見出し画像

【一部公開】時間がない人が学び続けるための知的インプット術

10月に発売した『時間がない人が学び続けるための知的インプット術』
「まえがき」や「時間の作り方」「読むべき本の選び方」「新聞・雑誌の読み方」から一部をnoteで公開していきます。
ぜひ、この機会にご一読ください。

まえがき 自分の市場価値を高めるために

日本経済については、一昔前のようなデフレ状況からは脱することができたとはいえ、依然として、全般的にはあまり活気が感じられない低温状態が続いています。

また最近は、これまで日本企業が頼りとしてきた中国経済にも一時のような勢いがなくなり、相当かげりが見えるようになってきました。
特にトランプ政権が誕生してからは、米中貿易摩擦が激化したことによって、中国経済だけでなく世界経済全体の成長が鈍化し、不確実性も一層色濃くなってきました。

こうした中、ビジネスマンの生活も、今や企業で成果主義や能力主義が定着したこともあり、
古き良き時代のように、年功序列で毎年自動的に給料が上がるということも夢物語になってしまいました。
企業業績については、各企業の経営努力もあり、全般的には、そこそこ堅調を維持しているようですが、今後については、特に中国経済の不確実性が増していることから、厳しい状況になることも十分考えられます。

そうした状況を考えると、企業は今後も引き続き、ヒト、モノ、カネという主要経営資源について、一層の効率的運用と合理化を推し進めていくことが予想されます。

それは、今後ビジネスマンがますます厳しい状況に置かれる可能性があることを意味しています。

このような厳しい状況に打ち勝って、ビジネスマンがやりがいのある充実した人生を送るためには、
今よりも能力を向上させて、自分自身の市場価値を高めていく以外に方法はありません。
現在のように、何事も猛スピードで陳腐化していく時代にあっては、一瞬でも立ち止まっていては、取り残されていくだけです。
今後は、企業もますます少数精鋭主義に徹していかざるを得ないことを考えると、社員一人ひとりが、どれだけ能力を向上させることができるかが、企業の盛衰を決定づけることになるでしょう。

それだけに、企業が求める人材も、以前のように、
「全般的に能力が高く性格がよい人」ということから、
「多少性格的には難点があっても、能力的に非凡なものをもっている人」という方向に急速に変化しています。
つまり、「どのような人なのか」という人柄重視から、「何ができる人なのか」という、能力や実力重視の時代になってきたということです。

しかし考えようによっては、こうした「能力主義の時代」の到来は、ビジネスマンにとって厳しい時代であると同時に、大きなチャンスの時代であるとも言えます。
これまでは、いくら頑張っても年功序列の壁を打ち破ることは難しかったのですが、今や、個人の能力や実力次第で、その壁を打ち破ることが可能になってきたからです。
そこで、これまで以上に重要になってきたのが、自分の能力や価値を高めるための勉強です。

本書では、このように、厳しいと同時に大きなチャンスの時代に生きるビジネスマンの方々に対して、どのように勉強すれば自分自身の能力と価値を高めることができるか、その方法について書きました。

具体的には、
① 時間の作り方
② 読むべき本の選び方
③ 新聞・雑誌の読み方
というビジネスマンにとって、最も重要で関心が高いと思われる三つのことに焦点を絞って詳述しています。


これまでにも、ビジネスマンのための勉強法に関する本は数多く出版されてきました。しかし、そうした本のどれを読んでも、時間に追われる毎日をすごすビジネスマンには、何か違和感を覚えたり、あまり現実的ではないと感じたりすることが多々ありました。
おそらく、そのように感じた理由の一つは、そうした本の著者の多くが、学者や評論家などといった、基本的には勉強することを職業とし、勉強のための時間を作り出すことについては、あまり気にする必要のない方々であったからではないかと思います。

そこで本書の執筆にあたっては、皆さんと同じビジネスマンとしての立場から、どのようにすれば勉強のための時間を作り出すことができるのか、また、そうした時間を利用して、どのような方法で本や新聞・雑誌を読んでいけばいいのか、といったことについて、できるだけ具体的な事例や方法を挙げて説明するように心がけました。

本章の第1章で、まず時間の作り方について取り上げたのは、ビジネスマンにとって、何をどのような方法で勉強するかということ以前に、時間をどのようにして作り出したらいいのかということが、何よりも切実な問題だと考えたからです。

もちろん、個人によって、それぞれ家庭環境も、知識量も、性格も、勉強の必要性も、興味ある分野も、まったく違いますので、万人に当てはまる勉強法があるわけではありません。
その意味では、本書についても、その内容が読者の皆さんすべてに適しているなどと言うつもりはありません。
ただ、毎日、会社での仕事に追われ、経済的にも、時間的にも、余裕のない毎日を送っている同じビジネスマンの一人として、皆さんと同じ土俵で悩み考えることができたのではないかと思います。

今後、皆さんが勉強をされていく上で、本書が少しでもお役に立つことができるならば、筆者としてこれにすぎる喜びはありません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?