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夫婦でも同居人としてのルール・マナーを守る『不機嫌な妻 無関心な夫』【無料公開#4】

シリーズ累計35万部突破の『察しない男 説明しない女』や10万部突破の『話し方で損する人 得する人』など、コミュニケーション本のヒットを生み出してきた五百田達成さんの最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』を11月20日に発売することとなりました。その最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』の一部を無料公開します。

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夫や妻に対して、実家の家族のように甘えないためには、相手を「シェアハウス仲間」だと思ってみるのが効果的です。

別居婚の夫婦もいるかもしれませんが、大半の夫婦は一つ屋根の下で生活を共にしているはず。
夫婦という関係は「好きになった相手」や「家庭を運営するパートナー」という面以外に、「同居相手」という側面も強いのです。

基本的にシェアハウスには、居住者同士が気持ちよく過ごすための決まりがあります。
風呂・トイレの掃除は当番制、各自の友達を泊めるのは禁止など、ルールがありますし、夜中に騒がない、顔を合わせたら挨拶をするなど暗黙のうちに決まっているマナーもあります。

普段は意識していないかもしれませんが、夫婦にも、夫婦ならではのルールやマナーがあるでしょうし、またあってしかるべきです。

たとえば僕は、結婚して妻と一緒に住むようになって初めて、ニンニク臭を家で漂わせるのは、どうやらマナー違反なのだと気づきました。

夫婦で一緒にニンニク料理を食べて、ふたりでニンニク臭をまとうのなら問題はありません。でもどちらか片方が外でニンニク料理を食べて帰ってくると、食べていないほうはその臭いが気になる。

もちろん「そんなの全然OK」という夫婦もいるでしょうが、我が家ではお互いに気になる。以来、僕のなかでは(なるべく)一人でニンニク臭をプンプンさせて帰らないことが一つのマナーになりました。

同時に、大学生の頃ニンニク臭をまとって実家に帰ると、翌朝、母親が「臭い!」と言いながら窓を開け放っていた光景を思い出しました。そんな母親の言動を僕が1ミリも気にしなかったのは、家族に対する甘えがあったからでしょう。

このように、夫婦の関係を「同居人」という点で見てみると、ふたりの間にあるべきルールやマナーに気づきやすくなります。

だらしないのではなく、マナーがなっていないだけ

また、相手をシェアハウス仲間だと思うと、相手の行動を冷静に受け止められるというメリットもあります。

たとえば夫や妻がリビングを散らかしてなかなか片付けないとしましょう。そんな相手に対して「だらしないな」と思いイラッとしてしまう。「なんでこんなに散らかすんだよ!」「どうして片付けないの?」と感情のままに相手に言葉をぶつけてしまうこともあるでしょう。

ですが相手をシェアハウス仲間=同居人だと思えば、「マナーがなっていないだけだな」と思えます。

そして相手への文句の言い方にも当然マナーがあってしかるべき。シェアハウス仲間が相手なら、「なんでこんなに散らかすんだよ!」と、感情をあらわにはしないでしょう。

少し遠慮しながら「リビングは片付けておくルールだったよね?」などと言いますよね。それは適度に距離を置いたシェアハウス仲間ならではの、コミュニケーションマナーです。

夫婦だからといって何をしてもいい、何を言ってもいいわけではありません。むしろ夫婦だからこそ、言動には気をつけなければならない。

夫婦を「他人」と思うのに抵抗がある人は、まずはシェアハウス仲間ぐらいの距離感から始めてみましょう。

POINT 夫婦はシェアハウス仲間。マナーを守る


著者紹介

五百田達成 (いおた・たつなり)

作家・心理カウンセラー。 米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。 東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。 専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。 「スッキリ!!」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。 著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ70万部を超えている。

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