ADCC2019徹底感想

めちゃくちゃ楽しかったADCC2019。

もう文字数気にせず徹底的に感想を書いていきます。

※選手名が山ほど出るので、敬称略です。

1.岩本健汰、デラヒーバフットロック極めかけるも・・・Paulo Miyaoタップしない伝説

前の予想記事で厳しいと予想してた、岩本健汰 VS Paulo Miyaoですが、やはりPauloのほうがポイントゲームは一枚上手でした。

しかし、最初に岩本健汰が極めかけたデラヒーバフットロックは並の人間であればタップしていたでしょう。やはりPaulo Miyao、全然タップしません

このタップしない伝説はいろいろあって、今回Tye Ruotoloのときも出ました。

膝十字を極めるも若干横にずれていますが、あきらかに足がありえない方向に曲がっています。どうやらTye Routoloは「膝が鳴った」と言っていたようですが、でもタップしませんでした。しかも、どうやらとある情報筋によると折れてたらしいです。足なら一本くれてやるスタイル!!!

以前Paulo MiyaoはKasaiでもGianni Grippoにアンクルホールドを極められてもタップしませんでした。

あと、Spider Invitationalだっけな?それでアンクル完全にぶっ壊したのにテーピングして勝ちきったこともありました。完全にやばい!

Paulo Miyaoはもう絞め落とすか、膝か腕を360度曲げるくらい完全に関節をぶっ壊すかしないと制限時間内に終わらせることはできないでしょう・・・。

2.Nicky不発

Jamil Hillがダークホースだったのかもしれません。やはりADCC本戦に出てきているので相当な実力者であるのは間違いないでしょう。

とは言えNickyはノーギのトップ勢をガンガン倒してきたので、今回もさくっと勝つのかと思っていました。

しかし、Jamil Hillの柔らかい動きを捉えきることができず、ポイントで辛勝という感じでした。

この試合を見て私は「今回調子悪いな」と思いました。

その予想は的中して、二戦目のPaulo Miyaoにポイントで負けてしまいました。しかし、Paulo Miyaoはポイントゲームが上手だし、Nickyの調子の良し悪し関わらずNicky的にはきつかったかもしれません。ヒールで捕まえてもタップしないだろうですし笑

あと、組み合わせもちょっと悪かったでしょう。早々にPaulo Miyaoという負けうるスタイルの選手と当たってしまって、もうちょっと組み合わせが違ったら展開も違ったかもしれません。

3.Keith Krikorianやはりトップ勢には及ばずか

初戦でAugusto Mendesに極められたのは結構驚きました。

Keith Krikorianは最近調子が良い10th Planet勢で、ADCCの北米予選で二回とも2位を取っています。トップ勢にも普通に渡り合えるかと思っていました。

やはりADCCのポイントゲームに10th Planet勢は慣れていないのか・・・うーん。残念。

4.Geo不発

Geoの初戦はMatheus Gabriel。あまりノーギでは結果を出していないので普通に勝つと思っていました。

が、両者噛み合わず・・・・本当微妙な判定でした。どちらが勝ってもおかしくなかったと私は思っています。

でも、ジャッジ判定にあれこれ言うのではなく、やはり勝ち切るには極めるなりポイント取るなりしないとなと思いました。これはもうこういうルールでやる格闘家全員に当てはまる話でしょう。

5.僕イチオシのRichard Alarconがまさかの

男子66kg初戦で一番ビビったのは、Richard AlarconがGianni Grippoに勝ったことです。

Gianni Grippoはたぶん多くの人が優勝候補で上げていたでしょう。

一方、Richard Alarconは遅めに招待された選手。他の選手に比べ輝かしい実績もあまりないです。

が、最近CJJやKasaiで結果を出した流れでGianni Grippoに勝って驚きました。正直、自分も勝つとは思ってませんでした。「ワンチャンこのまま優勝するのではないか」と思わせるくらいでした。

6.Cobrinha Jr.が活躍

正直、自分がノーマークだったCobrinha Jr.ことKennedy Macielがすごい勢いがありました。

前回はパパのCobrinhaが優勝、次にJr.が優勝か・・・と思いきや、やはりAugusto Mendes強し。

今後もっとノーギシーンに出てくるかもしれません。いや~、Jamil Hillみたいに強い人山ほどいるもんだなあ。

7.Tanquinho安定して強し!!!!

優勝候補の一人だなと思っていましたが、的中。

今回強かったな~、タンキーニョ。

やっぱり安定感が大事だなと思いました。Gordon Ryanしかり。やっぱり強い選手ってどんな相手が来てもきっちり着実に勝ちます。これが本当の強さなんだなと思いました。

8.やっぱり男子77kgの台風の目はGarry Tonon

私が以前の記事で書いたように、本当にGarry Tononが台風の目になりました。

この階級で決定的な試合となったのは、間違いなくGarry Tonon VS Renato Canutoです。

ずーっと絶好調だったRenato CanutoにGarry Tononが勝てると正直私は思ってませんでした。

内容も実際僅差で、ぶっちゃけどこでネガティブポイント入ったのかよくわかりませんでした。一回Renato Canutoが座ったところ?

つまるところ、ADCCは立ちレスリングだなあと改めて認識させられました。

9.それ以上にJT Torresが調子良かった

この絶好調のGarry Tononを止めたのがJT Torres。

もともと強い選手ですが、この絶好調Garry Tononをポイントできっちり勝ったのは本当に絶好調の証。

決勝で当たったVagner Rochaも安定感が非常にある選手ですが、でも決勝でもきっちり勝ってすごい。

10.実はトップレベルに面白かった男子88kg

思い返してみると、男子88kgは面白かったなあと思いました。

それは、Craig Jonesです。

バンバン極めてて、その技術とマインドゲームのうまさにはビビリました。本当完成されています。Craig Jonesシステムと言って良いくらいでしょう。笑

「まずこれ」「こう来たらこう」「それに対してあれがきたらそれ」みたいに、もうどう行っても袋小路で、それの誘導がめちゃくちゃ上手いです。Nick Rodriguezみたいに徹底的なポイントゲームとオイルレスリングでルールの中で勝ち切る方向性とは全く別です。「いかに相手からタップを取るか」というシステムが完成されており、芸術的です。QUINTETのときからとっくにそのシステムは完成されていましたが、どんどん完成度が上がっているのは間違いないでしょう。ADCCに出るレベルの選手がバンバンはまっているので、相当な完成度でしょう。これは本当研究するべきです。いつかじっくり研究して、記事にしたいです。

11.でもやっぱりMatheus Dinizの安定感がすごい

そのCraig Jonesシステムを抑えて勝ったMatheus Dinizはもっとすごい。マルセロ・ガルシア勢で金メダル1つ取れて良かった。でも、10th Planet勢は金メダルなしで個人的には辛い・・・。

本当今回のADCCのテーマは「安定感」です。安定感がある選手が本当に強い!!!

きっちり逃げるところは逃げて、ポイントで勝ち切る。そんなADCCルールの一種の完成形が見れた大会になったのではないでしょうか。

12.Gordon Ryan劇場男子-99kg

もう男子-99kgはGordon Ryan劇場でした。

唯一勝つ可能性があったVinny Magalhaesも途中でスコア負け。さらにどっちにしろケガ。3位決定戦は棄権。うーん、残念。

正直、10th Planet勢にメダル取って欲しかったです。やっぱりsubmission onlyを掲げる10th PlanetとADCCのポイント制は噛み合わないのかなと毎回思ってしまいます。

閑話休題、Goron Ryanですが、二日目一発目のLucas Barbosaの殺意もすごかったです。前日に「Gordon Ryanに勝つよ」みたいなこと言ってて、一種の期待感をもたせてくれました。

が、蓋を開ければこのGordon Ryanの安定感。本当すごいです。本当何させても強い。完璧。頭一つ飛び抜けてます。もう批判のしようがない。Absoluteのことも後で書きますが、本当にBESTです。ケチのつけようがない。ただただ褒め称えたいほど偉大です。笑

ちなみに、Gordon Ryanのプライベートレッスンは確か1時間500ドルです。意外と安い?!

13.ひたすらオイルレスリング男子+99kg

結果を見ればわかりますが、唯一この階級でタップがあったのはYuri Simoesの一戦目だけ。他はスコアか判定です。

Nick Rodriguezはじめ、本当オイルレスリングでした。笑

ひたすら上半身裸で組み合って押し合って汗まみれになって・・・・。全然違う競技に見えました。笑

しかし、これも一種のADCCの完成形でしょう。「ADCCで勝ちたきゃオイルレスリング勝てるようになれよ!」というのも間違いないです。テイクダウンされずに、リスクを取らずにポイント取って、レフェリーの印象を高める。その答えということでしょう。

あと、Orlando Sanchezのぼっこり出た腹が印象的でした笑。

14.二階級制女子はいろいろきついか

日本勢として湯浅麗歌子に期待していましたが、正直初戦であんなにパスされてポイントたくさん取られるとは思いませんでした。

ご存知の通り、湯浅麗歌子はめちゃくちゃ強いです。柔術をやっているのでポイントゲームも上手です。なのにあんなにパスされてしまうのは全然予想していませんでした。

相手のFfion Daviesは58kgで戦っているらしいので、湯浅麗歌子とは10kg差。これがやはり効いたのかなと私は思いました。

ちなみに、自分も相当軽いですが、やはり5キロ以上あるとめちゃくちゃきついです。パス防ぐにもパスするにもきついです。20キロくらい差があると「自分は岩とスパーしてるのかな?」と思い始めます笑

加えてあるとしたら、Ffion Daviesは湯浅麗歌子と同じ、ひょっとすればそれ以上ノーギの技術があったのかもしれません。帯としてはFfion Daviesは比較的最近まで茶でしたが、Polarisの確かチャンピオンで、非常にノーギに慣れている可能性が高いです。青帯がADCCで2位になる時代。帯の色なんて関係ない!

話題それますが、Ffion Daviesはめちゃくちゃ美人さんだと思いました。24歳でこの実力。今後人気出るのでは?

また、ADCC女子といえばGabi Garcia。4連覇。強すぎます。やはり身体がでかいのもあるでしょう。どの対戦相手とも大人と子供くらいの体型差がありました。

にしても、4連覇は本当に偉業です。男子ノーギGOAT(Greatest of All Time)がGordon Ryanなら女子はGabi Garciaでしょう。

15.結果めちゃくちゃ楽しかったAbsolute

このAbsoluteについてノーチェックで、存在すらギリギリまで私は知りませんでした。

一体どういうふうに出場者を決めているのでしょうか?全然法則性がなくて、Keith Krikorianが出てたりCraig Jonesが出てなかったりGordon Ryanが出てたり、よくわかりませんでした。

しかし、内容的にはご存知の通りめちゃくちゃ楽しかったです

初っ端からKeith KrikorianとBuchechaの大人と子供並の体格差がある試合が行われてて、ビビりました笑

Keith Krikorianも減量して60kgなので、一般的には決して小さい方ではないでしょう。自分がBuchechaと並んだら大人と子供どころか、大人とチワワくらいになると思います。

16.ADCC2019のMVPはGordon RyanとLachlan Giles

ADCC2019のMVPは誰?と聞かれたら、ほとんどの人がGordon Ryanを一番に上げるでしょう。次は間違いなくLachlan Gilesです。

本当にLachlan Gilesのアシガラミテクニックには驚かされました。+99kgで優勝しているKaynan Duarteからタップを取るとは・・・。

やはり男子で重い階級はオイルレスリングが主流になってて、Lachlan Gilesのように座ってからテクニックで攻めてくるのに慣れてなかったのかもしれません。

Craig Jonesと同様、Absolute MMAのレッグロック技術は非常に素晴らしいです。自分もADCC Asia予選のLachlan Gilesの動画を何回も見て学びました。今回も何回も見直してますが、非常に学びがあります。「足を掴んだら離さない」「足を手でコントロールする」という技術に非常に長けています。これもいつか研究して解説記事を書きたいです。

17.にしてもGordon Ryanがすごい

その絶好調Lachlan Gilesを完封したGordon Ryanは本当にすごいです。

重い階級ですが、オイルレスリングにとどまることなく、一通りの、というより全テクニックを完璧にマスターし、安定感をもって危ない状況に陥ることなく極めきる、というのはまさに男子ノーギGOAT。

自分はまだGorodn Ryanのテクニックを紐解けていません・・・。というのも、最近のGorodn Ryanのスタイルはパスしてバック取ってチョークというパターンなので、あまり自分が得意としている流れではなく、わからないためです・・・。たぶんそこの理論を身につけたらトップゲームはめちゃくちゃ上手くなるでしょう。でも、パスって本当難しいよなあ・・・・。

閑話休題、なるべくしてなった二階級制覇。本当に偉大!!!!

18.Gorodn Ryanは早くAndre Galvaoと。あとCaio Terra

Gorodn RyanがAndre GalvaoとCaio Terraとやるという話が一時期ありましたが、私は絶対にこの話は忘れません。笑

特に今回でAndre Galvaoとの決戦のムードは高まったでしょう。

ADCCは2年毎ですが、2021のスーパーファイト枠まで待てません・・・。両者一番絶好調と言える今やるべきではないでしょうか。

ついでにCaio Terraとも早くやってほしいです。笑

19.格闘技のモチベめちゃくちゃ上がる

もう私の話ですが、今回のADCCで格闘技のモチベがすごく上がりました。

特にCraig Jonesシステムは個人的に研究してすでに練習に取り入れているが、すごいいい感触です。自分の新しい領域を開拓できてると思います。

やはりこれからの時代はグラップリング。ノーギです!!!!

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