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④ヒロポンさんの、これから

「③ヒロポンさんが大切にしている言葉とは」から続く】

このインタビューは最後、“これから・今後”という質問をしているんですけど、ヒロポンさんには5年ぶりに開催されるケセンのことを語ってもらわないわけにはいかない!です!
これまで種山で10年やってきましたけど、(2011年の)震災があって。大船渡・陸前高田でやれる場所がない、というところで、種山で10年やってきたんです。陸前高田・大船渡・住田町を回る形で開催して、地元を盛り上げる…それが、2009年と2010年の思い・初心なんですよね。
震災があったけど、震災から13年目になって復興もだいぶ終わりました。まだ一部、堤防を作っていたりするところもあるけど、大船渡にロックフェスが出来るような公園も出来ました。陸前高田にロックフェスが出来るような野球場も出来ました。これはもう、初心の考えからすれば、このどちらか2箇所でやるしかないんです。今年は大船渡でやることによって、“復興が終わりました、全国の皆さん、ありがとうございました”っていう…ここまで復興が出来たっていうのを見せつける、そんな思いも強くて。
前に、キャッセン大船渡で「and Next」(2017、2018)っていうイベントが2回あったんですけど、あの頃はまだ復興は終わってなかったし、アクセスも良くなかったりしてる中での開催だった。トーキョー・タナカ(MAN WITH A MISSION)が先駆けてあの時に「and Next」をやってくれたことは、ものすごく有り難かった。でも自分たちで出来なかったことに、ちょっと、悔しい面もあったりして。

2017年4月に本オープンした
大船渡市の商業施設・キャッセン大船渡
KESEN ROCK FREAKSもこの施設内にあります)
「and Next」はこのように、現在キャッセン大船渡の
駐車場として使われているスペースに
ステージを作って開催されました🎶

だから今、“大船渡でケセンをやれます!”っていうのを、皆さんに見ていただきたいんです、っていう思いが強いかな。もちろん郷土愛であったり、地元の若者たちの可能性を見せるっていう思いもブレてないですけども、震災から復興して…よし、何とかロックフェスをやれるっていうところまで来ました、っていうのを見てもらいたいのが一番、強いですね…自分で言いながら……グッと来てしまいますね。

<出演アーティストの曲に乗せて毎年作成されてきたケセンの動画にもグッときます。こちらからアーカイブもぜひご覧ください🎶>

わたしも聞いていてグッと来てしまいました…
大船渡・夢海公園での開催となるケセン、どんなステージがあったりどんな会場に?
会場のレイアウトが大体決まって、皆さんにも会場の図はそのうち案内できるかな、と思ってます。
今回も、ヒロポンさんを中心にステージを組むわけですよね?
やりますよ(笑)。地面が平らなんですよね〜もんのすごい、やり易そう。実際にどのぐらいやり易いのか、設営がちょっと楽しみなんだよね。
今まで種山ではステージが2つありましたけど…?
ステージは、今までと一緒ですよ。ライブをするステージと、面白おかしく楽しいイベントステージも作ります。イベントステージもケセンらしさと言うか、あれがあってこそっていう瞬間・場面もあるので。
そんなスペース取れるのかな?って思っちゃいますが?
スペースよりも、音の問題があるよね。これは実際に音を出してみないと分かんないんだけど(笑)。やっぱり種山ほど広くはないし、高低差もない所だからね。

みんなのおともだちに
今年も会えるかな〜!?
(イベントステージでの一幕)

かつてイベントステージで餅まきをしたことがあるんですけど、そんな音楽フェスは他にはないと思う(一同笑)。し、学割チケットを販売していたのも、ケセンは良いなと思っていて。
これまでの種山での開催でも売ってはいたんですけど、送迎で種山まで来られる子たちって限られてて。今年の大船渡開催ではBRT(東日本大震災で被災した路線を使用したバス専用道を走るバス)に乗って来られますし、だから友達どうしでも来られる場所だと思っているので。

餅まきの準備をしていた時の
写真はありました(笑)!

これからの大船渡で何かやりたい・地元に残りたいっていう子が結構いると思ってて。“大人たちがこんなことをやってますよ”って、大人たちが可能性を見せられるのはものすごく、デカいんじゃないかと思ってて。
って言うのもね、俺も実は20代の頃に大船渡でLINDBERGのワンマンを野外で見たんですよ。海辺にある、サン・アンドレス公園っていうところで。この前、ELLEGARDENがフリークスに来た時、そのサン・アンドレス公園に来てた裏方の方がいたんですよ。それがまさかの、GIPの菅(真良/ARABAKI ROCK FEST.発起人)さんで(笑)。GIPに入ったばかりの時、大船渡で野外の現場があるからって関わったのが菅さんだった、っていう。菅さんとその話になっちゃって、“マジすか!?”ってエラい話が盛り上がっちゃって(一同笑)。話をしてて、もう感動しちゃって感動しちゃって。
ヒロポンさんがフェスに関わるなんて全く思いもしてなかった時代の話ですね(笑)。
こんなのをやる人たちがいるんだ、スゲーな!って(当時は)見てたからね。若い頃に見るのって影響があるよね、って根底に思うところがあって。だから今は、ケセンを若い子たち・今の子たちに見てもらいたい。絶対に、繋がるんで。
ロックフェスじゃなくても、何でもいいと思うんだけどね。地元でこんなことをやってる大人たちがいるよ、っていうのを今、子供たちに見てもらいたい。絶対に、自分のプラスになると思うので。

では改めて。今年のケセン、7月15日(月/祝日)開催です。
ケセンの前日には大槌町で「ありがとうロックフェスティバル」が開催になるので、出来ればケセンの前日は大槌に行ってもらいたいっていう思いが勿論あるし。大槌を見て、大船渡を見て、こんなに元気になりましたっていうところを見てもらいたいですね。
ケセンの開催ページには能登への思いも綴られていて、東日本大震災から13年の時が経って今、ヒロポンさんが“こんなに元気になりましたっていうのを見てもらいたい”と語るのはすごく重みがあるし、感動しちゃうな。
今年の年明け、すぐの大きな地震でしたからね。ケセンをやるとかやらないよりもとにかく、自分らは支援をしたいっていう旨をトップページに載せよう、っていうのがまず、一番最初でした。5月に盛岡(岩手県)で開催された「FIGHT BACK 2024」でのブース展開は全額支援に回そう、って決めて。
「FIGHT BACK 2024」では本当に、皆さんの気持ちが集まりましたね。
今後も色々な形で発信をしていきたいなと思ってますし、ケセン当日も募金箱の設置をしたり、グッズの売上についての話も今、進めているところで。自分たちで出来るアクションをね、していきますよ。

【千葉裕昭/通称・ヒロポン】
家業である土建業・千葉組を営みながら
岩手県大船渡市にあるライブハウス
KESEN ROCK FREAKSの代表を務める
2024年・5年ぶりに開催される
KESEN ROCK FESTIVALでは実行委員長
趣味はホームセンターめぐり
好きな食べ物はカシューナッツ

【「ひとのちから、まちのちから。」〜千葉裕昭さん(KESEN ROCK FESTIVAL/KESEN ROCK FREAKS)編〜/完】

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