【プロジェクトストーリー】『はるなつふゆと七福神』カバー替えオーディション #ディスカヴァー
本日12/2(水)発売となった『はるなつふゆと七福神 オーディションカバー版』。この本は少し変わった経緯で生まれました。
今回はこの企画を実施した理由や発売までのプロセスを、マーケティング担当の岡本がお伝えしていきます。
はじまり:読者の皆さんと「一緒に本をつくる」
今あらゆる企業がお客さまとオープンにコミュニケーションを取ることを求められています。私たちディスカヴァーも、読者の皆さんに身近に感じていただける出版社になりたいとさまざまな施策を進めています。
出版という仕事は、分野の第一人者の知見を分かりやすく、多くの方のお役に立てるカタチに編集しお届けする仕事。どうしても一方向になってしまいがちな側面があります。
そんな中でもより多くの方の声を反映して「一緒に本をつくる」ことができないかと考え生まれたのが本企画「カバー替えオーディション」でした。
カバー替えオーディションとは
『はるなつふゆと七福神』のカバーデザインを一般公募したデザインコンペ。最優秀作品は商品化して期間限定販売。プロ・アマ問わず誰でも参加可能。
詳細はこちら> https://d21.co.jp/news/event/53
※受付は終了しています。
大切にしたこと:フラットで、オープンであること
応募条件はなし。チャレンジしたい人なら誰でも参加いただけるようにしました。応募の際の提出物は作品と作品コンセプト、ペンネーム、連絡先のみ。経歴やポートフォリオなどの項目は設けませんでした。
ディスカヴァーはもともと「著者発掘のディスカヴァー」と言われるほど、人気著者さんの第一作目を多く出版してきた歴史があります。新しいコンテンツ・クリエイターを常に求めている会社です。実績や経歴に影響されないで、純粋にステキな作品と向き合えるようにしました。
募集・告知・選考すべての過程において、「厳正に」という言葉に偽りなくフラットに、そして、物理的に「すべてを」というわけにはいきませんが、できる限りオープンにプロジェクトを進めました。詳しくはこの後ご紹介していきます。
募集開始:告知先は広く、フラットに選ぶ
プレスリリースや公式アカウントからの情報発信に加えて、クリエイターさんが見ていそうなコンペ情報サイト、また美術系大学・専門学校などにお知らせをお送りしました。
「プロ・アマ問わず誰でも」と言いながら、偏った場所にしかお知らせしていないというのではそれはフラットではありません。できるだけ広く知っていただけるよう心がけました。
それでも、締め切り後に「知らなかった」「参加したかった」の声をいただくこともあり、今後の課題として受け止めていきます。
応募続々:真摯な想いに応える責任
募集期間は7週間ほど設けました。募集をスタートすると沈黙の数週間が訪れます。こういう企画はどうしても締め切り間近に応募が固まるもの。それまでの間はジリジリとした不安との戦いです。「本当に応募があるかな」「応募ゼロだったらどうしよう…」と毎日頭をよぎります。
初めの応募があったのは締め切りまで3週間ほど残した日でした。とってもステキな作品で、プロジェクトメンバーみんなで上を下への大騒ぎでした(実際には全員リモートワーク中なので入り乱れるようなことはないのですが、そんな雰囲気を全員で味わいました)。とても嬉しかったです。
そこからは続々と応募が届きました。
作品はもちろんコンセプトもすべてしっかり読ませていただきました。どれも書籍への愛情や熱量を感じるものでした。受け取るたびに「応募いただいた皆さんの想いにしっかり応えなければ」という責任を改めて心に刻みました。
参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
選考:多くの皆さんの声を聴く
今回の企画は、フラットでオープンであることを重視しています。審査の過程もできる限りオープンにしようと決めていました。
こういったコンペで一般的にはあらかじめ決められた審査員がクローズドに審査を行い、結果のみ発表されることが多いように思います。
しかし、商品を買ってくださる読者の方、書籍を店頭に展開いただく書店員の方など、この本が完成した後に関わるすべての方にも選考に参加いただきたいと考えました。
選考は3段階で実施しました。
1) プロジェクトメンバーによる1次選考
当初の予定では10作品に絞る予定でしたが、ステキな作品が多すぎて13作品が通過となりました。
2) 一般・書店員さんによる人気投票
短い投票期間だったにも関わらず、予想を超えるたくさんの投票をいただきました。ありがとうございました。
3) 著者賽助さんによる最終選考
人気投票の結果も踏まえ、最終的には賽助さんに選んでいただきました。
結果、人気投票1位だった作品が、最終の賽助さん選考でも選ばれ決定となりました。
人気投票に参加いただきやすくするために数を絞る必要があり1次審査のみクローズドで行いました。その後の人気投票、賽助さんによる最終選考はその過程もSNS等で都度共有していきました。
応募いただいた皆さんの声(一部)
プロジェクトを通じて感じたこと
作品応募いただいた方、そして投票で参加いただいた皆さんから「楽しかった」という声をたくさんいただき、「やってよかったな」と純粋にうれしく思っています。
と同時に、お預かりしているたくさんの想いに、これからしっかりお返ししていく決意を大きくしています。
書籍は完成して終わりではありません。
多くの方に手にとっていただき、読んでいただいてこそ価値があります。
皆さんから受け取ったバトンを次へつなげる私たちの役目は、たくさんの方に本を届けること。
いよいよ12/2(水)発売です。
書店でつふゆちゃんと目があったら、ぜひ手にとってみてくださいね。
▼『はるなつふゆと七福神 オーディションカバー版』
賽助/著 三木健太郎/カバーデザイン・イラスト
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