230828 右耳

夜広めの公園の芝生に寝っ転がっている。

「私ね文字とか絵じゃなくてただの丸とか小さな5mmぐらいの三角形とか、細い線みたいな図形みたいな刺青が入れたくてね、なんかいいのないかなと思っていただけど、この前星座を教えてくれた時思ったの。ホクロみたいに点で星座を入れればいいんじゃないかって。見える人には見えるけどただの黒子だからわからないやつ。結ぶ線は無しで。」
空を眺めたまま1さんが答える。
「手首にマジックで書いてあげるよ。南十字。」
「かっこいいね。どんな?十字か。」
自分で聞いて自分で解決して恥ずかしくて笑う。
「とても小さい星座。ちなみに僕の右耳には一角獣がいる。」
「村上春樹的な?一角獣座って語呂すごいね。1さんが考えたの?」
「本当にある星座だよ。」
私は知らないことばかりだな。寝っ転がったまま1さんの耳を見る。
「耳のどこ?1さん見せて。」
1さんは起き上がる。
「今度ね。夜は居なくなるから。」
「居なくなる?

アラーム

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