BMIという肥満の指標〜25以上の人はやっぱり痩せた方がいい
こんにちは。少しずつ秋の気配を感じるようになってきましたね。「いや〜、暑さがひどくて運動出来ませんでした💦」という言い訳が徐々に通じにくくなってきた今日この頃です。(笑)
普段外来診療をしていて、体重とともにBMIという肥満の指標をよくみています。BMIという指標について耳にされたことがある方も多いかと思いますが、この数値が私たちの健康にどのような影響をもたらすのか、今回はそんなお話です。
1. BMIの基本
BMIは「Body Mass Index」の略で、日本語で「ボディマスインデックス」と呼ばれるものです。これは身長と体重から計算される数値で、肥満度を示す一般的な指標として利用されています。
BMI=体重(kg)÷身長(m)2
ご自身の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)ということですね。身長はメートルで計算します。
筋肉量の多い方は重くなりがちですので、多少個人差は出てきますが、比較的簡便な指標なので、一般によく用いられています。
2. BMIの範囲と意味
BMIの範囲は、健康上のリスクとの関連性をもとに以下のように定められています。
低体重: BMIが18.5未満
標準体重: BMIが18.5~25未満
肥満(1度): BMIが25~30未満
肥満(2度): BMIが30~35未満
肥満(3度): BMIが35以上
3. 疾患リスクとの関係
BMIが25以上の場合、肥満とされ、一般に以下のような健康上のリスクが高まると考えられています。
糖尿病: 肥満はインスリン抵抗性(血糖を下げるホルモン、インスリンが効きにくい状態)の原因となり、糖尿病のリスクが増加します。
高血圧: 体重の増加は心臓への負担を増やし、血圧を上昇させる可能性があります。
心疾患: 高いBMIは、コレステロールやトリグリセリドの異常など、心疾患のリスクを高める要因と関連しています。
脂肪性肝疾患: 肝臓についた脂肪は肝臓に炎症を引き起こし、慢性肝炎や肝硬変の原因になる可能性があります。
関節の痛み: 過度の体重は関節に余計な負担をかけ、関節痛や変形性関節症のリスクを増加させる可能性があります。
睡眠障害: 肥満は睡眠時無呼吸症候群の原因となり得ます。
他にも、脳梗塞などの脳血管障害、痛風、肥満関連腎臓病、月経異常や不妊など多岐にわたります。
4.BMI25以上の人はやっぱり痩せた方がいいと思う理由
これだけの疾患リスクに関わるといわれるだけでも痩せた方がいいだろうなと思うわけですが、米国のハーバード公衆衛生大学院と、英国のケンブリッジ大学が中心となった研究チームの調査によると、
BMIが5上昇するごとに死亡リスクが31%上昇する
という結果が出ています。
(Lancet 388:776-786,2016)
BMI22.5~25の「標準体重」の死亡リスクがもっとも低く、BMIが上がると死亡リスクも上昇しており、BMI25以上では、数値が5上昇するごとに死亡リスクは31%上昇したとのことです。
疾患別には、BMIが5上昇するごとに、心血管系疾患の死亡リスクは49%、呼吸器疾患の死亡リスクは38%、がんの死亡リスクは19%、それぞれ上昇しています。
なお、高齢者より若者、女性より男性のほうが、肥満の死亡リスクへの影響は強い傾向がみられたそうです。
メタボな男性の皆さん、特に要注意ですよ⚠️
やはり、健康維持には適切な体重管理が欠かせませんね。
食欲の秋に負けずに頑張りましょう♪
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