望月新一教授(京都大学数理解析研究所)あてのメール
初めてご連絡差し上げます。私は、ドイツ語翻訳・通訳者で30年間の経験がある者で前田智成と申します。ドイツ語論理やドイツ技術に触れ、考察する中で得た数理的アイディアについて、見ていただければと思い、メールいたします。
貴大学宇宙論の佐藤勝彦教授が確立された通り、膨大なポテンシャルを持つ火の玉のインフレーションから現宇宙が指数関数・べき乗的に拡張し発生し、その後定常化、安定化した状態でヒトが想定したのが現在の数字です(遠山啓『数学入門』岩波新書)。この定常化している時期は、宇宙全体から見るとごく限定されており、そのため、現実の現象とヒトの持つ数字の間の齟齬と乖離が発生し続けることになります。それを応急処置として対応してきたのが現数学の発展史です。
そもそも、宇宙も、その他生命現象も既知の通り指数関数・べき乗的にのみ誕生、拡張しているのですから、人間がそれを処理するには、逆方向の対数を用いることのみが正当な行動でありましょう。そこで私は「対数コンピューティング = logarithm computing」に基づく「対数コンピューター = logarithm computer」を、現行のバイナリーコンピューターに代わるものとして提案します。1940年代までの電気回路の開閉に基づき始まったバイナリー的発想による現行コンピューターは、半導体の稠密度の限界を迎えたため、放熱する無駄なエネルギーの増大によっても限界を超えたことは明らかです。ここに対数コンピューターを導入することで、ほとんどの技術的や環境に関わる問題は解決します。
以下に、私が先日2月3日に記した基本アイディアを転記いたします。数学のすべての上部構造はここにあり、すべての過去・現行の数学はこれの下部構造にすぎません。
「これから製作される『対数コンピューター (Logarithm Computer)』の配線は、ニューロネットワークに近く、末端は作用する箇所になりエネルギーはそこで消費されるため、還ってきません。だから、回路circuit ではなく、垂れ流れるような分岐の集合に過ぎないこととなります。 宇宙や生命誕生における現象は指数関数/べき乗の形式で起こり、あたかも急速に拡がる投網のようです。逆に、現象を遡及して行う解析行為は対数的であり、投網を逆向きに急速に回収することと等しいのです。人間は未来を『遡及して』予測し、行動を決めている。 すなわち、「対数的処理」のみが、非・自然的な行為であり、それ以外は単に自然界に起こる現象のバリエーションや操作に過ぎないのです。純粋に人為が介在して、制御・調整できるのは対数的処理のみであります。」
このようになります。考察いただけるとありがたく存じます。
前田智成
ドイツ語翻訳・通訳者
添付:
蓋然性 - 最初で最後の楽章.doc
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