見出し画像

突然の『aespa LIVE TOUR 2023 ’SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN』in 代々木レポート

タイトルの通り、東京ドーム公演が終わったタイミングで何故かアリーナツアーの方の代々木体育館公演のライブレポートです。

ライブ公演のレポート記事の場合は事務所と編集のチェックが入って掲載という流れがほとんどですが(事務所チェックなし掲載OKのものもありますが、KPOPの場合はチェックありが多いと思う)、今回色々あって結局タイミング的に掲載されなくなり、他のメディアでの掲載状況も自分でチェックした限りでは現状公開されているメディアでのレポート記事自体が少ないようなので、こちらで公開することにしました。
いいライブでしたしね!
(原稿料とブログへの掲載許可は頂いています)

商業メディアだと掲載時のメンバーの名前や表現方法などに色々規定があったりするのですが、今回はその辺はノーチェックです。個人のレポート記事としては妙に固い文章かもしれませんが、いちオタクのライブレポとして読んでいただければ幸いです。


大阪城ホールを皮切りに、2023年3月15日から開催されていたSM ENTERTAINMENT所属のガールズグループaespa初のライブツアー『aespa LIVE TOUR 2023 ’SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN』が4月30日の愛知・日本ガイシホールでフィナーレを迎えた。
今回は東京ドームでの追加公演である『aespa LIVE TOUR 2023 ‘SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN -Special Edition-』 の開催が発表された4月1日代々木体育館でのライブレポートをお届けしたい。

コンサート開始前のスクリーンにはスマートフォンの縦長の画面で通話するようなメンバーの姿が映されている。やがてレーザーの光がモニターに点を打ち、モールス信号の音と共に線へ、そして面から立体を描いていく。描かれた箱の中からnaevisが現れると、合図と共にメンバーのアバターが現れ、メンバーが現れた。シム・ジェウォンによる点から線へ、面の2次元から立体の3次元へ、現実の世界とKWANGYA(SMエンターテイメントの作り出したヴァーチャル的世界観)をつなぐナビゲーターであるnaevisの導きによってメンバー達のアバターが登場し、スクリーンの中にいたメンバーがリアルの世界であるライブ会場に登場するオープニングは、ヴァーチャルと現実の世界を自由に行き来して活動するというaespaの世界観に観客を一気に引き込む舞台装置となっていた。

ヴァーチャルなゲームキャラクターのようなファンタジー感のある白い衣装で登場したメンバー達が披露した1曲目も、デビューから現在までのストーリーを紹介するような「Girls」。そこからは畳み掛けるように「aenergy」「I'll Make You Cry」「Savage」とヘヴィでパワフルなパフォーマンスが続く。スクリーン上のウィンターの手元にギターが現れると、同時にステージの上にも実物のウィンターが登場し、エレキギターを奏でるというヴァーチャルな演出もあった。

「この世界に何かが起こっている」かのようなどこか不安な気持ちを呼び起こすVTRは、過去様々なディストピアをコンサートVTRで描いてきた「SMらしさ」感じるストーリー性のあるもので、VCRのラストのKARINAの動きから繋がるようにそのままKARINAのソロステージ「Menagerie」への流れもまた、スクリーンと現実をひとつづきにする効果があった。ここからは「Illusion」「Lucid Dream」、初披露の「Thirsty」と、どこか非現実的で不穏な楽曲が続く。
今回のライブのもう一つの特色として、アルバムとしてはまだ未発表で、コンサートのステージで初めて披露する楽曲がメンバーソロも含め10曲以上あったこと。5月にカムバを控えているとはいえ、未発表曲をライブに来てくれるファンに対し先にお披露目するというのは、思い切った構成ながら納得のいく試みのように感じた。

一方のMCでは、コンサートタイトルの「HYPER LINE」のタイトルを説明をする担当をじゃんけんで決めたり、じゃんけんで負けたGISELLEが思わず「こういうの、苦手...」と呟くなど、メンバー本人達も複雑な世界観にしり込みし、フォローし合いながら説明する様子など、等身大で親しみのある姿を見せてくれた。非現実的とも言えるステージパフォーマンスとのギャップもまた、aespaが愛される理由のひとつでもあるのだろう。
「HYPER LINE」はaespaとアバターのae、そしてファンであるMYがオフライン・オンラインの両方が会える世界線という意味とのこと。特にコロナ禍で一般化したコンサートのオンライン配信も意識したような設定のようだ。

S.E.S.が1998年に発表した曲をBoAのプロデュースによりカバーした「Dreams Come True」とVCRの後は、ウインターのソロ曲「입모양」から始まった。「今から告白するから私の口の形(입모양)を見ていてね」という歌詞のスウィートなナンバーは、ウィンターのキャラクター同様、可愛らしいイメージで会場の雰囲気をガラッと変えた。メンバー達も制服を思わせる衣装へと着替えて英語曲の「Life's Too Short」、未発表曲の「I’m Unhappy」とゆったりとしたスローな曲で歌声を聴かせてくれた。

開催日の4月1日に合わせたエイプリルフールトークの後は、ユニゾンが印象的な新曲の「Don't Blink」と電話の呼び出し音のようなイントロが特徴の「Lingo」。VCR明けのGISELLEのソロ曲「2HOT  4U」は、ラップ担当らしくドープなヒップホップナンバー。金属を叩くようなハードなビートと綺麗なボーカルの組み合わせが不思議な雰囲気の「ICONIC」や、着ぐるみとともにポップでキャッチーなステージを作り上げた新曲「HOT AIR BALOON」、「YEPPI YEPPI」「YOLO」と、このセクションでは何回も銀テープを打ち上げる景気のよい演出とポップな衣装で、キュートでフレッシュなパフォーマンスを見せてくれた。

最後のパートは、ハードなイメージの黒の衣装に身を包んだヒップホップテイストなNINGNINGのソロ曲「Wake Up」で開幕。SMらしさを感じさせる非現実的な響きと伸びの良いボーカルで、オープニングに回帰するかのようにまたガラリと雰囲気を変えてきた。続く「Salty Sweet」も低音のビートと神秘的な雰囲気の新曲。重厚な音に包まれた空間にaespaを象徴する代表曲「Next Level」のイントロが響き渡ると、会場のボルテージは終盤に来て最高潮に盛り上がっていった。最後のMCの後はaespaの始まりの曲「BLACK MANBA」。フィナーレでありながら原点へ還るようなパフォーマンスで本編を締め括った。

アンコールは幻想的なボーカルのしっとりとした新曲「Till We Meet Again」から。そして「また会う日まで」という曲のタイトルにぴったりな東京ドームでの追加公演のお知らせというサプライズがあり、会場は沸きに沸いた。当日は4月1日だったため、「エイプリルフールですけど、嘘じゃないんですよ!」とメンバーが補足する場面も。最後のMCではメンバーそれぞれが熱くコンサートを盛り上げたMYたちに感謝の気持ちを伝えていた。

NINGNING「今日は私たちの初めての東京でのコンサートでした。東京には何度も来たことがあるけれど、多分今回の東京がいちばん印象に残ると思います。皆さんも幸せでしたよね?」

KARINA「今日は私たちの為に時間を割いて来てくれてありがとうございます。沢山コンサートをしていますが、最初から最後までずっと立って見てくださるのを見て本当に驚きます。私たちもその大変さはわかりますから、日本でコンサートをする度に熱気を感じてありがたく感謝の気持ちになります(日本語で)皆さんほんとに大好きです!」

GISELLE「こうして東京でコンサートをしているのが不思議だし、帰ってくるとただのえりちゃんに戻っちゃうんですけど笑 コンサートで直接皆に会えるので...(日本語が思い出せず韓国語を通訳してもらいながら)とてもわくわくしていますし、嬉しいです。私たちいつもMY Jの事を考えてますので、これからもずっとよろしくお願いします」

WINTER「(日本語で)かっこいい女です。」「今日の会場は今まで日本でコンサートした中で1番大きな会場でした。そのせいか皆さんの声も大きくて、熱気もとっても凄かったですね。今日は私たちもとっても楽しかったです。いつか出る新曲も楽しみにしてください!」

全員での「MY〜!愛してる〜!」のラストコールから、その日最後の曲は壮大な雰囲気のヒーリングしてくれるような「ICU」で、熱気を帯びたままコンサートは幕を閉じた。

この日発表されたように、8月5日・6日には初めての東京ドームコンサートが予定されており、5月にはカムバックが予告されているaespa。独特の世界観と多彩なパフォーマンスをひとつの形にまとめ上げた没入感のある今回の演出が、ドームという更にスケールの大きい会場でどのように進化するのか楽しみになったコンサートだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?