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【糖尿病】SAPをやってみて(1) 向き不向き

こんにちは。
やっと記事にできました。今日は以下を知りたい方にオススメの記事です。特に伝えたいのは●です。そうでもない人は記事をスルーください。

・SAPとは
・機器の説明
●利用者の考えるSAP療法の向いている人、不向きな人

SAPとは

患者用説明サイトや医療ニュースの記事がわかりやすいので子細は譲り、概要把握につながるキーワードだけあげます。

・インスリンポンプとCGMを一部連動したもの
・インスリンポンプ=皮下に針を留めておき、機械が自動・操作でインスリンを注入
・CGM=皮下にセンサ針を留めておき、グルコース値(血糖値の代替)を計測、機器の画面に反映
・アラート、自動停止=グルコース値の急激な変化や低血糖付近になるとアラートをならし、更にインスリン注入も自動で停止
グルコース値を見てインスリンを停止する、最後の項目がSAP特有です。

機器の説明

まず、SAPをするには対応する機器をつけなければなりません。日本で認可されている機器は現在1種類のみ、ミニメド640Gです。
装着の感想は、ゴツい。本体のサイズはギリギリ許せますが、重さがなかなかのもの。(実測147グラム)
サイズ許せると書きましたが、寝るときとかサイズもNGですね!寝返り打ちにくい。重さは結構致命的で手から滑り落ちると冷や汗をかきます。身体についた針+粘着テープだけで本体を支えるので。。

身体につけるものは、1. 機器本体、2. チューブでつながったポンプの針、3. 無線機がついたグルコース値を測る針です。

機器本体はインスリン液を注入するシリンジ、単三電池、液晶画面があります。
シリンジは全て機械により動き、手動で薬液を出すことはできません。また、機械の操作は全て液晶画面を通じて行うため、スマホの前の携帯、ガラケーを操作するような感覚になります。
液晶画面は薬液の注入を指示する、グルコース値を確認する、などを目視できるようになっており、それぞれかなり細かい設定が可能なことが特徴です。それだけ、個々人で生活スタイルやインスリン作用が違うということ、それに合わせようとメーカー側がトライしているのが見て取れます。
なお、通知機能はアラーム音とバイブレーションがあります。

SAPが向いていると思う人

しばらく使った私の感覚ですので、あくまでご参考に。私自身は向いていると思います。多分、糖尿病の管理状態を示すHbA1Cという指標は良くなるだろうと踏んでいます。

機器の操作習熟を厭わない人
グルコース値は画面にすぐ出てきますが、薬液の注入は複数回のボタン操作が必要です。(それでも私は注射より圧倒的に楽だと思いますが。)
また、上記で「薬液量は細かく設定できる」と書きましたが、言い換えるとそれだけ色々なことを覚えれば、色々な治療を試せるということです。
これらの操作に興味を持ち、操作を覚えることができる人のほうが、この機器をより上手に使いこなせそうです。
強化療法(インスリン注射を頻回打つ治療法)ではあまり意識しないことまで設定できます。(例:遅行型のインスリン量の時間帯ごとの変更。強化療法だと24時間効果を1回打つことが多くその間の値の変更は困難。)

グルコース値変化の原因と対策を考えられる人
そのほうがSAPをやる意味があると思い載せました。インスリン量を細かく設定できる、グルコース値を時系列で、色々な角度で見られるという機器のメリットを享受するには、生活の変化で変わるグルコース値を捉えてまたは予測して、インスリン量を調整する、このサイクルを回す必要があります。
補足
もちろん、医師も機器の数値を外来診察で見て、上記のサイクルを回す検討をしてくれますが、前回診察から今回診察までの期間をまとめて判断、だと思います。日々の詳細な変化までは見きれないでしょう。
誤解をしてほしくないのは、医師の診察は尊重すべきです。医学的な知識を持ち、自分以外の患者の情報を持つ医師はその道のプロです。ただ、ときにプロではない医師や合う合わないもあるので、信頼する医師選びは大事です。

今の治療状態を変えたいと強く思う人
私がそうでしたが、悪い状態を惰性で続けている場合にはよいきっかけになると思います。変えないと、変えないとと思いつつも、結局なかなか変わりませんでした。生活習慣の変更は相当な動機づけと報酬が必要だと思いますが、それをもう得られないほど私は悪い状態を継続する感覚が麻痺していました。

SAPが不向きだと思う人

すでにコントロールが良い人
今うまくいっている方法を変えてまでやるメリットは薄いと思います。

2種類の針を正しくつけられない人
手技の獲得は必須条件です。インスリン注入用の針とグルコース計測用の針はそれぞれ装着方法が異なります。また、単純に刺すという行為の前後に、ピストンのリセットやトランスミッターの充電なども入りますし、刺すのも専用の装置を使って行うため、それなりに作業が多いです。私は未だにマニュアルを見てやっています。

血糖値に一喜一憂する人
悪い値が出たときに心が大きく揺さぶられる人は向いていないと思います。
グルコース値は自分が知りたい時、画面を見ればいつでも見られます。これはSAPでの大きなメリットですが、見えすぎてしまうという懸念も生みます。
残念ながらこの療法も万能ではありません。インスリンを打ち、血糖値を測る、その基本動作は強化療法と変わらず同じです。ですから、高血糖も低血糖も発生しますし、そうなった原因を求める思考も強化療法時と変わりません。つまり、例えば高血糖になったことで過度に自分に責任を感じる場合、他者を攻撃する場合、その傾向はSAPを行っても変わらない可能性があります。原因をなくすことも考え方を変えることもSAPではできません。
悪い値を見た時、一旦その値を受け止めて、まずはその状態を脱するために然るべき対処をして、落ち着いてから原因を探り、次回に活かす、そんなふうに私は努めるようにしています。とはいえ、不可解な高血糖とかもあるので、想像がつかないなら神のいたずらだと諦めます。

他にも肌が弱いと粘着テープがかゆい、医療費が上がる、見た目が悪い、(お風呂、着替え、トイレなど)取り回しが面倒、針が常に刺さっているのはやっぱり気になる、など細かいデメリットもあります。人によって判断材料や重み付けは違うと思いますので、他にも気になる点がありましたらお気軽にコメントください。

追記:関連記事

(1) 向き不向き ←本記事
(2) 痛いの?

(3) 何が良い?
(4) 何がダメなの?
(5) 操作ってしやすいの?
(6) 3か月振り返り_HbA1C-0.5%

すけ



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