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効率優先主義の人が陥りがちな落とし穴とは? 【「残業沼」脱出、AI分析でわかった時短術No.02】

「業務効率をあげないと」
「タスクの処理が遅くて今日も残業」
多くのビジネスパーソンが抜け出せずに苦しむ「残業沼」。
このマガジンでは、シリーズ累計15万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』著者の越川 慎司氏に、残業沼から脱出する方法を学んでいく。

※記事中の用語説明
5%社員=各社で人事評価上位5%の社員
95%社員=5%社員以外の一般社員

53%の人が「効果より効率を上げよう」と考えている

「仕事をするうえで効果と効率のどちらを優先させますか」という質問に対して、95%社員の53%が「効率を重視する」と回答しました。
つまり、半分以上が仕事を効率的にこなすことを目指しているのです。
たしかに、働き方改革の影響で「早く仕事を終わらせなくてはいけない!」というプレッシャーが高まっています。
また、夜遅くまで働いて苦労していることをアピールしても評価されないので、残業時間を少なくして仕事をこなすことに価値を見出している人が増えています。

しかし、極端なことを言えば、効率だけを目指すのは本末転倒です。やらなくてもいい仕事を効率的にこなしても、成果につながらないからです。
また、重要度の高い仕事にあまりエネルギーを注がないで軽くこなせば、本来の目的が達成されず、成果から遠のきます。

5%社員は「効率」という言葉に疑問を呈しており、「何でもかんでも短い時間でやればいいわけではない」と発言していました。完璧な効率主義者かと思ったら、「効果優先主義」だったのです。
「効率を重視する」と答えた5%社員は、なんと21%しかいませんでした。
その理由について尋ねたところ、最も多い発言が「目的」「達成」「無駄」でした。
AI分析(テキストマイニング)によると、「目的」と「達成」の出現度はほぼ同じで、「無駄」の前には否定の言葉がつくパターンが多くありました。
つまり、「仕事の目的が明確であり、その仕事に達成すべき目的がなかったら、効率重視で仕事に取り組んでも無駄だ」という回答が最も多かったのです。
たとえば、早く登ることだけを考えて、頂上を見定めずに山道へと駆け出しても山頂に着くことはできません。
5%社員はこうしたことを、効率ばかりを重視することのリスクとして感じているようです。

5%社員は効率化を「手段」だととらえる

5%社員は初動が早く、業務遂行能力も高いのですが、最初のステップである「明確な目標を持つこと」を重視すると同時に、「明確な目標がないこと」への危険性を深く理解しています。
最短距離の仕事術を実践するのはあくまでも成果を出すためのプロセスであって、目的とは考えません。
5%社員のその考えは、個人的な活動にも反映されています。たとえば、仕事術の本を読むときは、それが自分の成果につながらないものなら、読み飛ばしていました。

効率を高めることは、「手段」だと考えるのが5%社員です。
仕事効率を高めることを目的にしてしまうと、達成すべき目標を見失ってしまい、効率が高いのにいつまでも頂上につかないという悪循環に陥ってしまいます。

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シリーズ第3作、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』が5/27日から発売開始しました!
このマガジンを読んで少しでも興味を持った方は是非読んでみてください。

著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
株式会社レビルソーク 代表取締役
株式会社キャスター 執行役員
国内通信会社および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員として最高品質責任者やPowerPointやExcelなどの事業責任者など歴任。2017年に改善活動のコンサルティング会社 株式会社クロスリバーを起業。ITをフル活用してメンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
のべ800社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら”自分の時間”を増やしていく「働き方改革」の実行を支援。2018年から1000名以上のほぼ全員がフルリモートワークの株式会社キャスター執行役員と兼任。
著書18冊。『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか』(KADOKAWA)など。

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