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超具体的な営業の言い回し大全①

今回は秘蔵のトーク例をご紹介します。

様々な概念を語る方は多くとても素晴らしいと思うのです。
ただ、概念を具体的なトークの言い回しまで落とし込んだ情報って無いよなって思ったので書いちゃいます。

例えば、
BANTやMEDDICといった営業フレームワークを抑えて案件の正しい進行をしましょう。
ヒアリングが重要です。お客様の潜在ニーズを把握するためにSPINを意識しましょう。
という情報自体に大きな価値はなく、

それを正しく理解したらどういったトークになるのか?
その意図は?
その細かい言い回しであるポイントは?

というところまで切り込んで書いていきます。

構成としては、
・そのフレームワークの正しい理解
・具体的なトーク例
・そのトークで聞きたい意図
・なぜその言い回しなのか

として書いていきます。

①BANTの正しい理解

営業のフレームワークの定番といえばBANTでしょう。

B:Budget=予算
A:Authority=決裁権
N:Needs=必要性
T:Timeframe=スケジュール

このBANTに関して調べて出てくる情報はびっくりするくらい間違ってます。(どこからの引用かは一応伏せておきます。)

営業が訪問することで獲得し、案件の見込み度を測るために使うのがこのBANT条件などの直接情報
BANTは、基本的かつ網羅的な質問項目で、営業初心者から、すぐ使えます。
取引先がもつ必要性を引き出し、導入できそうな時期を確認しながら、売り込んでいき成約に結びつけていく…これがBANT条件のヒアリング手法を使った営業技です。
これは営業におけるヒアリングのテクニックのことであり、それによって受注の見込みを高めることを目的としています。

皆さんの一般的な理解ですと、BANTとは上記の引用のような理解であると思いますが、僕は全く違った理解をしています。

例えば、
すべての項目がヒアリングできたら絶対売れますか?
案件の見込み度をはかるためにBANTを使いますか?
営業初心者からすぐに使えますか?
売り込んでいくテクニックなのですか?
そもそも、ヒアリングのテクニックなのですか?
この4つを取り調べのように聞き出すのが営業ですか?

もちろん、違います。

僕の理解では、BANTは商談のチェックリストではありません。

お客様が買う理由と、それまでに何を確認しないといけないのか、その整理を手助けするものだと思っています。

具体的には、あなたがオンラインセールスを始めるためにWeb会議のシステムを入れたいと思っている担当者で、会社に上申をしないといけない。

そんな時に予算がいくらで、その金額なら決裁はどんなルートで、上申資料にかく必要性とか理由の欄はどうやってかこうだとか、どんなスケジュールで書けばいいだとか・・・
そこまで完璧に把握している完璧な方なんてごく少数なのです。

であれば、

お客様がなぜ買うのか、
そのために必要な情報の整理を手助けするための手法がBANTである。

これが僕の認識です。

売り手の勝手な売り込みテクニックとして記載されているのが悲しいです。

その前提であれば、トークの仕方も変わるのです。

②BANTのBのトーク例

具体的なトーク例

投資対効果が大切だとは思っております。しかし、箸にも棒にもかからないような提案ですと、○○様の顔にも泥を塗ってしまうかもしれません。それではご迷惑がかかってしまいます。

例えば、桁が2つ違うなんてことがないよう、大枠のお考えのボーダーラインを教えていただけませんか?

そのトークで聞きたい意図

まず、どんなお客様も投資対効果が大切って絶対に言います。言わない方が稀です。そこを否定しないようにしましょう。
(実際に、経営者も気にするのはそこです。
コレってなんぼなん?スケールすんの?効果あんのって。)

まずは、そこに対して頭から否定をせずに、理解をしましょう。

今あなたの目の前にいて、話をして進めてくれようとしている方はあなたの協力者になるのです。社内営業をしてくれるのです。

そんな社内営業をしてくれる方にが動きやすくなるためには、適切な情報を渡すこと。

コーラのペットボトルが150円なのは誰でも分かりますが、
そのWeb会議システムがいくらなのか、そんな正確なモノサシを持った人なんて滅多にいないんです。

費用対効果が大切といいつつも、実際にいくらなのかアタリをつけたいのです。
実際に、見込み顧客の6割が初回から価格を知りたいというデータも出ています。

であれば、価格を提示すべき。でも、正しいモノサシは持っていない。

となれば、今のざっくりしたモノサシを聞いておく。それに越したことはありませんよね。

営利法人が金を意識しないことなんて絶対にありませんから。

なぜその言い回しなのか

ポイントは2つ。

1.泥を塗ってしまうかもしれません
→協力者が動きやすい状況と情報を与える。そのために協力しますという、買い手側目線をしっかりと持っていることを明らかにするため。
※商談のヒアリング項目を埋めるために聞いているんだななんて思われたら最悪。

2.桁が2つ違う
→これ、重要です。99万と100万は桁が1つ違いますが、判断が完全にひっくり返るような額ではありません。
しかし、2桁違ったらどうでしょうか。99万と1000万では圧倒的な差があります。
2桁というと、箸にも棒にもかからないことが起きますので、必ず2桁と言いましょう。
※3桁だと死ぬほど高い印象をもたれたり、オーバーすぎる感じがするので、僕は2桁と言います。

※ここで明確なボーダーがない場合は、自分がボーダーを作ることになりますが、それすら無い場合、本当に検討しているのか?という見極めにもなります。
本当に予算がないのであれば、追加予算の取得だって必要にもなります。

ただ聞くことに何の意味もありません。

③BANTのAのトーク例

具体的なトーク例

ご判断なさるとき、〇〇様から〇〇様というルートでしょうかね?
あ、でも最後に出てきてちゃぶ台返しできる方っていらっしゃいますか?
いらっしゃる様でしたら、私も対策の作戦会議に混ぜてもらえませんか?
その作戦会議ってだれ巻き込んだらいいですか?

そのトークで聞きたい意図

聞きたいのはちゃぶ台返しがあるかどうかです。
お客様の多くの方が社長の決裁が通ればいけるとおもっています。殆どの場合はそうです。
しかし、それまでに横槍を入れる方もいれば、最後にちゃぶ台返しをデキる方もいます。

いけるだろうというポジティブではなく、可能な限りネガティブに、様々な可能性を考慮してもらいましょう。

すると、
あ、○○さんにも話しておいたほうがいい。と、具体的な人物が登場してくるものです。

なぜその言い回しなのか

端的に、お客様と自分がタッグを組んだチームであるというポジションを取るためです。

私も対策の作戦会議に混ぜてもらえませんか?

この言い方が我ながら絶妙で、

上席者の方を紹介してください!

という言い方だと、今目の前の方をないがしろにしている印象を持たれてしまいます。
あくまで、タッグなのです。
となれば、“一緒に”とか、“参加したいです”とか、そういったフレーズが適切なはずです。

③BANTのNのトーク例

じつは、Nが一番むずかしいです。
BANTの中で、Nだけが定性的になる可能性を持っています。

B→金額
A→個人名や会議名
T→時期
N→これだけ定性になることもありません?

その前提で僕がいつも使っているトークが、

具体的なトーク例

これって無くてもビジネス回りますよね?
現に今、ビジネスが回ってらっしゃいますもん。
それでもこのようにご検討なさった背景ってどこにあるんでしょうか?

そのトークで聞きたい意図

ちょっとむずかしい言い方をすると、Painの裏返しが解決策ではダメ。その確認をしています。

問題の裏返しが解決策がダメという考え方でもOKです。

まず、問題と課題の定義が必要なのですが、

問題=今起きている事象
課題=ありたい姿と現状(特に問題から引き起こされる)のGAPで、
今解決する必要があるもの

これを呪文のように覚えてください。

ダメな具体例で行くと、

受注した契約書の管理が紙対応で、オーダーの入力も手作業になっている
→自動化と電子化しましょう

これ、最悪です。
オーダーの入力が手作業になっている=問題
であって、課題ではありません。

例えば、ここに注釈があって、

手作業を行っているが、インターン生に対応頂いており、月額3万円で対応できている。自分たちの売っているシステムが月額10万円だ。

と言った場合、これは今すぐ解決する内容でないので、課題になりませんよね。

しかし、この場合はどうでしょうか?

手作業で入力行っており、リアルタイムな集計ができていない。それにより、経営会議で議論する時は1ヶ月前のデータで議論をしており、経営判断に1ヶ月のタイムラグが起きる。

これであれば、自動化と電子化は解決策になり得ますよね。

なので、ここで聞きたい(確認したい)のは、

お客様自身が問題と課題と解決策を分けて考えられているか。その手助けをすること。

です。

なぜその言い回しなのか

これはフレーズが丸々ポイントなのですが、

これって無くてもビジネス回りますよね
→多くのお客様は現在、ビジネスが回ってます。そのシステムやサービスが無くても回ってます。ここで、現状(問題)を把握します。

それでもこのようにご検討なさった背景
→ここで、あるべき姿を確認します。
この2つによって、現状とあるべき姿のGAPを確認します。

多くの場合、お客様自身も、問題の裏返しで考えてしまうことが多いです。
そのため、あるべき姿と現状のGAPであることを正しく再確認してもらうためのこの質問をしています。

④BANTのTのトーク例

具体的なトーク例

使い始めるとしたらいつからのご予定ですか?
→極端なことがない場合は、ちょうどよかったですね!で返答

これは、オープンに書けないので、理由をサークルに書いてます。

BANTは死ぬほど難しい

ここまでBANTの正しい理解と、
トーク例
質問の意図
そのトークである理由をざっと書いてきました。

営業のキホンで初心者向けとまで書かれていたBANTですが、簡単ですか?
僕は難しいと思っています。

また、BANTを明確に把握しているお客様って多いですか?多分少ないはずですし、誰でも知っているわけではありません。

前提として、そのサービスがいいと思ってもらうためのプレゼンがあり、
適切な人にアプローチすると、やっと教えてもらえるのがBANTです。

ヒアリング項目に頼る営業は今すぐやめましょう。

何度でも言いますが、BANTは、

お客様が買う理由と、それまでに何を確認しないといけないのか、
その整理を手助けするもの

です。

もっとお客様の目線で考えられる営業が増えたら素敵ですね。

好評なら他も書きます。

この内容は僕の営業の割と秘蔵のネタなんであんまり書きたくないのですが・・・w
MEDDIC
AP→DP→LP→SP
課題の整理
価格交渉

とか、いろいろ他にもかけるので、好評だったら定期化します。
その旨おしえてください^^


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