音楽の鳴らない部屋
家にいるときは常に音楽を流している。
帰宅して手を洗いルームウェアに着替えて音楽を流す。一人暮らしを始めた大学生の頃からずっと続いている習慣だ。
僕の部屋には絶えず音楽が流れている。
休日や22時以降の人の少ないオフィスで音楽を聴きながら仕事をするのが好きだ。
ここのところ色んな情報の洪水で情報疲れをしてしまって。少しでも飛び込んでくる情報を減らそうと、音楽をかけない生活をおくっていた。
自粛の日々に人肌が恋しくなり、久しぶりに再生ボタンを押してみた。
静寂の部屋の中に人の温度が広がる。
誰かと会話しているわけじゃない。一方的に聴いているだけなのに不思議と音楽は心の中にするすると入ってきて寂しさを埋めてくれる。誰かといっしょにいるみたいに人肌を感じさせてくれる。
ああ、やっぱり音楽が必要なんだなって実感する。
会うことができないけれど、そこに閉じ込められた人の感情を通して、心が満たされていく。1人なのに1人じゃないような気持ちにさせてくれる。
やっぱり人間はコミュニケーションをすることで生きられるいきものだ。
あらゆる芸術や文化にふれることは、媒体を通して製作者と鑑賞者が、時間や場所を超えてコミュニケーションを取る行為なのだと思う。
やっぱり部屋には音楽が必要だ。明日からまた音楽と共に暮らしていこう。
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