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想像を超える

度々、予想も出来なかった事態に対して「想像を超える」という表現を使われることがある。
それは、良い意味でも悪い意味でもよく使われるものだ。

そして、人はしばしば自分の理解出来ない事や理解したくない事に対して憶測で語る事がある。
「あの人は鬱病だから心が弱い」「あんなに弱い選手がホームランを打つなんて、きっと投手の調子が悪かったんだ」

自分の好きなロックバンドのボーカルがライブでこんな事を言っていた。
「 自分の持っている傷の深さでしか俺たちは想像できないけど、俺たちの想像力はそういう想像できないことに使おう。」

結局、人が人を思いやる時、自分の経験の中でしか考える事が出来ない。
10人いれば10通りの感じ方があるように、捉え方はいくつもある。

その事実を忘れると、途端に人は傲慢になり自分の枠の中で考えたがるようになる。
それは視野が狭くなると同時に、一定の考え方のルートが固定されてしまう。
そんなことを積み重ねる度に、考えの道の周りに強固な壁が出来上がってしまって、心が四角くなってしまう。

僕もいつか、そんな自分の慣れ親しんだ考え方を往復するようになってしまうのだろうか。
せめて、その考え方の脇に抜け穴を作って、「想像を超える」ための場所を常に持っておきたいものだ。