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『西洋風建物で雨宿りをしていたら、血を抜かれていた話。』

タイトルだけを見ると、洋館にてドラキュラに出会ったのかと思われるかも知れない。

しかし、この話にはドラキュラは勿論、十字架ニンニクも登場しない。

強いて言えば、渋谷の元スーパーキャッチと思われる人しか出てこない。

それでは内容について書いていく。

先日、井村屋あずきバーの販売50周年を記念して、期間限定発売されているこしあんバーを探し求めている記事を書いた。

しかし、近所のスーパー、コンビニでは発見する事ができず、街の大きなスーパーへと行ってきた。

そこで起きた出来事である。

皆んな大好きイオンへとこしあんバーを探し求めて行ったのだが、見つからなかった。

街まで出てきたのに見つからないのかと、うなだれて店舗を出ると、追い討ちをかけるように、ゲリラ豪雨が襲ってきた。

ちくしょう!
こしあんバーに続いて、天気まで見放してくるのか!
雨が降るなら、「今日ちょっとゲリラ豪雨しちゃうけど、傘持ってる?」って言ってくれよ空!!

もしもイオンでこしあんバーが見つかっていれば、『ショーシャンクの空』のように雨を全身に受け止め喜びを爆発させていたのだが、見つかっていない私は天気に対して、行き場の無い怒りをぶつける。

こしあんバーの売っていない、このイオンには何の用も無いのにも関わらず、傘を持っていなかった私は雨宿りの為に店へと戻ろうとする。

戻ろうとした、私の背後から「お兄さん!ちょっと今、お時間空いてますか?」と聞こえる。

何?イオンでキャッチ?
あれ?繁華街なら分からなくも無いけど?イオンで?

頭の中が?でいっぱい溢れてきたが、声の方へと振り向くと、「献血!お願い致します!」と書かれたプラカードを持った男性が立っていた。

時間は空いてるけど、こしあんバーが見つからなくて気持ちは折れてます。と伝えようと思ったが、「雨宿り中なので時間はあります」と伝える。

するとその男性は、「この雨はちょっと長引きそうですね〜、献血とかどうですか?」

この男性は気象予報士かな?と思っていると、「ただ雨宿りするより、献血すると座ってジュースお菓子が食べられますよ!どうです献血?」

そのお菓子の中にこしあんバーがあるなら、良いなぁと思っていると、「漫画とか雑誌もありますよ!どうです献血?」

「どうです居酒屋?」のようなノリで、会話の最後に毎回「どうです献血?」と言うのが、凄く気になってきた。
漫画とか雑誌何があるのかなとか考えられないくらい気になってきた。


そんな事を考えていると、プラカードを持っている男性が、繁華街で活躍していた元スーパーキャッチのように、だんだん見えてきて、ちょっと面白くなってきた。

元スーパーキャッチと思われる男性は、「コロナ禍の時は献血する人がとても少なくて、今も5類になったとは言え、献血する人が少なくてずっと困ってまして」

とても困っている事が分かった為、輸血が必要な人、元スーパーキャッチを救う為に、「時間あるので、献血します!」と伝える。

話しがとても上手い元スーパーキャッチに連れられ、献血ルームへと向かっていた。

向かっている途中も元スーパーキャッチとの会話が尽きなかった。

「イオンから出てくるお客さんが皆、ミスドの袋を持っているのを見たら、ミスドが食べたくなっちゃって」
「大根を持っている人が多いから、今日は大根の特売日かも知れないねぇ」

と話題が尽きない。

自分までミスド大根が買いたくなってしまっている。

献血ルームに着くと、その元スーパーキャッチは、中にいる人に私を引き継ぎ、持ち場へと戻ってしまった。

あぁ元スーパーキャッチと思われる人、楽しい会話をありがとう。と心の中で感謝を伝える。

献血をするに対して、問診票を書き、体重、血圧を測り、問診を受ける。

問診が終わり、待合室で待っていると割とすぐに呼ばれて採血が始まった。

テレビが付いたベッドに斜めに寝て採血が始まった。

待合室で待っている時間より、早く採血は終わってしまった。

その後、20分程休憩しなくてはいけないようで、その間ジュースお菓子が食べ放題飲み放題であった。

グリコを食べ、りんごジュースを飲みながら、るるぶ山梨を読み、シャインマスカット美味しそうだなぁと思って休んでいた。

休憩時間が終わると、何と献血のお礼として、リンゴジュースとキットカットを貰う。

献血ルームから出ると、雨はまだ降っていた。

しかしこしあんバーが見つからなくて、落ち込んでいた私の心は献血によって快晴になっていた。

献血って良いものだなぁと思い、これからも機会があれば献血をしようと思う。

ありがとう元渋谷のスーパーキャッチと思われる男性。献血の良さを教えてくれて。

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