スクリーンショット_2020-03-01_22

イケてる質問への返答方法(オブジェクションハンドリング)〜「仰る通り」で返答するな〜

オブジェクションとは、異論や反論のことを意味しており、オブジェクションハンドリングとは、応酬話法や想定問答、反論処理、カウンタートークなどと言われております。

このnoteではオブジェクションハンドリングにフォーカスして、具体的な方法などを解説していきます。

====本文====

今日はどんなテーマで書こうかなぁって思っていてTwitterで質問をしてみたらこんな結果になりました。

ものすごく僅差でしたが、多数決により、“イケてる”質問への返答方法を解説いたします。

僕のnoteは自分から仕掛ける系の内容が中心だったので、カウンター的な内容は初めてかもしれません。

(イケてる事例の語り方も僅差だったので近いうちに書きますのでお楽しみに!)

この内容は営業はもちろんのこと、プロジェクトマネージャや、カスタマーサクセス、インサイドセールスなど、相手から質問をもらうかた全てに活用できるスキルになっています。

では、早速本題に入ります。

オブジェクションハンドリングとは何か

オブジェクションハンドリングという言葉は聞き馴染みが無い方も多いかもしれませんが、応酬話法想定問答反論処理カウンタートークなどの言葉で本で目にした方や、研修を受けられた方も多くいらっしゃるかもしれません。
(これ以降は統一してオブジェクションハンドリングと言います。)

相手から発生した疑問や質問、異論、反論に対して返答をし、自分の主張を通すという、とってもヤンチャな技法のことです。

私もこれまで3社で会社員をしており、その3社すべてでオブジェクションハンドリングのトレーニングを受けているので、ヤンチャな技法でありながら、本当に一般的な内容だと思います。

ただ、そのヤンチャさゆえに、オブジェクションハンドリングの方法に疑問を持っていました。
皆様も、問答の仕方をミスって大変になった経験をお持ちでは無いでしょうか?
お客様との関係にヒビが入ったり、商談が無くなったり、プロジェクトで謎の要件が増えたり、上司から無駄な仕事を増やされたり・・・
私は1度や2度では無いくらいミスった経験があります。

ただ今になって思うのは、ヤンチャではない、正しいオブジェクションハンドリングをできていれば全て防げていたということです。

では、ヤンチャなオブジェクションハンドリングの問題点を説明します。

Yes But話法はクソムカつく

オブジェクションハンドリングの代表的なテクニックとして、Yes But話法というものがあります。

これは、お客様からの異論反論に対して、
一度Yes(肯定)で受け止めた後に、
But(しかし)で返答をするというテクニックです。

以下がその会話例です。

お客様:「石井さん、良いのはわかったけど、高くない?」
石井:「おっしゃるとおりです。(Yes)決して安価ではありません。
しかし(But)、3年、5年の長期を見据えて、未来への投資という考え方も出来るのではないでしょうか?」

もっともらしいカウンタートークではあるのですが・・・
なんかムカつきませんか? www

Yes Butを究極まで噛み砕くと、

「お前の言っていることは正しい。でも、俺の言っていることのほうがもっと正しい」

という構造になっています。
お客様のことを否定していますので、最初の「おっしゃるとおり」は嘘だったわけですね。
とってもヤンチャな話法です。

なので、当然、ムカつきますよねwww

そして、こんな問答を続けているうちに質問が質問を呼び、論点がズレていくことが多々あると思います。

Yes But話法はクソムカつくのでオススメしません。

Yes If話法は自己中

先程のYes But話法は古い!なんていうことから、Yes Ifという話法が編み出されているようです。

先程と同じでYesで肯定した後に、
Ifで「もし○○だったら」というトークを行い、相手の腹の中を探るという話法です。

お客様:「石井さん、良いのはわかったけど、高くない?」
石井:「おっしゃるとおりです。(Yes)決して安価ではありません。
それは承知の上で、もし何円だったら使ってみてもいいかなぁって思うラインってありますか?

確かに、このトーク例ではお客様のことを否定していませんし、寄り添っている姿勢も見せられます。

そして、何円だったら使ってみたいというラインも聞き出せちゃいますね。
でも、この話法は欠点があります。
何円だったらというラインは聞き出せても、なぜ高いと思っているのか、そこの真意までは引き出せないということです。

この真意を聞き出せないことには、金額だけすり合わせをしても失注をしてしましますよ。

「お客様が○○円だったら買っても良いって言われてます。ディスカウント承認お願いします!!」
って言ってきた営業が失注している光景、1度は目にしたことありますよね。

それは、これが原因です。
目の前の質問に対して短絡的に返答しているだけですし、買ってもらう前提の自己中トークになってしまっています。

ちゃんと真意まで確認をしましょう。

そもそもオブジェクションがなぜ発生するのか

そもそも、オブジェクションがなぜ発生するのか、その発生源まで辿るのが大切です。

様々なパターンを経験してきましたが、大分すると3つのパターンに分かれると思っております。

①自分の説明がイケていないので、真意が伝わっていない
(もしくは、お客様が正しく理解できていない)

②純粋に疑問を持っており、解決をしたい

③進める気がなくて反論ばっかりしている

実数を取ったわけではなく、感覚値ではありますが、
①が7割、②が1割、③が2割
というのが私のイメージです。

圧倒的に、真意が伝わっていないパターンが多い。


②純粋に疑問を持っており、解決をしたい
というパターンなら従来のオブジェクションハンドリングでも良いと思います。

③進める気がなくて反論ばっかりしている
このパターンは、回答するだけ無駄なので、付き合うのはやめましょう。
時々、本当にムカつくお客様がいらっしゃいますが、我慢しましょう。

(といいつつ、僕も我慢できなくて、たまーに全部Yes Butで返してしまうことがありますw)

①自分の説明がイケていない(もしくは、お客様の理解がイケてない)ので、真意が伝わっていない
というパターンは、真意が伝わっていないので、従来の
「おっしゃるとおり」というYesから始めるのはナンセンスだなぁって思っております。

ですので、質問の意図であったり、真意が伝わっているかどうか、まず最初に確認をしよう!というのがイケてるオブジェクションハンドリングだと考えています。

最初は確認からスタート

最初に肯定ではなく、確認からスタートするという方法を教えてくださったのは、僕の前職のボスのKさんです。

当時の僕は「7割転職しないって思ってるけど、1回くらい良いか。」
と思って、遊び半分でカジュアル面談を受けたのですが、Kさんのストーリーテリングとオブジェクションハンドリングが鮮やか過ぎて、この人から営業を教えてもらいたいと思い、転職を決意したのです。

ストーリーテリングはコチラをどうぞ。

そんな昔話は一旦おいておいて、確認からスタートするオブジェクションハンドリングのトーク例をしてみましょう。

お客様:「石井さん、良いのはわかったけど、高くない?」
石井:「あれ?そうですか?大体いつも安いって言われるんですけど・・・しかし、なぜ高いって思われたんですか?

こうやって返答をすると、この場合はなぜ高いと言われているのか真意を探ることもできますし、価値が伝わっていたら高いとは思われないはずなのです。

そして、このパターンでいくと、

お客様:「いや、たしかになぜ高い買って言うと感覚的なんだけどさ。」
石井:「確かに、感覚的には高いって思われてしまうこともあるかもしれませんね。」

と同意した上で、
競合と比較してなのか、予算と比較してなのか、現行と比較してなのか、価値を感じていないからなのか、様々な真意を探っていきます。

場合によっては、

お客様:「いや、たしかになぜ高い買って言うと感覚的なんだけどさ。」
石井:「確かに、感覚的には高いって思われてしまうこともあるかもしれませんね。」
石井:「しかし、どうでしょう。同様の仕組みを0から構築したら・・・」

という回答をすることもできます。

なので、オブジェクションハンドリングの理想的な流れとして、

①真意(もしくは質問の意図)を確認する
②同意する
③切り返す

という形になります。

無闇矢鱈に、「おっしゃるとおりです」というYesから入るオブジェクションハンドリングはやめようということです。

まず、真意や質問の意図から確認をしないことには、
お互いの認識のズレた空中戦が始まってしまいます。

必ず、真意の確認からスタートしましょう。

おまけ:Kさんのオブジェクションハンドリング

転職をするかどうか悩んでいる僕へのKさんのオブジェクションハンドリングが人生で一番印象に残っているので紹介します。

石井:「仮に転職したところで、将来的に起業をするつもりですし、長い期間働けないかもしれないです。」

Kさん:「長い期間働けないっていうのは、何を気にしてるの?」

石井:「なんか、コロコロ転職するジョブホッパーみたいに見えてしまいませんか?」

Kさん「あ、そういうこと?まず、起業するなら気にする必要ないし、俺も最短で1年未満で転職したことあるし、それでも、こうやってカントリーマネージャのオファーも頂いたりするし、実力があれば気にする必要ないよ。
そして、俺も10回くらい転職しているから、石井さんの入社が一時的で、起業するってのは分かっているし、それで良いと思っている。優秀な人間はいろんなオファーもらって、色んな所に羽ばたいていくものだよ。それでもまだ引っかかる所ある?」

石井:「いえ、ありません。お世話になります」

この瞬間に脳に電流が流れたのを覚えています。

オブジェクションハンドリングは、真意の確認からスタートする!

====================
Twitterでも発信しております。

noteのサークルもあります!


====================




SaaSの営業×サブスクリプションの本質の正しい情報を書いていこうと思います! サポートいただけたら、リサーチ費用に充てたいと思います。 他にもHIPHOP好きな人と仲良くできると嬉しいです。