見出し画像

【新社長メッセージ】32歳で出版社社長に就任した私が一生の仕事にしたいこと

はじめまして!

ディスカヴァー・トゥエンティワンのパブリッシングカンパニー取締役社長に就任した蛯原と申します。

創業35周年を迎えるにあたり、ディスカヴァーはカンパニー制度を導入しました。リアル書店領域にコミットするパブリッシングカンパニー、Eコマース領域にコミットするデジタルコマースカンパニー、法人のお客さまにさまざまなご提案をするビジネスソリューションカンパニーの3社で事業運営を行っています。

先日、ご挨拶させていただいた谷口は、取締役社長執行役員 兼 COO、デジタルコマースカンパニー社長を務めております。

私蛯原は、執行役員、パブリッシングカンパニー社長、ビジネスソリューションカンパニー社長として、ディスカヴァーのミッションを実現してまいります。

noteでは、パブリッシングカンパニー社長就任に際し、今の私の想いを、みなさまにお伝えさせてください。


一人でも多くの人に “ナッジ”を起こす仕事がしたい。

2011年夏、そんな思いを軸に就職活動をしていました。
ナッジ(Nudge)とは2011年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の第一人者リチャード・セイラー教授が提唱したもので、元々「ヒジで軽く突く」という意味の単語。さまざまな解釈がありますが、私は「正しい選択ができるよう導く」と解釈しています。

森と海を遊び相手に育った私は、ゴミの不法投棄を目の当たりにしたことから環境問題に関心を持ち、大学で学びました。そして、それを解決するヒントとなり得る行動経済学に出会い、決して合理的ではない“人”をポジティブな方向に動かすことを一生の仕事にしたいと考えたのです。

ナッジを起こす手段として選んだのは、本でした。本好きな方ならご理解いただけると思いますが、読書という体験は、選択肢を広げてくれます。

私自身が今あるのも、『予想どおりに不合理』や『実践 行動経済学』などの書籍によって選択肢を広げてもらったおかげです。

そして就職活動で出会った会社が、「視点を変える 明日を変える」価値を提供するディスカヴァー・トゥエンティワンでした。自分の思いと一致する会社に出会えたことは本当に幸運でした。

そして8年後の2020年、私はディスカヴァーのパブリッシング・カンパニーの社長に就任しました。

書店が持つ「ワクワク感」は変わらない。出版社に求められるものは何か?

出版業は斜陽産業と言われて久しく、市場規模は縮小し、書店数も著しく減少しています。ただ、すべての書店がなくなることはなく、セミナーや読書会、コミュニティなどの「体験」を提供したり、個性的な品揃えや提案力のある書店は、むしろ増えていくと思っています。

書店の中を歩くだけで世の中の流れを感じたり、それまでまったく関心のなかった分野の本に急に目が止まったりする「本との偶然の出会い」の場としての機能、ワクワク感は、今後も変わらないはずです。

出版社もまた減少しています。出版社でなくとも個人やグループでコンテンツを制作でき、また2000年代に入りそれを広げる手段が多様化しているからでしょう。

では、これからの出版社に求められるものは何でしょう? それは、ユーザーが欲しい内容を欲しいフォーマットで届けられているか、そしてそれが優れているか、ではないでしょうか。

時代に合わせた”変革”をしながら「人と組織の可能性を拓いていく」

ディスカヴァー・トゥエンティワンは35周年を迎え、第二創業期に入っています。

これまでつくり上げた本づくりのノウハウと書店様との直取引の本質を見つめなおし、時代にアジャストをさせていこうとしています。アジャストというより、トランスフォーメーションという方が正しいかもしれません。

私がこれまで出会った多くのコンテンツのように、ナッジを起こす(正しい選択ができるよう導く)ような新しい選択肢を提供できているのか? ディスカヴァー のミッションである「人と組織の可能性を拓く」コンテンツになっているか?

それを常に自分たち自身に問いながら、コンテンツ制作でも、その提供方法でも最高のプロフェッショナルであることを私たちは目指していきます。


<パブリッシングカンパニー社長>

蛯原昇

公式のご挨拶はこちらから


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?