アラサー男子、中学受験を振り返る! 開成・筑駒受験当日
世紀末D子です!
受験エッセイの記念すべき1作目、どんな内容にするかかなり迷ったのですが、皆様の熱い中学受験エピソードを読み
「僕もこういうのが書きたい……!」
と思ったので、体験談を書かせていただくことにしました。
というわけで、記事の題名の通りなのですが、受験当日のエピソードを中心に書きました。当日とありますが、合格発表まで書いています。
記事の独自性として
「試験本番、試験中に考えたこと、感じたこと」
にも焦点を当てています。
これから中学受験をするみんなの参考になれば幸いです。保護者の方も是非お読みください。
ちなみに、題名にもある通り、アラサー男子(まだピチピチの20代!)が中学受験を振り返るという記事ですので、はっきり言って内容は古いです。また記憶が間違っていることがあるかもしれないので(そして曖昧な部分も結構ある)、そのあたりのところは理解した上でお読みください。
よろしくお願いします!
本番までの受験を簡単に振り返る
そもそも僕がどんな受験生だったのかということがよくわからないと、読者の皆様が記事を楽しめないと思います。
というわけで僕がどんな受験生だったのか、本番までどんな受験生活をしていたのか、簡単に振り返りたいと思います。
僕は小学4年生の頃(詳しい時期は忘れました……)、サピックスという塾に入ります。
それまではそろばんや水泳などの習い事はしたことがありましたが、受験関係の習い事(?)はサピックスが初めてでした。
さて、このサピックス、生徒は成績によってクラス分けされます。
一番下がAクラスで、BCD……と続き、ある程度まで行くと突然αクラスが出現(笑)。α4とかα2とかそんなクラスです。
一番上はα1。
サピックス生はこのαクラス、特にその最上位クラスであるα1を目指して頑張ることになるのです。
ちなみにサピ(サピックスの略称です)って僕が通っていた時からやたらとクラスが多かったのですが、今調べたらもっと増えてて驚きました。
さて入塾した僕のクラスはというと、確かEクラス! 下から5番目。まぁ受験勉強とかしたことないですからね。
はじめはEクラスだった僕ですが、いろいろあって小学5年生の中頃くらいにα1に上がります。それからはずっとα1だったと思うのですが……若干曖昧です(笑)。
あと、これもおぼろげなのですが、確か上の学年になると志望校別クラスみたいなのもあって、それは開成クラスでした。こちらも基本一番上のクラスにいたと思います。
曖昧過ぎてすみません……。
そんな僕の第一志望はというと……。
そう、開成です!!
と、そんな感じの受験生でした。
いわゆる受験ガチ勢だったんだなと、振り返ってみると思います。
以上のことを踏まえまして、受験当日の話に進みます!
2月1日 開成受験
待ちに待った開成受験当日です。
朝はカレーを食べました。試験の日には必ず食べる僕の勝負メシです。
カレーを美味しくいただき、いざ試験会場へ!
「どんな問題が出るんだろう」
とわくわくしながら向かいます。
……はい。僕は試験当日に緊張したことがないのです。
開成(試験会場)に到着すると、サピの先生たちが大人数で待ってくれていて
「頑張れ!」
と激励してくれました。
もう半分お祭りみたいな感じです。
今思うと、先生たちは受験生をリラックスさせるために寒い中試験会場の入り口にいてくれているんですよね。実際僕は最高の精神状態で教室に向かうことができました。本当に感謝です。
僕は付き添ってくれた母と別れ、一人教室に向かいます。
そして席につき試験開始を待つ僕……。
さて、本当は試験を受けた科目順に書いていきたかったのですが、試験順を忘れてしまったので(しかもネットで調べても出てこない!)、算数、国語、理科社会の順に、試験中に考えたことを書いていきたいと思います(理科社会はあっさりです)。
まずは算数から。
僕は算数と理科は得意科目だと自負していたのですが、サピックスの最後の開成模試で算数を大失敗してしまって、本番はかなり気を引き締めて取り掛かりました。
ちょっと話が逸れてしまうのですが、その模試の算数の失敗は本当にやばいもので、
「あ……これ先生に志望校変えたほうがいいって言われるかも」
と試験直後に思ったほどです。
結果的には他科目に救われ全科目の順位も良く(確か全国で30番とかそんな感じでした)、志望校の変更はしなくて済んだのですが、本当に恐ろしい経験でした。
……志望校変えたほうがいいと言われても変えなかったとは思いますが!
話を戻します。
僕の開成算数での戦略は
「簡単な問題・標準的な問題は絶対に解く。難しい問題は着実に部分点を稼ぎつつ、解き切ることを目指す」
というものです。
もっともこれは開成算数に限らず、すべての試験で僕が実践している戦略です。ですが特に開成の算数では上の戦略を強く意識しました。あの大失敗の記憶が残っていましたから……。
その結果、冷静に解くことができたと思います。
やや難しく感じましたが、試験終了時点で、合格点は取れただろうと感じました。
さて、問題は国語です。
国語の試験が始まり、僕は違和感を覚えました。
「あれ……なんかものすごく難しくない?」
明らかに難しい! いや、意味不明なレベルで難しいぞ!!
今まで解いてきた問題の中で1番難しい問題の30倍くらい難しい、そんな印象でした。
僕は頭の中が真っ白になりました……。
……。
すみません! 嘘です。
そんな圧倒的に難しい問題を前に、思ったのです。
「僕はツイてるかもしれない」
と。
得意科目は算数と理科と主張していた僕ですが、実は成績は国語が一番良くて、サピックスの最後の開成模試では全国1位になったこともあります。
そう。算数で大失敗したあの模試です。あのときは国語に救われたのです。
そんなわけで僕は国語に圧倒的な自信がありました。
また算数大失敗の経験から、
「やばい、難しい」
「難しすぎる、おわった……」
と感じたときこそ冷静になるべきだということがわかっていたので、恐怖に震えながらも冷静さを保ちました。
そして以下のように考えたのでした。
「僕が難しいと感じているってことは、他の子もそうに違いない。ということは、ここで高得点を取れれば、合格可能性は一気に高まる!」
確かに問題は圧倒的な難易度で、それはもう心を折りにくるレベルでしたが、僕は本気で立ち向かいます。
絶対に勝つという覚悟を持って、必死に問題を解きました。
正直なところ手ごたえがあったとは言えなかったのですが、何とか解答用紙の空欄をすべて埋めることに成功しました。
今思い出しても、本当に難しい試験でした。
……ちなみにこの年の問題、やっぱり受験業界では結構有名なようです(調べました笑)。
最後に理科と社会を!
理科と社会はあまり覚えていないのですが、簡単だったと記憶しています。
社会は苦手科目だったので受験前は少し不安でしたが、苦手だからこそしっかり対策をしてきたので、その成果が出たのだと思います。
そんなわけで開成入試は終了しました!
「国語、難しすぎ……意味がわからないよ」
そんな感想の本番でした。
合格しているかどうか、はっきり言って五分五分といったところ。
いやはや、本当に難しい試験でした。
2月2日
この日は併願校のA中学を受験しました(イニシャルではありません)。
開成入試の疲れもあってか、朝出遅れてしまい、試験開始ギリギリに会場に到着。母と会場まで走り、「なんか面白いな!」と思いました。
会場入り口にはやはりサピの先生たちがいて
「なにやってんだD子! 早く来い!!」
と怒られてしまいましたが……。
朝はいろいろあったけれど、受験は無事に終わり、合格することができました。
2月3日 筑駒受験、そして開成の合格発表
2月3日……。
開成を受験した人にとっては、おそらく激動の1日になるでしょう。
なぜならその日は筑駒の入試があり、そして開成の合格発表があるからです!
僕もまずは筑駒受験をし、その後開成の合格発表に向かいました。
まずは筑駒受験です。
開成と同じような流れで席に着席します。もちろんこの日も緊張はまったくなく
「どんな問題が出るんだろう」
とわくわくしていました。
さて、この日は試験開始前にちょっとした事件がありました。
後ろの席(たぶん)の子が、時計を忘れてしまったらしいのです。
時計は受験必須アイテムの一つです。忘れると時間配分に支障が出て、かなり厳しい戦いを強いられます。
会場によっては時計がある場合もありますが、ない場合もあるし、ある場合でも時計が見えにくい席になってしまうこともあります(持ち込み禁止の場合もあるとは思うので、そのあたりはしっかりチェックしましょう)。
あまり覚えていないのですが、筑駒の会場には時計はなかったと思います(当時は)。だからこそこんなによく覚えているのだと。
その子は試験監督に相談していましたが、試験監督も「どうすることもできない」というようなことを言っていました。
受験当日、必要な持ち物を忘れてしまうのは本当にもったいないです!
チェックリストを作るなど、しっかり対策をして、完全な状態で本番に臨めるようにしましょう。
話を戻します。
筑駒の受験が始まりました。
僕は順調に問題を解きすすめ、しばらくしてある違和感を覚えます。
「あれ……解けない問題が、ない」
すべて解ける。
スラスラ解ける。
不安になるほどに……。
そもそもなのですが、僕は筑駒の問題との相性が良かったらしく、過去問を解いているときにも
「あんまり難しくないな」
と思っていました。
開成の問題は、なんというかごつごつしていて重い印象があったのですが、筑駒の問題はシンプルでスラっとしている印象があり(あくまでも僕の印象です)、僕はそういう問題の方が解きやすかったのです。
もちろん「難しくない」ということは、他の人にとってもそうである可能性が高く、「ミスが許されない」ということでもあります。
僕にとって筑駒は「ミスが許されない」試験であり、問題が難しくないからこそ、慎重に取り組む必要がありました。
と言っても、試験を受けるときの姿勢は開成のときと変わりません。
「簡単な問題・標準的な問題は絶対に解く。難しい問題は着実に部分点を稼ぎつつ、解き切ることを目指す」
これです(ちなみに部分点のない問題では、正答可能性を高める努力をします)。
「ミスしないようにしよう、ミスしないようにしよう」
と思ってしまうと、弱気になってしまい、逆にミスをしてしまうようになります。
やはりミスをしてはいけない試験でも、いや、だからこそ、点数を積み上げていく感覚が重要になってくるのです。
さて、そんな感じで臨んだ筑駒受験でしたが、それにしても問題が解け過ぎる。
こういうとき、もしかしたら調子に乗ってしまう人がいるかもしれません。
ですが僕は乗りませんでした。
なぜなら、今まで散々調子に乗って痛い目にあってきたからです(汗)。
「簡単! 簡単!」
と思っているときこそ、思わぬ落とし穴にはまる可能性が高くなります。
僕は受験生活の中で幾度となく調子に乗り思わぬ落とし穴にはまってきました。
ですが、本番でそれをやるわけにはいかなかったのです!
それに僕が簡単だと感じているということは、皆もそう感じている可能性が高いです。
だからこそ、僕は冷静に慎重に、最後まで試験と向き合いました。
時間も結構余ったので、しっかり見直しをし、油断なく試験を終えることができました。
手ごたえとしては
「たぶん合格しているだろう」
というものでした。
開成よりもずっと手ごたえを感じることができました。
そんな感じで筑駒受験は終わりました。
さて、筑駒受験が終わると、今度は開成の合格発表です。
僕は母と合流し、開成に向かいます。いざ西日暮里へ!
試験当日はまったく緊張しない僕ですが、結果発表は違います。めちゃくちゃ緊張します。
「もう帰りたい……」
と思いながらも電車に乗ります。
電車の中で母とさっきまで受けていた筑駒の試験のことや、開成に受かっている可能性などについて話していると、いつの間にか西日暮里に到着していました。無駄に時の流れが速い。
西日暮里駅で電車を降りると、開成の校舎に向かいます。
途中の道では、すでに合格発表を見終わった人たちとすれ違います。筑駒を受験すると合格発表開始には間に合わないのです。
すれ違った人たち(受験生と彼の保護者)は、大抵がっかりした様子で駅に戻っていきます。泣いている子もいます。
合格した場合、合格発表会場にしばらく残っているので、この時間帯に駅に行くということは、そういうことです。
道路を挟んで反対側の道を、塾の友達と彼のお母さんが歩いていました。彼は泣いていました。
僕は何とも言えない気持ちで、合格発表会場に向かいます。不思議と不安や緊張は消えていました。覚悟が決まったのかもしれません。
校門を入るとすぐ右手に謎のスペースがあって(体育館の下の部分)、そこに結果が掲示されています。
僕と母が到着した時にはすでに人がたくさんいて、掲示板のあたりは満員電車みたいになっています。僕は意を決してその中に飛び込みました。
「あったよ!!」
僕が自分の番号を探していると、すぐ近くで母のうれしそうな声が聞こえました。
「え、あったの?」
僕は必死に番号を探しました。
確かにありました。
よかった!!
と心の底から思いました。
それから合格した仲間と喜びを分かち合ったり、家族に電話したりといろいろしました。
目標を達成できたことは本当に嬉しかった。
でも、一番うれしかったのは、やっぱり両親や祖父母、家族みんなが喜んでくれたことでした。
そんな感じで僕の開成受験は終わりました!
2月5日 筑駒合格発表
2月5日は筑駒の合格発表です!
(正確な日にちは覚えていなかったので、最近のものを調べました。たぶん僕の受験のときも2月5日だったと思います)
開成に合格していたので、あまり緊張しないで合格発表を見に行くことができました。
また筑駒はかなり手ごたえを感じていたので、楽しみですらありました。
掲示板に番号が書かれています。
僕が自分の番号を探していると隣で母が
「あったよ!!」
と嬉しそうに言いました。
「え、あったの?」
僕は必死に番号を探しました。
確かにありました。
すごくうれしかったです。
やれやれ、まさか筑駒も自分で番号を見つける前に合格を知るとは……。ちなみにこの呪いは東大合格発表まで続きます。
僕の中学受験は完全に終わりました。
幸運にも僕は受験したすべての中学に合格することができました(ここには書きませんでしたが、1月に受けた学校も合格しています)。
この結果は僕の努力はもちろんですが、やはり両親、特に母のサポートとサピックスの先生たちの指導がなければ得られなかったものです。
アラサーになって振り返り、改めてそう感じました。
おわりに そして僕は開成に進学する
受験当日のエピソードは以上なのですが、気になっている人も多いと思うので少しだけ。
開成と筑駒に受かった僕は、開成に進学することにしました。
このような場合筑駒に進学する人が多いと思うので、少し珍しい選択かもしれません。
理由はというと……言語化するのは非常に難しいのですが、やはり自由で賑やかな校風に惹かれたからでしょうか。
もっと端的に言えば
「この学校に行ったら、楽しい学園生活になりそうだ!」
と直感したからです。
その直感は正しかったのかというと……
『私立K成学園!』
『超☆進学校の優等生』
なんてへんてこな漫画を描いている時点でお察しください!(笑)
そして是非読んでくださいませ!
ちなみに現在連載中なのは『超☆進学校の優等生』の方です!!
やれやれ……つい宣伝を入れてしまいました。
話を戻しましょう(汗)。
……ちょっと宣伝が入ってグダグダになってしまいましたが、僕の中学受験当日の体験談は以上です。
僕は結構秘密主義で(漫画共同制作者のあーるすりぃからよく言われます)、noteで体験談を書く気はあまりなかったのですが、皆様の熱い記事を読んでいるうちに無性に書きたくなってしまって書きました(笑)。
古い体験談ではありますが、参考になる部分があればよいなと思います。
こんなに長い文章を読んでくださり、本当にありがとうございます! それだけでも十分うれしいのですが、スキしてもらえたらもっと嬉しいです!!
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