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388 国立大学 学費100万円UP?

はじめに

中央教育審議会の特別部会で国立大の学費を3倍の150万円に引き上げることを有名私立大学の責任ある立場の方が発言したことに対して、多くの人が批判の声を上げています。
今日の教育コラムは、この発言について少しお話してみたいと思います。

私立大学が多すぎる問題

この発言の裏には、国立大学の学費が現在約年間50万円に対して私立が約100万円と2倍になっているため、教育の内容で選んでいる人も多い国公立大学ですが、授業料の価格的に差が無い状態にすることで、私立にも学生を呼び込もうという狙いがあるように思えて仕方ないわけです。
発言者はそもそも私立大学を代表する様な立場の方であるわけですからそのような見られ方をしても仕方ありません。
現在でも税金の一部が私立大学にも投入されています。国立大学も少ない予算の中で現在の学校運営をしています。一方で定員が大幅に割れている私立大学は各地に目立ちます。
また、試験もあってないようなものになっているBF大学も年々増えています。こうした大学にも助成金は投入されているわけですからむしろ、税金の無駄遣いを減らすためにも大学の淘汰を加速させていくことの方が必要のようにも思えるのです。
教育に必要なお金を集めるために学費を上げるという発想を国公立大学に当てはめることは、経済的な理由で進学をあきらめる学生を確実に増やします。むしろ必要なお金は税金で投入していくべきであり、そのためのお金は無駄な支出から回すべきだと感じます。

奨学金という名の借金

国立大学の値上げを提案している方の発言は、奨学金についても触れています。今以上に学費を上げる代わりに、奨学金の支給もより一層力を入れるという発言をしていますが、いずれにしても問題があります。
それは、奨学金は借金だからです。学校を卒業して借金を背負って社会に出ることの辛さを発言者は認識していないのかもしれません。現在の少子高齢化の一要因として大学卒業後の奨学金返済が40歳前後まで続く生活が影響しているという話がありますが、あながち全く関係ないとは言えないように思います。
国公立大学の学費を上げて、払えない人は奨学金を借りて高くても通えというのは、悪質な金融業者の手法にも近い内容にも感じます。
貧乏でも頑張って勉強すれば、学問の道で自分の夢を切り開くことができるという希望を私立大学の生き残りのために奪う行為は、どう考えても大学運営を優先した考え方の様に思えて仕方ないのです。
国公立大学は、多くの子どもたちの目標であり、将来に向けた希望でもあるのです。高い研究成果と教育機関としての質を保ちつつ様々な立場の子どもたちが、お金のことをあまり気にせずに高等教育の機会を得られることを心から願いたいと思います。

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