見出し画像

各事業部の取り組みを振り返り、関わるスタッフの思いを語り合う【内部事業報告会レポート2021】

各事業部の発表とスタッフの思い

ダイバーシティ工房で年末恒例の団体内事業報告会を、12月11日(土)に開催しました。
今年オンラインで集まったのは50名以上!

毎年、各事業部のメンバー勢揃いで各拠点の活動報告をする会です。
オンラインでのつながりが増えている中ではありますが、自分の働く拠点以外や他事業部の実際の日常の様子や子ども達の様子を知る機会は少ないんです。
この会では、1年を通してスタッフがどんな思いでどんな取り組みを行なってきたかを発表します。

転職して今は違うお仕事をしている懐かしい顔もちらほらと見えて、スタート直後からチャットはざわざわ。

まずは各事業部やプロジェクトごとに、4月〜12月の取り組みや拠点の様子を発表。毎年発表の数が増えていくこともあり時間厳守でどんどん進めても4時間超えの報告会となりました。

発表順は以下のとおり。

・自在塾・スタジオplus+・プラット(学習支援事業)
・読み書き教室(学習支援事業新規プロジェクト)
・無料学習教室・食料支援・居場所カフェ(アウトリーチ事業)
・ル・ポール(自立援助ホーム)
・ル・ファール(シェルター)
・おうちえん(保育園)
・むすびめキャンペーンイベント(LINE相談むすびめ)
・むすびめ地域連携プロジェクト(新規プロジェクト)

コロナ禍となってからも、これまで行ってきたことの取り組み方を柔軟に変化させながら事業を継続してきました。
また、直接関わることに制限の生まれた中でも成長していく子どもたちに必要な支援を必要とするタイミングで届けたい、繋がりが作りにくい状況でも社会との接点を途絶えさせたくない、そんな思いで新しい事業を立ち上げてきました。

修正_2020年次報告書Web用

各事業部の発表では、実際の取り組みの結果だけでなく関わったスタッフの感想や今後に向けての思いも語られます。関わるメンバーが思いを語る・みんなで聞くことがこの会の醍醐味かもしれません。

「卒業のある福祉の形や、それに合わせて地域の中での暮らしやすい環境づくりをどのように行っていけるか。当事者の声を大切に作っていく方法について最近考えている」
「私的な空間と公的な空間の間があるといいのでは?と最近考えている。自分が高校生のころには、自分にとってライブハウスがそんな存在だった。より集まりやすいカフェのような場所があったらいいなと思う」
「プラットの魅力は勉強を強制されないところ、気軽に参加できる雰囲気であること。そんなプラットを利用をするようになって、自分の気持ちを素直に話せるように変化していく生徒の姿に出会えた」
「職員同士でのミーティングの時間を作ることで、日々の保育のことだけでなく、3年後の姿を思い描くことができるようになってきた。より地域に開けた保育の拠点になるようなコミュニティを作っていきたい!」
「入居するすべての児童から『ここにいる大人は否定をしないで受け止めてくれる、ここでずっと暮らしたい』と話してくれる。大事にしてきた否定せずに受け止めるという姿勢によって、児童の安心できる居場所を作ってこられた」

などなど取り組みのまとめ発表とともに、これからへの思いが溢れんばかり。

発表したのは、事業部の責任者やプロジェクトリーダー、現場で子ども達のことをよく見ている大学生インターンなど、それぞれの発表に合う人が担当。
自分の取り組みを他者に話す機会があることで、新しい視点での感想をもらえたり、発表する人にとっても新しい気づきを得られたりする時間になりました。

「去年発表できるようになりたいとチェックアウトで話をしたのを思い出した。今回発表することができたのは、1年をかけて成長できたことかなと思う。」という感想もありました。

生きづらさについて答えのない問いを考える時間

そしてこの会で大事なのがグループワーク!
今回のテーマは、この一年間を通してよく耳にしむすびめのキャンペーンでも問いかけた「生きづらさ」について。

スクリーンショット 2021-12-16 16.05.16

事前のアンケートで考える時間も作りながら、当日は当日で思ったことを話す場にもなっていきました。子ども達が社会を生きていく中で、また私たちが生きている社会の中にどんな違和感があるかを少しずつ言葉にしていく時間になりました。
こうして、今を見つめ直すことで、自分たちの取り組みがどこにつながっていくのかを考えることにつながっていきます。

実際には言葉にしきれないこともたくさんあり、単純なことではないなと日々思います。こうして仲間とともに話をしたり考えたりする時間を作ることで、そのときに見えている景色を解像度をあげて他者と共有し考えるきっかけになるのだろうなと感じることも多くあります。

「具体的にどの事業ということではないですが、「選択肢がない」「選べない」ことは生きづらさだと思います」
「最大限がんばっているのに、そのことを理解してもらえない。どうしたらできるのかがわからずに失敗が続き自信がなくなる。自分が思う普通が普通じゃないこと」

子ども達や子育て世代と直接関わる中では、子ども達の成長と保護者の方の頑張り、それぞれのいいところもたくさん見えているのに、社会に出た瞬間に認められないことに悔しさを感じるスタッフも多くいます。

常勤職員だけでなく、リモート勤務でのスタッフ、インターン生も含めて、関わるすべての人がこの問いに向き合い、一緒にどうしたらいいかを相談できる相手がいる。
それが、私たちがそれぞれの活動において社会に対しての絶望を感じる前に、自分たちにできることを日々考える強さになっているかもしれません。

現場で日々働くからこそ見えるものがあり、共有できる気持ちがあるといつも感じます。
決して机上の空論にはならないこと、難しさや不安を共有できる仲間がいることを感じられる、そんな時間が支援の仕事をする上でとても必要だなと思いました。

多様性の形を体現する対話の姿

チェックアウトでは、それぞれが思い思いの感想をシェアする時間。

「どの事業もそれぞれ対象は違くても、目指すところは一緒だなと感じた」
「いろんな人の話を聞いて、目的やなんのためにやっているのかを改めて考えることができた」
「一緒に働くいろんな立場の人の話を今日聞いて、自分が子どもの時にこういう大人に会いたかったなと思った」

そんな素直な気持ちを話してくれるメンバーとそれを聞いて頷くみんな、という構図は工房あるある。

「グループワークで話題になった事業部を横断したイベントの取り組みなどを10周年に向けてやってみたい!」
「いろんな考え方や価値観がある中でつながっていけることが大事で、これからも話し合いながらいろんなことをやっていきたい」
「自分の生きづらさにぶつかる時に、それはなんのため?と考えることができているか。自分が考えていることの先に子ども達がいるかを忘れずにいたい」

今後やってみたいこと、自分がこの先工房で何をしていきたいのかを考えた時間だったというメンバーも。

「現場でたくさんの人が活動する中で、自分のできることは人と人を繋いでいくことかなと気づいた時間だった」
「各事業部でそれぞれが全力で取り組んでいるからこそ、工房が成り立っているんだなと知ることができた。その一員として一緒に活動できることが嬉しい」

いつもは一緒に仕事をしない人とも話をしたり、発表を聞いたりしたことで、自分のできることを改めて振り返る時間にもなりました。
「パートナーさんをマイハニーと呼んでいたのが一番記憶に残りました!」とオチをつけて話してくれる方もいて、終始和やかな雰囲気の時間でした。

和やかな中にも「一緒だね」という共感だけでなく、「自分は少し違うと感じた」という気持ちを話すことができて、それを一度ひとつのプールに投げて共存する状態を大事にしながら一緒に取り組む方法を考える。
きれいでポジティブなだけではない多様性とは何かを、現実社会と照らし合わせながら自分たちで体現していける組織に近づいているような気がしました。

スクリーンショット 2021-12-27 20.52.12

\2021年もありがとうございました!/

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからも、活動を継続してまいりますので、応援したいと思ったら、ぜひ「スキ」のボタンをポチッと押していただけると、励みになります! サポートをいただけることも、とっても嬉しいです。