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夫婦間ではアドバイスではなく「大変さ」を共有するのが正解『不機嫌な妻 無関心な夫』【無料公開#10】

シリーズ累計35万部突破の『察しない男 説明しない女』や10万部突破の『話し方で損する人 得する人』など、コミュニケーション本のヒットを生み出してきた五百田達成さんの最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』を11月20日に発売することとなりました。その最新刊『不機嫌な妻 無関心な夫』の一部を無料公開します。

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「今日忙しくて、夕飯手抜きになっちゃった」
「一生懸命やろうとするからいけないんだよ。簡単なものでいいし」
「……」

「今日、ランチ食べ損ねちゃってさ。午後の会議、腹減ってキツかったー」
「無理してでも食事だけはちゃんととったほうがいいよ」
「……」

夫婦の間で話されるちょっとした愚痴や悩み事。返事したほうには悪気はない。でも返事されたほうはなんだかムッとする。これもまたありがちなパターンです。

なぜムッとしてしまうかというと、返事が「アドバイス」になっているから。
アドバイスというと聞こえはいいですが、実際は「考えの押しつけ」であったり、上から目線の指図だったりします。

人は基本、頼んでいないアドバイスをされると、「わかってるよ!」と嫌悪感を覚える、と思っておくべき。ちなみにこの場合の正解は「大変だったね」「腹ぺこのまま会議はキツいねー」などの共感を示す受け答えです。

長年一緒にいる気心の知れた夫婦ほど、つい相手にアドバイスをしたくなるかもしれません。よかれと思って。親身になろうとして。でもそれらはすべて「圧」「ノイズ」になる場合も多いのです。

「何かいい方法ないかな?」
「どうしたらいいと思う?」

相手がこのように「アドバイスをください」と明確に意志表示してきて初めて、ようやくひと言ふた言アドバイスするぐらいでいいでしょう。
何か言いたいときは、アドバイスではなく「選択肢を提案する」形にすると角が立ちません。

「毎週月曜は、夕飯手抜きの日と決めちゃうっていう手もあるよね」
「いつも栄養バーを鞄に忍ばせておく、とか?」

そして最後に、「といっても、まあ難しいか」と共感の言葉を付け加えられれば完璧です。ここまですればカチンとくる人はいません。

「聞いてほしいだけなんだけど」と、前もって言う

いっぽう、愚痴を言うほうにも気をつけるべき点はあります。
ちょっとした愚痴なのに、「ああしろこうしろ」と言われるとむかつくのであれば、そうならないよう事前に言うべきです。

「ちょっと愚痴言っていい? あ、でも、アドバイスはノーサンキューでお願いします」「ただの共有で話すから、あれこれ言わないでくれる? ごめんね。あのさ〜」

そんなのわざわざ言葉にせずとも察してほしい。そう思うかもしれませんが、それこそが夫婦の会話のトラブルの原因、諸悪の根源。「思ったこと」はすべて口にしていく、くらいがちょうどいいでしょう。

POINT アドバイスは頼まれたときだけ


著者紹介

五百田達成 (いおた・たつなり)

作家・心理カウンセラー。 米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。 東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。 専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。 「スッキリ!!」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。 著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ70万部を超えている。

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