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在宅勤務とオフィス勤務の差異にどう対応すればいい?①【はじめての人事お悩み相談#1】#ディスカヴァー #人材マネジメント100のツボ

電子版5月28日、書籍版6月26日に発売の『図解 人材マネジメント入門』。本書では領域が広く捉えにくい人材マネジメントを、わかりやすく図解を交え体系的にまとめています。
そんな人材マネジメントの原理原則を詰め込んだ本書の著者である坪谷さんに、入社2年目にして今年の1月から弊社の人事担当となった井上が抱える悩みを相談してみました。

在宅勤務とオフィス勤務の差異にどう対応すればいい?

井上:弊社ディスカヴァーは世間的に見てかなり早い段階でリモートワークを始めました。スタートダッシュ自体は良かったと思っています。ただ、コロナがひと段落したこの段階で、世間的には以前の勤務形態に戻る動きも出てきています。でも、単純に「全員元に戻りましょう」というのは、社員一人ひとりの力を最大化する手段ではないと思っています。では、そこに人事としてどういう風に関わっていくか。そしてリモートを継続するならば、どのようなコミュニケーションをとっていくべきか悩んでいます。

坪谷:私は何社かクライアントを持っていて、いろんな企業の人事や経営者の方と話すのですが、そのなかで最近よく「ごまかし」がきかなくなったと聞きます。これまではなんだかまずいなという空気を感じたら、ちょっとランチに行こうかとかちょっと話そうかと声掛けができていました。それがいまはリモートで様子が見えないことから、突然炎上して、3日間連絡が取れていないとか、退職希望が出ているなど、何か問題が起こってから話がスタートするようになっています。

大切なのは目標設定と1on1

坪谷:しかし、そのなかでもうまく回っている部署や人もいます。この違いは目標設定と1on1にあると考えます。マネジャーとメンバーが目標をちゃんと握っていて、それに本気で取り組もうとしているメンバーは自走します。つまり目標の管理(MBO)が大事になってきます。


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そしてモチベーションは目標を中心としたサイクルです。つまりモチベーション維持のキーも目標なのです。前出の自走しているメンバーたちはこの状況下でもイキイキ仕事をしていますよ。


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井上:そうですね。ディスカヴァーでもうまく回っている人とそうでない人のグラデーションはあります。リモート下でもより成長している人や部署は、これまでの延長線上だけではなく新しいことに積極的に取り組んでいると感じます。その新しい目標に向けてフィードバックをもらってどんどん修正しながらやっていくことができる人は強いと思いました。

坪谷:目標に関しては、自分で置ける人と置けない人に大きく分かれます。自分でこれをやると決めて進める人は大丈夫ですが、特に若手で仕事を覚えたての人はまだ目標の置きようがなかったり、設定できたとしても進めていくなかで課題が生じたりします。
そのときは1on1が大事です。マネジャーやメンターの役割の人が定期的に話す機会を作ることが重要になってきます。「このまえここまでやるって言ってたけど進捗どう?」「いや、ちょっとつまづいてるんですよ」といったコミュニケーションが必要なのです。


※明日も同テーマが続きます。


<著者プロフィール>

坪谷邦生(つぼたに・くにお)

株式会社壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー、株式会社ウィル・シード 人事顧問、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。 1999年、立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。2001年、疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。2008年、リクルート社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、急成長中のアカツキ社で人事企画室を立ち上げる。2020年、「人事の意志を形にする」ことを目的として壺中天を設立。
20年間、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、人材マネジメント講座などによって、企業の人材マネジメントを支援している。
主な著作『人材マネジメントの壺 ARCHITECTURE』(2018)、『人材マネジメントの壺DEVELOPMENT』(2018)など。

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