「From Q」24年8月11日回 文字起こし(前編)
こんばんは。音楽家・文筆家の菊地成孔です。
「From Q presented by Aston Martin Ginza 」。月に一回、日曜の夜、東京銀座の一角にあるウルトララグジュアリーな空間、「アストンマーティン銀座」からお送りしております。
ここは世界で1台、お客様だけのアストンマーティンを作る最高レベルの「Q」…クオリティーを実現する場所です。
東京にはクルマのショールームたくさんあるわけですけれども、やはり飛び抜けたラグジュアリー感ですね。
そして本日のゲストは俳優の高橋一生さんです。私が音楽を担当しておりますドラマ「岸辺露伴は動かない」で主演の岸辺露伴役を演じておられます。
高橋一生さんにとってのウルトララグジュアリーX最高の贅沢とは一体何なのでしょうか。
お楽しみに。
菊地: では改めまして菊地成孔でございます。「From Q presented by Aston Martin Ginza 」ということで、月に一度、日曜の夜に東京銀座の一角…まあ、一角とか言ってますけれども、ペニンシュラ東京ですね、1階にありますウルトララグジュアリーな空間、アストンマーティン銀座からお送りしております。
本日のゲストは俳優の高橋一生さん、よろしくお願いします。
高橋: よろしくお願いします。今日は観に来てくださっている方たちはアストンマーティンのお客さんなんですね。
菊地: えっと…そうですね。一般の方も…今日3回目なんですけど。
高橋: あっ、3回目なんですね。
菊地: 3回目ですね。1回目がテリー伊藤さんで、2回目がタケオキクチさんです。
高橋: 3回目これ僕で大丈夫ですか?
菊地: 大丈夫も何も…1回目、2回目はおじいさんばっかりでしたから(笑)。
高橋: また…とんでもないことを(笑)。
菊地: あんまりその…今ダメかな、そういうのはコンプラ的に。
高橋: (笑)。
菊地: 公開収録なんですけど、客層が全然違うので今日は。若い…ね。
高橋: なんか毎月じゃあ…お客さんの質がちょっと変わるんですね。
菊地: そうですね。菊池武夫さんの回は、まあ…とにかくお爺様が多かったね。
高橋: へえ〜。
菊地: 昔BIGIを買ってましたという方が多かったですね。
高橋: なるほどなるほど。
菊地: はい。というわけで、今私たちがいる「アストンマーティン銀座」は、ニューヨークに次いで2番目、そしてアジアでは初となる最先端ショールームとなっております。アストンマーティン社が掲げるウルトララグジュアリーを体現した店内は、1階から2階にかけて324平米。アストンマーティンのアイコニックな最新モデル3台を展示しています、と。
高橋さん、ご覧になりました?
高橋: はい。今、上のビスポークルームみたいなものは先ほど見させていただいたんですけれども。すごいですね。
菊地: すごいですよね。
高橋: あんな細かく決められて、ステッチの糸までありましたからね。
菊地: そうですね。言っちゃあ、これもプラモデルっていうかね。パーツの一つ一つで。
高橋: でも男心がくすぐられるというか。
菊地: そうですね。
高橋: 女の子も好きな人がいるんですかね。やっぱり…ああいう組み立てていくみたいな。
菊地: そうですね、車は…。バイクとかね、自転車は結構…。高橋さんは、どちらかというとバイク・自転車派だと伺って。
高橋: そうです。バイク・自転車派なんですよ。それはもう全部、もちろんビスポークで作っていくので。
菊地: はいはい。
高橋: なんですけど。車でそれができるというのは、ちょっと…。
菊地: 「Q」っていう。クオリティーの「Q」でもあり、「007(ダブルオーセブン)」の兵器を作ってくれる上司の名前は「Q」ですよね。あの感じなんですけど。
高橋: あっ、まさに、じゃあ「Q」ですね。
菊地: そうですね。
高橋: ほんとにあそこで「007」が作っているみたいな感じですよね。
菊地: そうそう。「今回はこれ乗ってけ。」みたいなね。
高橋: うーん、なるほど。
菊地: まあ、アストンマーティン社はね、要するに「007」シリーズに車提供してますからね。
高橋: そうですね。「ヴァンテージ」がそうでしたっけ。「007」乗ってるのは。
菊地: 「DB5」かな。
高橋: 「DB5」か。なるほど。
菊地: はい。まあ、何とかお約束というか、高橋一生さんと私、菊地成孔の関係をリスナーの方に説明しますと…って説明要るのかって話ですけれども(笑)。要るご時世ですよね。
高橋: いや、そうなんじゃないですか。一応(笑)。
菊地: ほんとに。まあ…2020年だから、まあ何て言うか、あれですね、パンデミック前って言ったほうがいいのかな。
高橋: パンデミック始まったばっかりですね。
菊地: ばっかりですよね…に、スタートしました「岸辺露伴は動かない」というドラマの主人公「岸辺露伴」役を高橋一生さんが演じて。
高橋: はい。
菊地: 番組の音楽を僕並びに新音楽制作工房という僕のギルドで担当さしていただいておりまして、現在まで続いている、と。昨年にはドラマの制作チームが再集結して、日本とフランス、パリ、ルーブル美術館での大規模ロケを敢行して挑んだ長編劇場映画「岸辺露伴ルーブルへ行く」が公開されました、と。この時の舞台挨拶以来ですよね。
高橋: そうですね。去年末ぐらいですよね。菊地さんと初めて僕はお会いして。
菊地: そうそう、あの時初めてお会いして。
高橋: そうなんですよね。
菊地: それ以来なので2回目なんですよね。
高橋: 半年ぶりぐらいに。
菊地: その…視聴者の方って、音楽なんかやってると、主演のスターの方と仲良く飯でも食ってんじゃないかっていうふうに。すごいイージーに思われるんですよね。
高橋: (笑)。
菊地: 「高橋さんって、どんな人ですか? どんな人ですか?」とか言われて。
高橋: ええ〜。
菊地: 「会ったことないですけど。」って言うと、「えっ! 会ったことないの?」って言われることが…。
高橋: 僕も。でも結構…皆さんに岸辺露伴をやらせてもらうようになってから、菊地さんのファンが僕の周りで多いので。
菊地: あ、ほんとですか?
高橋: 「菊地さんとはお会いした?」って言われることは多いですね。で、それは僕、ちょっと前にお会いしたばかりなんですよ。初めて会ったばかりって、年末のお会いしたことを言うと、「あ、そうなんだ。もっとなんか色々お話とかしてるのか」…僕もそうやって言われてました。
菊地: そうですね。ま、多分僕の方がすごい言われていると思うんですけど(笑)。「一生さんってどんな人ですか? どんな人ですか?」って言われて。
高橋: (笑)。
菊地: 「いや、全然会わないんですよ、音楽家と主演俳優は。」って言うのがもう面倒くさくなってきちゃうんで。
高橋: はい。
菊地: 「もうすごい素敵な方で〜。」って。
高橋: なるほど(笑)。
菊地: 「すごい素敵な方で」って言うと、それ以上聞かれないんで。
高橋: ああ、なるほど。じゃ、僕も言おう。「もうすごい素敵な方で。菊地さん。」って。
菊地: まあ、そんな感じですけど。漫画原作でね、「岸辺露伴」っていうのは。
高橋: はい。
菊地: ものすごいそれのテクニカルタームもあるんですけど、いわゆる超能力があって。相手を本にするというか、相手の記憶を…半生を本にして、生い立ちや秘密を読み、さらにそこに指示が書き込めるという「ヘブンズドアー」という能力を持つ漫画家という役柄ですけれども。僕にはもう全く想像もできないですけど…。例えば、渥美清さんにおける「車寅次郎」であるとか、古くは森繁久彌さんにおける社長であるとか。
高橋: はい。
菊地: なんかその「当たり役」っみたいなのって、それまでそんなに高橋さんなかったですよね。
高橋: なかったですね。
菊地: ですよね。
高橋: はい。現代においてはそういうものがテレビドラマから派生して出ていくって、古畑任三郎さんぐらいしか僕は思い当たらないので。
菊地: そうですね。ま、現代は現代ですが、あれももう30年前ですからね。
高橋: そうですよね。
菊地: ええ。
高橋: ああいうものに出会えるということを自分は多分全く想像していなかったので。
菊地: ああ、そうですか。
高橋: 岸辺露伴のシリーズがここまで続くとも思っていなかったので。
菊地: はい。
高橋: ただ、やはり熱意とかっていうものは、2020年の立ち上がった時からあったんですよ。
菊地: はい。
高橋: 僕、一番最初、撮影が始まってしばらくして3日ぐらい経った時に、監督の渡辺一貴さんって、演出の方に「音楽が実は決まって。言ってなかったんですけれども、菊地成孔さんで。」って聞いて。
菊地: はい。
高橋: 僕、ものすごい…「やった!」っつって。アルバムを聴いて…。
菊地: あの…その何て言うんですか、スターの方から何かサービスを受けるというような感じで(笑)。
高橋: いやいや、別にサービスでも何でもないんだけど(笑)。
菊地: いいんでしょうか。
高橋: いや、本当にそれで世界観がすごい決まったんですよね。
菊地: ああ、そうですか。
高橋: 音楽が…「こういう音楽をきっと作ってくださるだろう。」って言って。それでアルバムを何枚か聞いているうちに、「あ、こういう…奇妙な感じになったらいいな。」というのを幾つか聴いていて、ちょっと嬉しいなと思いながらお芝居を。3日入ってしまって、もう3日経っていたんですけれども、そこからこう…またやっていったっていう記憶はあります。
菊地: だから高橋さん、さっき言ったように、そもそも日本の現状自体がプログラムピクチャーというか…。
高橋: はい。
菊地: 当たり役でずっと回すというのが、古畑任三郎の例だって既に30年前で、田村正和さんももう逝去されてますし。
高橋: はい。
菊地: もう…無いのかなっていうような感じだったじゃないですか。
高橋: そうですね。
菊地: 僕もまあ…例えば映画だったら「リリイシュシュのすべて」だとか「シン・ゴジラ」だとか、まあまあ…ありきたりではありますが。
高橋: いえいえ。
菊地: 実は『MEATBALL MACHINE 〜ミートボールマシン〜』…
高橋: えっ! ほんとですか。
菊地: 高橋さん、最初の主演作ですよね。
高橋: そうです。はい。
菊地: 意外とファンの方でも観ていないんじゃないかな。
高橋: そうですね。結構マニアックなんですよ。
菊地: あれを偶然観たんですよ。
高橋: はい。
菊地: 「あれ? この人どこかで見たな。」みたいな感じで印象は残っている的な…ポジショニングというような感じだったじゃないですか。
高橋: はい。
菊地: まあ後に…後にっていうか、前後するのかな。「池袋ウエストゲートパーク」であるとか、テレビだと。
高橋: はい。
菊地: あと…「吾輩は主婦である」っていうのがあって。あれ、ドラマ自体めちゃめちゃ面白かったじゃないですか。
高橋: それ、めちゃめちゃ嬉しいですね。あれを観てくださって。
菊地: あれ1話だけ出てますよね。
高橋: はい。1話から出て、中盤から出て、その後結構セミレギュラーっぽくなってたんですけど。
菊地: なってたよね。高橋さんが面白くて。
高橋: はい。ありがとうございます。
菊地: 増えてくっていう感じで。あ、この人すごく面白いし、すごい…日本の俳優さんの中では、なんか誰かと系統立てて比べられない個性の方だというふうな。
高橋: あ、嬉しいです。
菊地: ま、多くの他のファンの方とも同じだと思うんですけれども。そういう認識だったんですが、「岸辺露伴か〜。」と思って。
高橋: はい。
菊地: あの音楽家って、最後に全部出来上がったのを観るんですよね。「粗編」っていう音が入ってないやつを。
高橋: うーん。
菊地: そこには音楽入ってなくて全部出来上がってるんですけど。もう…高橋さんの演技が、なんか気合が入ってるってのを超えて、何かこう憑依しているというか。
高橋: (笑)。
菊地: こんな嫌な奴で、こんな格好いい奴で、こんな素敵な奴でみたいな(笑)。
高橋: 最高に嬉しいです(笑)。
菊地: あらゆる感情が揺さぶられる役で。もう何というか、あっという間に曲もできちゃって。
高橋: あっ、そうですか。それは何と光栄な。
菊地: もうあんな楽しい現場は…まだ続いてますけど、ないですね。本当にね。今まで無かったです。
高橋: いやあ、嬉しいです。そうやって言っていただけると。僕にとってもやっぱりああいう…それこそ菊地さんがおっしゃっているような、ずっと当たり役みたいな、これをずっと長く続けられる役というのは、多分日本の俳優はなかなかもう今できることではないので。
菊地: そうですね。
高橋: それをいただけただけで、僕一生終わってもいいなと思っているぐらいの…気持ちではいますね。
(曲)
菊地: ドライブは…先程、まあまあ、この番組の決まり事なんですけども。車でのドライブもなさいますか。
高橋: します。好きなんですよね。昔からしてますね。20代前半からずっとしてますね。うん。
菊地: なるほど。運転する派で。
高橋: します。
菊地: なるほど。いつごろから?
高橋: 24ぐらいで多分車の…僕、バイクの免許先取っちゃったんで。
菊地: はいはい。
高橋: 車は24ぐらいで取ってから、そこからもうずっと…車乗るの多くなりましたね。
菊地: なるほど。
高橋: 何するでもなくドライブしてますね。
菊地: ドライブって目的があって行く人と、車に乗るのが好きで目的もなく走り回る人といるじゃないですか(笑)。
高橋: あ、後者ですね。
菊地: 後者ですか。なるほど。走り回っちゃうわけですね(笑)。
高橋: 走り回ってますね。夜の静かなところをず〜っと走り回ってますね。
菊地: もうそれは何て言うか、高橋一生として認知されてるような状態になってからも、走り回ってるんですか。
高橋: 走り回ってますね。
菊地: 一人でブーッと…それはヤバいね(笑)。
高橋: (笑)。
菊地: 「今、通り過ぎたけど高橋一生じゃない?」っていうことが起きるみたいなね。
高橋: ああ、あるのかな(笑)。そうですね。
菊地: 僕、ほんとにそこの角で、ちょうど信号待ちで隣にバーッて来た車に乗ってたのが松本人志さんだった時があって(笑)。
高橋: それはすごいですね、会ってみたい(笑)。
菊地: 「えっ、松ちゃん?」と思ってジッと見たんですけど、頑としてこっち向かなかったですけどね。やっぱり目線を感じたらそうなんだなと思いましたけども。
高橋: へえ〜(笑)。ドライブ、よくしますね。
菊地: 仕事現場への足も車ですか。
高橋: 車です。
菊地: なるほど。なかなかバイクってわけにはね。
高橋: そうですね。でも結構最初の20代の頃はバイクで行くことも多かったですね。
菊地: あ、そうですか。バイクで現場に。
高橋: 現場行ってました。で、危ないから何とか車にしてくれないかって事務所の人間に言われたんですけど。
菊地: やっぱりバイクはね。怪我するとやっちゃったり、全部いっちゃいますからね。
高橋: そう。なんですけど、なんか頑なに僕がバイク乗り続けていたら、事務所の社長さんが「もうお願いだからこれだけ付けてくれ」って言われて。フルフェイスをプレゼントされて…あんまり意味あるかなとか思いながら。
菊地: (笑)。
高橋: まあ、意味あるんでしょうけれども。
菊地: バイカーが必ず言うね。
高橋: そう。半ヘルの話です。はい。
菊地: こちらはアストンマーチン銀座のラウンジでは、究極のカスタマイズを可能とするビスポークサービス…まあビスポークというのは「be-spoken for」の略で、オーダーメードに対するカスタムメイドの事ですけれども。
高橋: はい。
菊地: ビスポークサービスをご提供しています。デザインチームが提案する膨大なオプションの中から、カラー、素材、デザイン、これ先程話したね、自分だけのアストンマーチンを作ることが出来るという事ですが。
高橋: すごいですよね。
菊地: さらにこのアストンマーチンに乗って、東京の夜景を堪能できる試乗イベントというのをやっているそうです。
高橋: うーん。
菊地: 船ではなく車で巡るスペシャルナイトクルーズ。東京の好きなスポットをお客様に指定して頂き、そこでアストンマーチンでドライブが出来るということで、東京ゲートブリッジやレインボーブリッジを走るのもありということですけども。高橋さんのお気に入りのドライブコースはと言ったらどちらになりますか。
高橋: 東京ゲートブリッジ周辺のあそこの道、すごい好きなんですよね。
菊地: ゲートブリッジ…いわゆる恐竜橋ですよね。一番でかい。
高橋: はい。めちゃめちゃ気持ちいいですよね、あそこ。
菊地: そうですね。僕はね、免許を持ってなくて。
高橋: あ、そうですか。
菊地: もう免許持ってないのに、こんな番組のパーソナリティやっていいのかなって話なんですけど。
高橋: そうだったんだ。僕、今初めて知った。
菊地: 助手席派なんですよ。
高橋: あっ、そうですか。
菊地: ええ。素敵な方に…男女問わずですけども、素敵な方に運転してもらって、助手席で何か食い物を食わしたり、タバコ吸わしたり。
高橋: うわっ、それ一緒にやりたいな〜。
菊地: 高橋さんが運転して助手席にいたら僕は気絶すると思いますよ(笑)。
高橋: いやいやいや、僕本当にそういうの、楽しくて好きなんですよね。
菊地: 僕はハンドルを握ってくださる方のために、前夜用意するクラブハウスサンドイッチ、かなり美味しい自信ありますけどね。
高橋: うわ、最高ですね。
菊地: 選曲も全部やりますけどね。
高橋: あっ、素晴らしい。是非お願いします。
菊地: いや、とんでもないです。何かの間違いでそういうことがあったらば、一生の自慢になりますからね。
高橋: こちらこそです、ほんとに。
菊地: でもまあ、恐竜橋…あの辺りはすごいですよね。
高橋: たまたま何かを普通に都内を流している時に…流してるという言い方はおかしいな。何かそれっぽい流し屋みたいですよね(笑)。
菊地: いやいや、流し屋でいいと思いますよ(笑)。
高橋: 運転してて、ふっと入った時に…あんまり知らなかったんですよ。そこにそれがあるってことを。
菊地: ああ、なるほど。
高橋: あれ、なんでここ何だろう?と思って。
菊地: いわゆるスターブリッジじゃないからね。レインボーブリッジとかだと、「さあ、入りますよ。」って感じだけど、恐竜橋って「あっ」って入っちゃいますからね。
高橋: そうなんですよね。あんまりアプローチがグーっと行かないじゃないですか。だから、突然あると思って。それからすごい好きになっちゃって。あの辺を周辺を回して走っているのが好きですね。
菊地: なるほど。その時に曲は聴きますか?
高橋: 聴きます。
菊地: ま、これは次のコーナーへの誘導になってるんですけど。
高橋: はい。
菊地: ゲストの方にはお気に入りのドライビングミュージックってことで、今日はJUDE(ユダ)。JUDEっつって分かる人ってちょっと少ないと思うんだけど、いわゆる浅井健一さん…いわゆるって言っちゃ失礼か。有名なロックミュージシャンの浅井健一さんの、今あんま活動してないけど。
高橋: そうですね。
菊地: の曲ですけども。「Accel(アクセル)。
高橋: 「Accel」ですね。
菊地: どんな思い出というか。
高橋: これは車を運転してる時に「こんな人生がいいな。」と思いながらいつも聴いています(笑)。
菊地: なるほど。
高橋: 「こんな人生を生きられたらいいな。」と思いながら。いつも運転する時は、この曲必ず流れますね。
菊地: では、浅井さんのいろんなユニットやってる浅井さんですが、JUDEというスリーピースバンドですよね。
高橋: はい。
菊地: の「Accel」という曲を聴いてください。
(曲)
菊地: はい。浅井健一さんのスリーピースバンド…2002年ですから、相当もうすでに…
高橋: 前ですね。
菊地: 結成して22年ですけどね。JUDEで「Accel」でした。まあ、2002年当時のロックのサウンドとか、さわやかかつ骨太な感じですけれども。
高橋: はい。ブランキーの頃よりちょっと爽やか味がすごく出ている感じがしますね。
菊地: 何かね、ロックって、ほら。イメージカラーとかあるじゃないですか。
高橋: はい。
菊地: 昔の俳優さんで言えば、原田芳雄さんがロックが好きとか言うと、そんなもの当たり前だろう…てな感じじゃないすか。萩原健一さんとかね。ま、歌ってた方ですけど。
高橋: そうですね(笑)。
菊地: 高橋さんはロックがお好きだって聞くと、ちょっと…ざわつくというか。
高橋: ああ〜、やっぱそうなんでしょうね、きっと。バイクとかっていうのもイメージないですし、きっと。
菊地: そうですよね。じゃあ何かという話ですけど、それは特に思い浮かぶわけじゃないんだけど。「え、ロックなの?」という驚きはちょっとありますね。
高橋: そうですね。何か自分の違うところとか、自分のイメージの範疇の外みたいなところでイメージって作られていきがちなので、それを別にあまり悪しとしないので、僕は。どうぞ勝手にっていうのがあって。
菊地: そうですよね。
高橋: だから「あんまり自分の本質的なものが見えないんだったら、なおいいな。都合がいいな。」と思うところがあって。お芝居に対しては、やっぱりあんまり自分の高橋一生としての主張は出したくないと思っているので、そういうのが。でもたまにこう、菊地さんみたいに見抜いてくださる方がいると、ちょっと嬉しかったりするんですよね。
菊地: いえいえ。いやあ、とはいえね、パブリック・イメージ・リミテッドと言いますけど。高橋さんはそこらへんの…それで苦しむ方も多いじゃないですか。
高橋: ああ〜、そうでしょうね、きっと。
菊地: ねえ。そこら辺に関しても超然となさっているところも、男っぽいですよね。なんかね。
高橋: そうですね。何か楽しいですね、そういうのも。
菊地: 「海外カルチャーと言ったら何ですか?」という事前のヒアリングでスケボーとお答えになっているんですが、これもちょっと驚きますよね。ファンの方の間では有名なのかしらね。
高橋: どうなんですかね。どこまで知ってくださっているのかわかんないですけど。僕は90年代のスケートボードのカルチャーがすごい好きだったんですね。
菊地: はいはい。西海岸ですよね。
高橋: そうですね。なので、あの辺りの当時スケートボードのチームが、ニューヨークとか西海岸とかでも流行っていて、ビデオとか買いに行っていました。
菊地: ああ、ありましたよね。
高橋: スケートビデオがすごい楽しくて。
菊地: 実際ボーダーだったんですか?
高橋: そうです。ずっと乗ってました。
菊地: おお。でもそれも今もう事務所的には「やめてくれ。」ですよね。
高橋: そうなのかもしれないですね。でも、結構最初の頃は「スケートボードに乗っているところをちょっと撮らせてください。」っつって、やったりとかもありましたけどね。
菊地: ああ、なるほど。
高橋: でも、何かやっぱりイメージの方が強く出るので、それはどんどん…
菊地: 怪我のリスクがあるじゃないですか。
高橋: そうですね。うん、あんまり最近はでも…やりますけどね。
菊地: そうですか。
高橋: ええ。乗ってたりとかしますけど。
菊地: 今乗っているんですか。
高橋: はい。
菊地: おお。例えば、本当に何て言ったら…夢小説みたいになっちゃいますけど、車にボード積めますもんね。
高橋: ああ、積んでます。積んでます。
菊地: ワーッって走ってって、「ちょっと滑ろうかな。」なんつって、ボード出して滑ったり…
高橋: そうそう、やってますね。そう。
菊地: そんな事やってるんですか。とても信じられないけど(笑)。
高橋: 全然イメージないと思うんだけど、ほんとに(笑)。
菊地: すごいな、それは。
高橋: そうですね。
菊地: でも今は…それこそ今パリ五輪の最中ですけど。
高橋: はい。
菊地: あれはご覧になってない?
高橋: 全く…僕、本当にオリンピックに興味がなくて。
菊地: ほんとですか。
高橋: 全く観ないですね。
菊地: なるほど。
高橋: 今まででも観たことないですね。
菊地: 観たことないですか。
高橋: 一回も観たことないんじゃないかな。
菊地: すごいな。
高橋: 全く見たことないですね。全く興味ないですね。
菊地: (笑)。
高橋: ごめんなさい、何回も言っちゃった。ごめんなさい。
菊地: いや、それありますよ。オリンピック全く興味ない人、都知事選全く興味ない人。
高橋: ああ〜、都知事選は若干興味がありましたけど。どうなるんだろうっていうのは。「うーん?」って思ってましたけど。
菊地: なるほど(笑)。
高橋: あんまりスポーツを…バスケットとかやってたんですけど。何かそんなにスポーツも観て興奮できなくて。
菊地: ああ、なるほど。
高橋: だからスタジアムとかも行ったこと一回もないですし。
菊地: あ、それボーダーっぽいですね。やっぱやるんだってことですね。
高橋: はい。やる側の人間なのにって思ってて。
菊地: 要するに、スポーツ鑑賞ってことに興味がないってことですね。
高橋: あんまりないですね。言ってしまえば多分…あんまりところじゃないですね、全くないですね、僕。今話してて(笑)。
菊地: (笑)。
高橋: 多分、音楽も家で爆音で聴いている方が好きなんです。車の中で爆音で聴いている方がいいんです。
菊地: はいはい。
高橋: お客さんがいっぱいいて、そこでワーってみんなで踊っているっていうのがちょっと理解できないです。昔から僕分かんなくて。
菊地: なるほど。
高橋: みんなで共有できないんですよね。音楽を一人でずっと聴いてて。映画とかもちっちゃいテレビで本当はいいんです。
菊地: ああ、なるほど。
高橋: ちっちゃいテレビでじっと一人で観ているのが好きなので。多分友人とかも…多分本当に基本的に何を考えているか分からない奴と思われてたと思うんです、ずっと。子供の頃から多分ずっとそうですね。
菊地: ああ〜。
高橋: みんなで笑って盛り上がりそうになると、一人外れていっちゃう方なんで。やっぱりそういうイメージが…「訳分かんねえな。」っていうのは、きっと思われていたかもしれないですね。
菊地: そうかもしれないですね。逆にそれがスターになっていく流れっていうかね。
高橋: そんなことないですけどね(笑)。
菊地: 一つの逆コースとか、正当なコースっていうかね。
高橋: 生きづらいコースなんですけど、きっと。
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