母が認知症になりました① (そもそも編)

なんか母親の様子がおかしいぞ⁉︎
と思ったのはだいぶ前、10年以上前のことなので、正確には覚えていないのが正直なところです。

元々わたしは母とソリが合わず、なかなか衝突しがちな親子関係だったのですが、自分も大人になり、周囲の人間の攻略法を覚え、母とも衝突せず対話できるようになったなぁと思ってきた頃。

意思の疎通がほんの少しづつズレていくような、それもほんの少し、1ミリくらい、今までとズレてる感じがして、このままいくとマズイかもしれないと漠然と思い始めました。


このほんの少しズレてる状態の時は、はっきり何かがおかしい訳ではないし、どうしておかしいか、何がいつもと違うのか、決定的なものがなく抽象的ですが、でもいつもと違うと感じました。



ちなみに周りからおかしくないか?と言われたのは、祖父の葬儀の時。

認知症になった祖母を葬儀会場に連れてくる係だった母。祖母が時間感覚があやふやになっていたので、そこをフォローして連れてきてねって言っていたのに、まるで祖母と同じ様な行動をとってしまっていたので、叔母と、「ちょっとなんかおかしいね」と話し合ったのでした。


具体的には、祖母は「待つ」ことが苦手になっていました。

○○をする、という事が予定に入ってると、今ではないタイミングでも実行しようとしてしまうので、葬儀に行くという予定があると、即準備して出掛けようとしてしまうのでした。まだ早いという判断ができない状態だったので、家に引き留めておくはずの母が、同じ様に「もう行ってもいい?まだ行っちゃダメなの?」を連発し、本来の自分の役割自体をぽっかり忘れている様でした。


それだけ見ると、そこまで認知症じゃなさそう、祖母を見ておくのが大変だったのでは?と思われるかもしれないのですが、その待てない具合が、なんとも違和感ある感じ。まだ家で待っていてね、と伝えて時間のたたないうちに、また行っていい?と連絡あるような、『さっき言ったでしょ?』と言いたくなる行動を繰り返していたのです。



あくまでわたしの接した中では、認知症の人には、『さっき言ったでしょ』が通じない。

『さっき言ったでしょ』と言った後の反応が、覚えてない反応や、覚えてないけど誤魔化す反応をしだした時に、なんかおかしいと感じることが多かった様に思います。


気付いたきっかけが分かりづらいのは、子供の身長が1日でどのくらい伸びてるかは気付かないけど、半年とかの単位では随分伸びたように思うのと同じように、1日でどれだけ症状が出ているかはわからないけれど、1年前と出来ることが全然違うからなのかなと。

たぶん元々忘れっぽい人は1年前も忘れっぽかったはずですが、この人はそんなことなかったのに…という行動をし出したら、一度よーく観察するきっかけになっても良いのかなぁと今なら思います。

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