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「積みゲー」という自己満と自己欺瞞

「積みゲー」

いつ遊ぶかもわからないゲームを発売するやいなや次々と購入し、積んでゆく行為。

最近それをきっぱりとやめた。

■収入が減った

筆者は2年前からシングルファザーである。
以前は共働きでそれなりに悠々と家計は回っていたが、離婚にともない端的に言って収入が減った。

改めて家計簿をつけると、無駄な支出がかなり多くあることがわかった。
月の小遣いは決まっていたとはいえ、積みゲーはその「無駄」の筆頭になってしまった。

子どもたちが「私立の学校に通いたい」と言い出した時、すぐに遊ばないゲームにお金をかけていたら、その可能性を潰してしまうのではないかと思った(できれば国公立選んでほしいけど)。

■遊ぶ時間が減った

子どもたちはまだ小さく、食事を世話したり風呂に入れたり寝かしつけだったりで手がかかる。そうなると腰を据えゲームに取り組む時間を確保するのが難しくなる。

積み上がるゲームが加速度的に増え、手がつけられなくなった。

筆者はダウンロード版中心に買っていたので、物理的なパッケージがラックを占領することはなかったが、ホームメニューを埋め尽くす遊びつくせないゲーム群を見て、心の安寧を得るより先に、ふと虚しさを感じてしまったのだ。

筆者には今になって思えば下らないこだわりがあった。
それは「自分がゲームを買うことで業界(経済)が回る」という奇妙な自負だった。

■そもそも経済は回らなかった

今から6~7年前、Wii Uの任天堂タイトルをほぼ買い揃えていた時期があった。

そうすることで「任天堂を応援している!」「経済を回している!」という感覚を得ることができたからだった。

しかし、振り返ってみればWii UはWiiほど普及せず、ハード事業は大成功とはいかなかった。自分ひとりがゲームを買ったところで、経済は回らなかったのだ。

発売日に購入した「幻影異聞録♯FE」や「Devil's Third」「The Wonderful 101」のアイコンは、今もほとんど起動されることなくWii Uゲームパッドのホームメニューに居座っている。
(挙げたタイトルがつまらないと言いたいわけではなく、手を付けられないまま来てしまったのだ。スーパーマリオメーカーやベヨネッタ2、ゼノブレイドクロスなど、かなりやりこんだタイトルもある)

■マウンティングや自己満足だった

ツイッターのタイムラインでは、パッケージ版ダウンロード版問わず、大量の積みゲー画像が流れてくる。
つい刺激されてしまっていた。悪い意味で。

自分にとっては積みゲーが「俺はこんなに積むくらいゲームを愛してるけど、お前は?」というマウンティングの一種だったのかもしれない。今思えばチンケな自己満足だった。

インスタやフェイスブックでキラキラ具合を競っている人々を、決して馬鹿にできない。

※積みゲーしている人たちを否定しているわけではない。みんな自分の生活を豊かにするためであって、マウンティングのために積んでいる人などまれだろう。あくまで自分の環境では許されなくなり、個人的な感覚が合わなくなってきたという話だ。

■ゲームもサブスクで自然と積まれる時代へ

それに、ゲームはいずれ「自然と積まれる」時代になるだろう。

音楽ならAppleMusicSpotify、映画・ドラマならNetflixAmazonPrimeVideoが台頭してきたように、ゲームにもXBOX GAME PASSNintendo Switch Onlineのファミコン、スーパーファミコンなどの「サブスク(定額サービス)化」の流れがやってきている。

上記のサービスは、月に300~1100円程度のお金を払うことで、大量のゲームを選ぶことができる。ゲーム一本に5000~10000円近くかかっていた時代と比べるととても安い。家計への負担が軽くなり、積むことへの罪悪感も減る。

ソニーや任天堂も、自社最新タイトルのサブスクサービスをいつか始めてほしいところ。

そのうち、ゲームのサブスクサービスで遊べるおすすめタイトルを紹介したい(XBOX GAME PASS中心になってしまう気がするが)。

■まずは目の前のゲームを楽しむこと

積まれていくゲームタイトルを眺めるのは壮観だ。それだけで幸せを感じることもある。

しかし自分はもう「積むこと」より「崩す(遊ぶ)こと」に重心を置きたい。少しでも気になるフルプライスタイトルを次から次へと買い漁るのは、もうやめたい。

思えば、息子と実質無料のフォートナイトや、マインクラフトダンジョンズのアップデート情報で盛り上がり、娘がWii U版太鼓の達人や、3DSのリズム天国を遊べるようになるのを見守るだけで、十分幸せなのだった。
「足るを知る」という言葉を、日々噛み締めたいと思う。

ゲームを実際に起動して、純粋に画面の向こうからのフィードバックに驚きたい。ゲームの楽しさ、凄さに、もっと素直に身を委ねたい。



しかしXBOX Series XもPS5も、噂されているNintendo Switchの新型も楽しみ(積む気か)

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