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423 果樹盗難を防ごう

はじめに

この時期になりますと全国各地で果樹泥棒による被害が増加します。フルーツ大国、山梨県では警察機関も警戒を高めて対応に当たっています。
今日の教育コラムでは、果樹泥棒やその被害について少しお話してみたいと思います。

地域住民にもできることを

地域の産業基盤である果樹栽培は多くの産業と結びついています。
私個人としては、毎年この時期になると収穫が落ち着く時期まで車のボンネットに下のような紙を印刷したものをクリアケースに挟んで置いておくようにしています。車で移動の際に不審な車が農場に停車していたり、深夜に果樹の収穫を懐中電灯や車両の明かりを手掛かりにしていたりするような様子が見受けられたら、果樹泥棒の可能性があります。不審な行動を強く感じたら関係機関に連絡するのも大切かもしれません。

印刷して ボンネットに置いて防犯

被害状況

果樹泥棒の被害が毎年拡大しています。屋外の農地が狙われやすく、ビニールハウスや倉庫といった建物がある場所では窃盗に遭う確率が下がるようです。しかし、広大な農地全てに網を設置して囲うというのは広さや資金などの面で難しいのが現実です。
こうした中で犯罪件数は増加しています。つまり被害額も増えているということです。その背景には、果物の高付加価値化と新たな販売ルートが関係していると言われています。

高付加価値化

日本の農業は、世界的に見ても高度な品種改良や関連研究、また時間や手間をかけた栽培方法のたまもので大変に評価が高いです。
フルーツのブランド化も進んでいます。比べ物にならないほど甘く、美味しい日本の果物は、世界各地の市場でも高いブランド力を発揮しています。
実際に中でも人気の果物である桃に関しては、1kgあたりの平均販売価格がここ数年間で900円から1,500円と約1.5倍になっています。

参考 小売物価統計調査による価格推移(外部サイト)

新たな流通ルート

近年、誰でも出品し気軽に販売できるメルカリなどのフリマアプリを利用する人が増えていますが、こうした流通ルートを用いて盗んだ果物を販売するケースが多く見られます。メルカリなどのこうしたフリマアプリを運営する会社も利用者からの通報などを活用して犯罪効果の抑制に努めています。
しかし、犯罪者の多くは、出品カテゴリを本来とは異なるものにするなど、システムの悪用を重ね、対応の網をすり抜けようとします。

経済的な困窮を理由に盗みを働く、または、農業という手間のかかる仕事などを避けて自分たちだけが楽をし、販売目前のまさに努力の果実を奪うという卑劣な行為を許すことはできません。
近年では、外国人がこうした果樹泥棒の実行犯に加担する事件も多く、海外逃亡など犯人の逮捕がより困難になっています。また、闇バイトと呼ばれるような問題とも密接に関係しており、犯罪に手を染める人間を募集し、果樹泥棒の実行や販売などを代行させている主犯格が存在しているとも言われています。
いずれにしても、農場で不審な行動を取っている人物を見つけたり、地域の人々の目で広く監視したりすることが犯罪行為に対する抑止になることは間違いありません。
多くの人に美味しい生産物を届けるためにもこうした卑劣な犯罪行為を未然に防ぐことは重要な考えだと言えます。

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