慢性痛の原因はモヤモヤ?2021・9・1

肩や膝、腰などの慢性痛、辛いですよね。痛みの原因として一般的に挙げられるのは変形性関節症であったり、椎間板ヘルニアであったりします。整骨院などの治療院ではその他に骨の歪みやズレなどが痛みの原因である、という言い方をします。

いずれも間違いではないのですが、最近になって痛みの原因として挙げられるようになったのが「モヤモヤ血管」です。なんじゃそれは?

慢性の痛みを訴える人の患部を造影剤で調べてみると、不規則な走行の血管ができているのが観察できるそうです。これがモヤモヤ血管。ふつうの血管と違って酸素や二酸化炭素を運ぶ働きはないそうです。静脈から分岐してまた静脈に戻るような不規則な走行をしているといいます。

モヤモヤ血管が形成されるとそれに沿う形で神経が伸びていきます。モヤモヤ血管に血流が生じる際にその神経を刺激するのが慢性痛の原因というふうに説明されています。

それではモヤモヤ血管による痛みをどうやって治療するか。もちろん血行を遮断するような薬品を注射すると慢性痛は直ちに消失するそうです。ただ、あんまり一般的ではないみたいですね。
モヤモヤ血管は正常な血管とは違ってもろいので、圧迫するとすぐに破壊されてしまうといいます。なので痛みを感じる患部を軽く手指で押さえることでも痛みの治療にはなるそうです。

患部に手を当てることで痛みが消失する、いわゆる「手当」がどうして有効なのかをモヤモヤ血管で説明できるかもしれません。ただ、広い範囲にずっと手を当てておくことはできませんよね。

そういう時に活躍するのがテーピングです。当院では伸縮性テープ(大相撲の力士があっちこっちに貼っている肌色のテープと同じものです)に切り込みを入れて網目状に患部を覆う特殊なテーピング法を行っています。網目状のテーピングは関節にフィットするので損傷した関節や靭帯の保護の働きをするのだと従来説明されてきました。でも、患部に持続的な圧迫力を加えることでモヤモヤ血管による痛み治療に一役買っているというのが正解なのかもしれません。


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