉え方はどうなんだろうとか、思いつつも、僕の感想としてはこちらを置いておきます。


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