見出し画像

名を刻む

「私の名前が先輩たちのようにホームページに載るのはいつ頃になりますか?」

学生との面談でこう聞かれました。

「早くて3年後くらいだけど、どうして?」
「自分の仕事の実績が公開されて、名前も載るんですからカッコいいじゃないですか」

少々不意をつかれた気がしました。今まで話した学生の中にはこうした質問はありませんでしたから。

ホームページに名前が掲載されることがモチベーションになるようです(もちろん炎上とは全く異なります)。むしろ、仕事の証が何らかの方法で世間に公表されれば、たとえその仕事が縁の下の力持ち的な仕事であったにせよ、家族や友人・知人たちに胸を張って、この仕事は私が関わったものだと誇ることができるのでしょう。

こうした感覚を持つ学生は、少なくないはずです。

例えば新聞や雑誌やネット記事の署名であったり、あるいはホテルマンや飲食店のスタッフが付けるネームプレートであったり、それらが仕事に自分の名前を刻むステータスとなる。

自らの仕事へのコミットが、自らの仕事のステータス(の感覚)を押し上げる。なぜなら名が刻まれるから。足跡を(爪痕でもいいけれど)残すことができるから。

極めて感覚的なことです。名前なんて刻まれなくたって構わない、という人ももちろんたくさんいます。名前が刻まれない仕事だって山ほどあります。

だけれども、苦労して、汗と涙を流して、時間をかけて関わったものがカタチとして残って、そのどこかに自分の名前が刻まれることの喜びは、経験していなくても、格別だろうな、と想像できます。

その喜びを味わうまでの、少々長いプロセスを、わたしたちは応援するしかないでしょう?

Move forward!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?