女性ラッパーの歴史を振り返る。
HIPHOPカルチャーが誕生して50周年といわれている2023年、女性のMC、Female Mcに焦点を当てた番組が放送され、専門書がリリースされたりしており、その事について気になったことを書こうと思います。
さて、女性ラッパーはとてもリリカルです。好きなアーティストが多いので数多くの楽曲レコードを持っています。
番組で取り上げられていたアーティストについて、以下ご紹介いたします。
MC ShaRock
↑まだまだ知られていなかったHIPHOPを全国放送によって世の中の多くの人へ広めた瞬間と言われている「Saturday Night Live」に出演したFunky Four Plus 1のライブの一コマ。真ん中で歌うのが、グループで紅一点のMC ShaRock。女性初のラッパーだと言われている。(1981年のこと)
MC Lyte
ソロでのフルアルバムを初めてリリースした女性ラッパーであり、初の女性MCグラミー賞ノミネートアーティスト。
NIkki D
デフジャム初の女性アーティストだった。元はデフジャムの社員(事務員)
男勝りなノリがたまらん。ダンサー大好き👌バッチリ
ALL I Need / Methodman feat,Mary J Blige (1994)
この曲のリリックの意味を考えたことがあるだろうか?
もちろん外国人であれば意味は容易く理解可能だとは思うが、我々日本人でわかる人は少ない。
しかしながら音楽としてとてもカッコ良く、ヒップホップ名曲として名高いこちらの楽曲は、なんと女性へのリスペクトに溢れた内容だった。
元々はアルバム内の間奏曲として作られていたもので、それをデフジャム社員だった女性が聴いてその内容に感動し、「こんなに美しいものは初めて聴いた。間奏では勿体無い。」とラッセル・シモンズ(デフジャム社長)に直々電話、それが要因となり、その後きちんと楽曲化された。
その時に、女性も一緒に!とのことで、メアリー・J・ブライジが起用された。
ご存知のとおり、楽曲ではMarvin Gaye と Tammy のコーラスが引用されたが、それはPaffyが発案した。結果的にデフジャム初のグラミー受賞作品となった本作には、これらのアイデアを発案した女性の功績はクレジットされず、本人も「女性の功績は消しさられる。何故なのか?」と話している。彼女の名は現プロデューサー、ライターの Drew Dixon ちなみにその後リリースとなっている「The Show」のサントラにはExcutive Producerとして名前がクレジットされた。
TLC
女性グループとして最高の全世界1000万枚以上のセールスにも関わらず、グラミー授賞式では、グループが金銭的に破産しかけていることを話す。これは女性アーティストとレーベルとの契約内容が不公平であること、搾取の現実を世に知らせることとなった。
まとめ
現在、アメリカ各地にヒップホップ博物館が出来ているようだ。
女性MCの功績を讃えるためとも言われている。
現状は女性の活躍の履歴はあまり表立って讃えられておらず、MC シャーロックをはじめ、それに不満を感じているアーティストも数多いという。
この番組が今年ヒップホップ50周年の節目にリリースされたとあって、シーンで今も続く女性軽視の歴史に幕を下ろす1つのきっかけとなれば良いと思う。
ところでこれは女性アーティストの話ではないが、仲間であるデラウェアを拠点とするヒップホップグループ「The 49ers」が、ついこの間、デラウェア州のウィルミントン博物館にて、功績が称えられ、前身の「The Outfit」名義でリリースしたレコードが展示される一件があった。SNSで投稿を見ていて、純粋に嬉しく、とても誇らしく思った。もう15年以上前だが渡米した際、彼等に本当にお世話になった。毎日音楽漬けの旅となり、よく遊び、よく学ばせてもらった。その中で得た経験は本当に大きい。
以上です。ありがとうございました。
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