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あの高検出率を誇るKasperskyがLinux用のウィルススキャンソフト『Kaspersky Virus Removal Tool』を無料公開

ウィルス対策ソフトについて

突然ですが、Linuxを使われている方、セキュリティ対策はどのようにしていますでしょうか?
ウィルス対策ソフトを導入している?
利用者が少なく狙われにくいので、ノーガードで十分?
いろいろな考え方があるかと思いますが、何かしらのセキュリティ対策を行うほうが良いのは誰でも理解できることかと思います。
けれどLinuxで、これといったセキュリティソフトはパッと思い浮かびません。
Windowsだったら、OSにバンドルされているWindows Defenderの他、ウィルスバスター、Norton、マカフィー、ちょっとマイナーなところでソースネクスト等々、他にもフリーで提供しているものも含めれば、かなりの数があります。
今はWindows Defenderがかなり優秀なので、個人での利用ならば、ちゃんとWindowsアップデートと定期的なスキャンをするだけで十分と自分は考えています。
WindowsXPやVistaの頃は、Windowsにもともと入っているセキュリティ対策機能では、十分ではなく、どのウィルス対策ソフトを導入すべきか悩んだりしました。当然、ウィルスやマルウェアの検出率の高さを優先すべきなのですが、ウィルス対策ソフトをインストールし、スキャンを実行すると動作がかなり遅くなるため、ソフト自体の軽さも重要な要素になったりします。価格も重要で、個人で購入するには結構お金もかかります。なので、当時は軽量で価格も安く、ずっとアップデートしてくれるソースネクストのセキュリティ対策ソフトが売れていたように記憶しています。ただ、検出率に関しては当時は下から数えたほうが良いレベルの製品だったんですけどね。それなら無料のAviraやAVGを入れたほうが良いんですけど、無料だと心配なんでしょうか。それとも単にフリーソフトで提供してくれているものがあることを知らないだけかもしれませんが。

ソースネクストのウィルスセキュリティZERO(写真は令和6年6月時点の製品)

また、ウィルスバスターも人気がありましたね。検出率はそこまで高くなかったような気もしますが、CMや雑誌広告を多く出していたおかげかも知れません。ただ、インストールしているウィルスバスターそのものが、やたらポップアップで広告を表示したり、誤った定義ファイルを配信し、パソコンに被害を与えたこともあったりなど、良い印象はありません。
後者に関しては故意ではありませんが、ウィルスバスターの広告表示に関しては、「ちゃんと購入してくれた方に対して、ポップアップのプログラムを走らせ、リソースを消費させることはするなよ」とか思っていました。

ウィルスバスター(写真は令和6年6月時点の製品)

そんなWindowsXPやVistaの頃のセキュリティソフトの群雄割拠時代、ウィルスバスター、Norton、マカフィーの3つの勢力が強かったように記憶しています。中でも自分はオンラインで無料の検出ツールを公開してくれていたマカフィーが好きでした。

マカフィー(写真は令和6年6月時点の製品)
ノートン(写真は令和6年6月時点の製品)

そんな中、とあるパソコン雑誌で特集されていた検出率ランキングでトップを飾っていたのがKaspersky(カスペルスキー)でした。
パッケージの色も、赤や黄色の警告色ではなく、深い緑のパッケージなのが少し異質でした。

カスペルスキー(写真は令和6年6月時点の製品)

自分は使ったことは無かったので、使い勝手や軽快さに関しては分かりませんが、検出率の高さだけは印象に残っていました。

Kaspersky公式のポスト

さて、繰り返しになりますが、ウィンドウズには様々なウィルス対策ソフトが存在していますが、Linuxにはコレといったセキュリティソフトはありません。自分はClamavというソフトを紹介したことがあるのですが、日本語環境で使うには若干のファイルの修正が必要になったり、サポートや検出率に関してはどの程度のものか不明です。

そんなウィルス対策ソフト難民の状態が続いていましたが、令和6年5月31日、Kaspersky公式が、Xで次のようなポストを行っていました。

Kasperskyの公式ポスト

Linux 用ウイルス駆除ツールのご紹介です。
当社の無料アプリケーションは、Linux システムをスキャンして既知のサイバー脅威を駆除し、マシンの安全性を確保します。

Kasperskyの公式ポストより(日本語翻訳)

なんと、あのディフェンスに定評のある…ではなく、検出率の高さで定評のあるカスペルスキーが、Linux用のウィルス対策ソフトを無料で公開したとのことです。これは利用しない手はありません。
製品へのリンクは次のとおりです。

なお、製品のページに、Windowsパソコンでアクセスした場合、Windows用のソフト「Kaspersky Virus Removal Tool for Windows」が表示されますが、「SHOW OTHER PLATFORMS」と書かれてあるボタンをクリックすれば、Linux用のソフト「Kaspersky Virus Removal Tool for Linux」が表示されます。

WindowsのPCで表示されるページ

使い方

準備

「kvrt.run」というファイルがダウンロードされます。ちなみに今回自分がこのソフトのインストールを試すLinuxは、ZorinOSです。

kvrt.run

まず、実行権限を付与します。「kvrt.run」ファイルを右クリックしてプロパティを選択し、「アクセス権」のタブを開きます。

アプセス権のタブ

“アクセス”の項目を“読み書き”に変更します。

“アクセス”の項目を読み書きに変更

スキャン実行

そして、「kvrt.run」ファイルを選択し、右クリックから“プログラムとして実行”をクリックします。

“プログラムとして実行”をクリック

ライセンス契約に関するウィンドウが表示されるので、すべてのチェックボックスにチェックを入れて、「Accept」ボタンをクリックします。

ライセンス契約

そして、次の画面で、「Start scan」ボタンをクリックすると、スキャンが始まります。

「Start scan」ボタンでスキャン開始

なお、“Change setting”のリンクをクリックすると、スキャンする対象を変更が出来ます。フルスキャンしたい場合は、すべてのチェックボックスにチェックを入れてください。

スキャンする対象をチェック

スキャンが完了すると結果が表示されます。そしてdetailのリンクをクリックすると詳細が表示されます。

スキャン結果
詳細画面

ここまでが一連の流れになります。インストールを行う必要はありません。単に実行するだけで、スキャンしてくれるので、とても楽ですね。

最後に

今回は、Linuxのウィルス対策ソフト「Kaspersky Virus Removal Tool for Linux」について、紹介させていただきました。
Linuxにおけるウィルス対策ソフトに関しては、今までこれという代表的なソフトはありませんでしたが、今回、カスペルスキーが無料で公開ししてくれたので、ようやくコレを入れたほうが良いといえるものが出来た感じです。
今後継続して無償公開され続けるものかは不明ですが、現時点ではこちらのソフトをオススメしたいと思います。

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