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週に1回、15分の○○が時短のカギ!才能に頼らずに成果を上げるための習慣【「残業沼」脱出、AI分析でわかった時短術No.03】

「あいつはいつも定時に上がっていてすごい。」
「自分には仕事のセンスがない。」
多くのビジネスパーソンが抜け出せずに苦しむ「残業沼」。
このマガジンでは、シリーズ累計15万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』著者の越川 慎司氏に、残業沼から脱出する方法を学んでいく。

※記事中の用語説明
5%社員=各社で人事評価上位5%の社員
95%社員=5%社員以外の一般社員

最も効率が高いときは「成果につながらない業務をやめたとき」

「仕事の効率が高い」の捉え方は、人によって違うことがわかりました。

多くのビジネスパーソンは、説明資料や報告書の作成時間をより短くしようとします。定量的に見れば、時間かかる仕事を8時間で終わらせることができれば、効率が高いと言えるでしょう。

しかし、5%社員は、これは本質的な時短ではないと捉えていました。

5%社員は、作業充実感に浸ると目的を見失う危険があると心得ているので、目的なき時短には価値を見出しません。

「作業効率」という言葉自体の定義をクリアにしないと、成果につながらない作業をすることに充実感を覚え、長時間労働から抜け出せなくなると考えているのです。

5%社員は、「作業は必ず目的を明確にしてから」を鉄則にしています。その作業の必要性を確認し、必要最低限のプロセスを描いてから、作業を開始します。

5%社員に「仕事効率が高いとき」についてインタビューしたところ、「最も効率が高いと感じるのは、成果につながらなかったり、目標達成にインパクトを与えなかったりする作業をやめたとき」だと答えていました。たしかに、そもそもその業務が不要であれば、8の地点からスタートしたとしても、結果は0にしかなりません。


一般社員は仕事の効率を「才能」で決まると思っている

5%社員はローリスク・ローリターン戦術をとるので、成果をコツコツと積み上げます。効率の観点でいうと「必要ないものをやめること」に注力し、必要のない作業にかける時間をゼロにしようとします。

そして、目標達成にインパクトを与える作業にエネルギーを使っているのです。

では、「インパクトを残せる作業を見抜く力」と「必要な作業の処理時間を短くする力」、この2つの力はどうしたら身につくのでしょうか。

その手段について、95%社員の67%が「センス=先天的な才能」と答えていて、愕然としました。つまり、この力は後天的には獲得できないと思っているのです。

センスや感覚は、たしかに再現が難しいものです。

しかし、成果につながる仕事の見極めができないのは、能力がないからではなく、やり方を知らないからです。


インパクトのある仕事を見分けるための5%社員の習慣

たとえば、働く時間の6割以上を費やす社内会議や資料作成、メールやチャットの処理は成果につながるかどうか、その作業中はわかりません。

そこで5%社員は、定期的な内省を通じて、成果につながったかどうかを必ず確認しています。それが、週に1回15分の内省です。

この確認作業で、「重要ではない」と判断した仕事には時間とエネルギーを費やしません。

たとえば、重要でなくてもチームワークを維持するためにどうしても出席すべき会議には、当たり障りのない範囲で、重要な仕事を進めながら参加していました。生産性の低い会議を「副」、重要度の高い仕事を「主」と区分して、マルチタスクを実践していたのです。

こうして内省を習慣にすることで、成果につながらない仕事の見極め力を磨き、仕事にメリハリを持たせていました。

この方法は、5%社員でなくても再現できる、ちょっとしたコツです。

見えない不安のための作業時間が増えていないか振り返ってみましょう。


新刊好評発売中!

シリーズ第3作、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』が5/27日から発売開始しました!
このマガジンを読んで少しでも興味を持った方は是非読んでみてください。

目次

第1章:なぜ、24時間があっという間なのか?
94%の人が「時間がない」と感じている
74%の人が「働き方改革=残業削減」に反対してい
67%の人が「残業が多いのは上司のせいだ」と感じている
53%の人が「効果より効率を上げよう」と考えている
45%の人が「努力で何とかなる」と思っている

第2章:よかれと思ってやってしまう逆効果の時間術
「しっかり管理すればしっかり成果が出る」と信じている
「仕事効率は才能で決まる」と思っている
「重要そうな情報を集めたほうがいい」と思っている
「とりあえずショートカットキー」と思っている
「自分の経験と知識で考えよう」と思っている
[ Column ] 5% 社員は英語を勉強しない

第3章:95%の人が知らない5%社員の意外な時間術
ランチをとらない
積極的に「ため息」をつく
「ローリスクローリターン」を積み重ねる
情報収集の時間は一日5分以内
作業途中でも一度手を止める
時間の余裕は、気持ちの余裕からつくる
「情報」は「洞察」に変えないと人を動かせない
メンバーを巻き込んで早く作業を終わらせる
やる気が削がれることは仕事から排除する
机の上に飲み物を置かない
贅沢キーボードで時短する
「ちょっと外出」で生産性を上げる
[ Column ] 5 % 社員がカバンと靴に投資する理由

第4章:残業沼から抜け出す「ちょいスイッチABC」
95%社員と5%社員は何が違うのか? 
トップ5%社員の6つの特異点
トップ5%社員の時間術を「ちょいスイッチABC」で再現する
ちょいスイッチA(Accept) 過去の浪費を受け入れる
ちょいスイッチB(Build) 行動を早め、継続する仕組みをつくる
ちょいスイッチC(Concentrate&Continue) 集中して継続する

第5章:残業沼から抜け出す 「ちょいスイッチABC」を実践!
ちょいスイッチA「過去の浪費を受け入れる」を実践
作業時間と思考時間を分ける/アウトプットを先にする/時間の使い方を計画ではなく企画する/成功確率アップより失敗確率ダウンを目指す
ちょいスイッチB「行動を早め、継続する仕組みをつくる」を実践
すぐに作業できる状態を整える/「やめること」を決める/やめる基準の「チェックポイント」をつくる/メモのすごい効能を日常に定着させる
ちょいスイッチC「集中して継続する」を実践
丁寧で遅い仕事をしない/「悩む心配する時間」を減らす/投資対効果を考えて、せっかちにならない/自己否定は「妄想」であることを知る
[ Column ]5% 社員はなぜ野球よりラグビーが好きなのか

第6章:明日から定時で帰る「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 個人編
時間管理
金曜に「大きな仕事」を2つ書き出す/45分単位で仕事をこなす/報酬を声に出して言う/「承認」される仕組みをつくる
自制心コントロール
アナログ時計で逆算思考を促す/行動目標と締め切りを周囲3人に宣言する/週に1回トイレ掃除をする
集中力アップ
ヘッドホンを活用する/通知設定を変える
インプット
文字を手書きする/音声入力をマスターする/自動校正を活用する/散歩しながら本を聴く/倍速再生機能を活用する
アプトプット
3秒の沈黙を避ける/3秒ジェスチャー3選

第7章:チームで時短する「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 組織編
最強の巻き込み力
「フットインザドア」で依頼する/自走するチームが実践する5ルール/会議時短3アクション
誤解を避ける意思伝達
承認サンドイッチ作戦/上手に断る3つのテクニック/相づち&共感コメント7選/相手のメリットを事前に5分考える
プロジェクト推進
1チーム5人で活動する/刺激し合う仕組みをつくる/逃げ道をつくっておく

あとがき


著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
株式会社レビルソーク 代表取締役
株式会社キャスター 執行役員
国内通信会社および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員として最高品質責任者やPowerPointやExcelなどの事業責任者など歴任。2017年に改善活動のコンサルティング会社 株式会社クロスリバーを起業。ITをフル活用してメンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
のべ800社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら”自分の時間”を増やしていく「働き方改革」の実行を支援。2018年から1000名以上のほぼ全員がフルリモートワークの株式会社キャスター執行役員と兼任。
著書18冊。『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか』(KADOKAWA)など。

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