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「アリストテレスのニコマコス倫理学第6巻を学ぶ」前の戯言

いつも興味深いマインドフルネス系啓発イベントを開催している知人S氏のFBを通じて「アリストテレス、ニコマコス倫理学」を大学名誉教授の解説と対話による勉強会をオンラインで受講することになった。

もちろん覚悟はしていたが、オリエンテーション中に受講生たちの高学歴と社会的ポジションを聞けば、胸が苦しくなるほどの学歴経歴社会に私は飛び込んでしまった。

それでも、何らかの社会的貢献者としてNPO法人の理事という「肩書」をつけてご紹介いただいたので、体裁は繕えたように見えるが、なんせ語彙が少ない私にはどんな対話ができるか不安である。

ただ、私にも得意分野があるし、知りたい欲求は人1.1倍程度はあると思ってる。ひたすら、予習という名の読書に耽り、いままで知らなかったことを知るきっかけにはなっている。今後、ヴィパッサナー瞑想指導にも役に立てるように、教え方、説明のし方、話の聞き方、切り返し方などを細かく感じ取り、実践で体験しトライ&エラーをしようと決めた。

予習の為の読書

記録の為のnoteなので、今回の投稿を読んでいただいてお役に立つかどうかはわからない。予習の段階で知り得たことの感想を書き記しておきたい

アリストテレスは哲学者であり、世界最初の動物学者でもあったらしい。体系的にその知識を分析し、動物はどんな感覚を持ち合わせているかにとても興味を持っていたということだ。とにかく哲学者というのは細かく観察して分類し、書き記すことが得意なのだ。レオナルド・ダヴィンチの手稿も恐ろしいほどの知識が分散されて残されていたがNHKのAIによる統合的なアプローチを使い全て手に入る手稿を読み込むことで「つながり」が見つかった。 一度分解し、一つに戻っていくというまるでヨガの世界なのだというところから、アリストテレスの言葉の端々に類似点を観るインド哲学にも興味をもち、ヨガの聖典ヴェーダなかのウパニシャッド哲学へたどり着いた。そうなると、自然に釈迦にもつながってくる。釈迦は王子様だったのだから、インド哲学を学ばないわけはないという思い込みからなのだが、まちがいなく、アリストテレスも釈迦もウパニシャッドの引用をしている形跡はある。時代的には「枢軸時代」と呼ぶそうだ。

大学名誉教授でもある担当講師の先生は、もともとが政治学が専門でありながらアリストテレス哲学を研究されており、そのうちのひとつ「二コマコス倫理学」を現在の政治・経済の組織論に落とし込み、家政学と倫理学から組織のありかた、過去・現在・未来のリーダー像を論じるというところが最終目的だと想像する。

予習の本1冊目は「失敗の本質」

第2次世界大戦で日本軍はなぜ負けたのかということを社会分析学の手法で歴史家とともに検討し、それぞれが担当でまとめた90年代のベストセラー。戦争の善悪や、なぜ戦争へ突き進んだのかは問わず、一つ一つの作戦に関る時間の流れや人間同士のつながり運と齟齬と錯誤が、いかにリーダーの決定に影響するか、またその決定した事項がどのように組織の中で伝播し(または伝わらず)「失敗」に繋がったのか、ということが書かれてある。戦争というより今どきの「カードゲーム」や「オンラインバトルゲーム」の解説を読んでいるような気分になる。一人一人は過去に実在し、その一人一人が為せる役割がありながらも、時と運、また人との関係性によって、流れが大きく変わっていく様は、いくらこの本が一部を切り抜いて論じられているとはいえ、ある種の滑稽な戦争という恐ろしい人間の脳ゲームのVR世界を想像させられる。こんなことで、飢え、苦しみ、親子供を殺され、何のために戦争をしているのかだんだんと判らなくなっていく人間の愚かさを実感する。

もう一冊は プルターク英雄伝のペリクレス の公共建築についてらしい。こちらはまだ手を付けていない。政治というのは国民と都市がなければ必要のないものだとも考えられる。「重要な神殿のほとんどは、アテナイの黄金時代 (紀元前460年–紀元前430年)の間にペリクレスの指導のもと再建された。」とWikiediaで紹介されてるが、彼が建築設計を行ったわけではないだろうがグランドデザイン、アテナイのアクロポリスは古代ギリシャのポリスのシンボルというより、強大化していくアテナイの中央集権の力の見せつけるための神の住処だったように感じられる。出雲大社や伊勢神宮などが巨大化したところと精神性が非常に似ている気がした。(アクロポリスは小高い山という意味らしいが、日本の神社仏閣も境内は山林を含む非日常の鎮守の森も含め、神との親近性をアピールしたくなるところに興味が湧く。

「一番高く」「一番大きく」「金メダル」のようなことが良い事のように経済界が煽り、政治がそれを支えてきた。

今世界は、過渡期なのだろうとは思うが、今一度、生活の中に 哲学的な会話や日常に政治の話ができるような 時間を多く共有できるような 環境ができたら嬉しい。

享楽主義者はいつまでもいなくならない。そしてその享楽主義者から多くを搾取する人は更に力を蓄え、世界の不調和のエネルギー波動を喜びとしてどんどん膨張していく「かおなし」のように欲の塊になっていく。これから世界は一つになっていくが、その前に分断が生じる。

歴史家たちにとって、100年200年が微々たる時間であるように、未来の子ども達が読む歴史の教科書には今の私たちの葛藤は1行か2行で書かれるのだ。

楽しもう

今を

思いっきり

足跡を残し、それも綺麗な色で音色で、美しい絵を描き

唄おう

未来の子どもたちが もっと深い心の世界にそして科学世界と統合し 地球と共生共存できるように

天野Sagjo

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