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時間内に仕事を終えることができる「5%社員」のシンプルなテクニック【「残業沼」脱出、AI分析でわかった時短術No.15】

「時間がない」
「今日も仕事が終わらない」
多くのビジネスパーソンが抜け出せずに苦しむ「残業沼」。
本記事はシリーズ累計15万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』著者の越川 慎司氏に、残業沼から脱出する方法を学んでいくマガジンの最後の記事です。
本記事はシリーズ最新刊『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』のあとがきからの抜粋です。

※記事中の用語説明
5%社員=各社で人事評価上位5%の社員
95%社員=5%社員以外の一般社員

あとがき

時間内に仕事を終えることができる「5%社員」のテクニックは思った以上にシンプルで、「始めること」「続けること」「気づくこと」の3点に集約されました。
あまりに当たり前のことで、がっかりされた読者もいるかもしれません。しかし、この3点を押さえることで、95%社員との違いが生まれ、最短距離で成果を出すことができるようになると、AIが導き出したのです。
我々クロスリバーは調査をするだけではなく、調査によって導き出されたインサイトをもとに、17万人のクライアント企業のスタッフの皆さんと再現実験をしています。
我々の目的は、調査をすることではなく、皆さんの行動変容を生み出すことなのです。そして本書では、5%社員の共通点をただ単に羅列するのではなく、その共通点の中から多くのビジネスパーソンが再現可能なものをチョイスしました。
私はこれまで、国内企業や外資系企業など4社で働きました。すべての企業で活躍するのは極めて難しいことを知ったうえで、一人でも多くの人が真似できるような最短距離の仕事術をまとめたいと考えました。

調査データに懐疑的になったり、AI分析を信用しなかったりすれば、5%社員の時間術を再現できる可能性は低くなるでしょう。
「トップ5%社員までは目指さなくていい」と思う気持ちも行動実験を阻む要因になるでしょう。それでも、行動しなければ何の気づきも得られません。「きっとダメだろう」と思って行動しないより、「やったけどダメだった」というほうが意味があるのです。
1回失敗すれば、同じ失敗をしないように行動を修整することができます。行動を修正すれば失敗確率を下げることができます。失敗確率が下がれば、成功に近づいていくでしょう。
不平や不満を言って行動しないよりは、行動してから不平不満を言うほうがよっぽど価値があるのです。
私は当初、さらに多くのデータと多種多様な分析を重ねて書籍にまとめようと考えていました。しかし、そこに時間をかけても、必ずしも行動変容できる人を増やすことにはつながらないと感じて、70%程度のステータスと分析で仮説をつくり、行動実験をすることを決めたのです。

これだけ変化が激しい世の中では、時間をかけてデータを蓄えても、そのままではあっという間に陳腐化してしまいます。その前に、クライアント企業との共同実験によって生きたデータに変えたかったのです。

行動を変えるのは、意識ではなく変化です。
だから、5%社員が実践した時間術を真似して変化が起こせるかどうかに興味が集まると思い、行動実験のデータを集め記載することにこだわりました。
同じアドバイスでも、「スポーツジムに行ったらダイエットできるよ」と言われるより、「スポーツジムに二か月通ったら3キロダイエットできるよ」と言われたほうが行動を起こすでしょう。
各社の人事評価トップ5%の社員は、こうした相手に考慮した人を動かす言葉選びをしています。だから、相手に伝わるのです。
書籍もコミュニケーションの一つです。
残業続きで苦しい状況から抜け出せず鬱(うつ)病を罹患した私と同じ過ちを犯してほしくないと心から思っています。その思いと解決策を多くの皆さんに伝え、苦しい状況から抜け出していただきたいと心から願っています。
本書で説明しているアクションを「すべてやろう!」と思わないでください。いきなり重い荷物を持ち上げようとすると、心と体を壊してしまいます。
ちょっとの頑張りでちょっとずつ改善していこうという軽い気持ちのほうが、行動は継続します。まず一つ、自分にフィットした時間術を試してみてください。そういうマインドセットを持つことで初動が早くなります。
ハイリスク・ハイリターンの魔法を探し続けるのはやめましょう。ローリスク・ローリターンの積み重ねができるような仕組みづくりが大切です。
そうすれば、今日だけでなく、今後ずっと短い時間で仕事がこなせるテクニックを自分のものにでき、時間に追われる生活から卒業して、時間をコントロールする生活を楽しめるようになります。

成果につながる重要なことに集中し、すぐに取りかかって軌道修正しながら目標を最短距離で達成することができれば、地球上のすべての会社を週休3日にできると本気で信じています。週休3日でも、これまで以上に成果が上がれば、社員の報酬を下げる必要はありません。
週休3日でも、売り上げが下がらなければ、経営者や株主は文句を言いません。週休3日になれば、私のように働きすぎて体を壊す人も少なくなるでしょう。そして少子高齢化で親族を介護する人も働くことができます。
最短距離の仕事術を身につければ社員も会社も、そして社会もゆとりを持って生活を楽しむことができます。
その世界を実現するために、私はマイクロソフトの役員を自ら辞して起業しました。

“More with Less”(より多くのことを、より少ない時間で成し遂げる)
私の大好きな言葉です。
一人でも多くの読者の方が行動を少し変え、苦しい状況から抜け出すことを祈っています。

越川慎司

新刊好評発売中!

シリーズ第3作、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』が5/27日から発売開始です!
このマガジンを読んで少しでも興味を持った方は是非読んでみてください。

目次

第1章:なぜ、24時間があっという間なのか?
94%の人が「時間がない」と感じている
74%の人が「働き方改革=残業削減」に反対してい
67%の人が「残業が多いのは上司のせいだ」と感じている
53%の人が「効果より効率を上げよう」と考えている
45%の人が「努力で何とかなる」と思っている

第2章:よかれと思ってやってしまう逆効果の時間術
「しっかり管理すればしっかり成果が出る」と信じている
「仕事効率は才能で決まる」と思っている
「重要そうな情報を集めたほうがいい」と思っている
「とりあえずショートカットキー」と思っている
「自分の経験と知識で考えよう」と思っている
[ Column ] 5% 社員は英語を勉強しない

第3章:95%の人が知らない5%社員の意外な時間術
ランチをとらない
積極的に「ため息」をつく
「ローリスクローリターン」を積み重ねる
情報収集の時間は一日5分以内
作業途中でも一度手を止める
時間の余裕は、気持ちの余裕からつくる
「情報」は「洞察」に変えないと人を動かせない
メンバーを巻き込んで早く作業を終わらせる
やる気が削がれることは仕事から排除する
机の上に飲み物を置かない
贅沢キーボードで時短する
「ちょっと外出」で生産性を上げる
[ Column ] 5 % 社員がカバンと靴に投資する理由

第4章:残業沼から抜け出す「ちょいスイッチABC」
95%社員と5%社員は何が違うのか? 
トップ5%社員の6つの特異点
トップ5%社員の時間術を「ちょいスイッチABC」で再現する
ちょいスイッチA(Accept) 過去の浪費を受け入れる
ちょいスイッチB(Build) 行動を早め、継続する仕組みをつくる
ちょいスイッチC(Concentrate&Continue) 集中して継続する

第5章:残業沼から抜け出す 「ちょいスイッチABC」を実践!
ちょいスイッチA「過去の浪費を受け入れる」を実践
作業時間と思考時間を分ける/アウトプットを先にする/時間の使い方を計画ではなく企画する/成功確率アップより失敗確率ダウンを目指す
ちょいスイッチB「行動を早め、継続する仕組みをつくる」を実践
すぐに作業できる状態を整える/「やめること」を決める/やめる基準の「チェックポイント」をつくる/メモのすごい効能を日常に定着させる
ちょいスイッチC「集中して継続する」を実践
丁寧で遅い仕事をしない/「悩む心配する時間」を減らす/投資対効果を考えて、せっかちにならない/自己否定は「妄想」であることを知る
[ Column ]5% 社員はなぜ野球よりラグビーが好きなのか

第6章:明日から定時で帰る「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 個人編
時間管理
金曜に「大きな仕事」を2つ書き出す/45分単位で仕事をこなす/報酬を声に出して言う/「承認」される仕組みをつくる
自制心コントロール
アナログ時計で逆算思考を促す/行動目標と締め切りを周囲3人に宣言する/週に1回トイレ掃除をする
集中力アップ
ヘッドホンを活用する/通知設定を変える
インプット
文字を手書きする/音声入力をマスターする/自動校正を活用する/散歩しながら本を聴く/倍速再生機能を活用する
アプトプット
3秒の沈黙を避ける/3秒ジェスチャー3選

第7章:チームで時短する「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 組織編
最強の巻き込み力
「フットインザドア」で依頼する/自走するチームが実践する5ルール/会議時短3アクション
誤解を避ける意思伝達
承認サンドイッチ作戦/上手に断る3つのテクニック/相づち&共感コメント7選/相手のメリットを事前に5分考える
プロジェクト推進
1チーム5人で活動する/刺激し合う仕組みをつくる/逃げ道をつくっておく

あとがき

著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
株式会社レビルソーク 代表取締役
株式会社キャスター 執行役員
国内通信会社および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員として最高品質責任者やPowerPointやExcelなどの事業責任者など歴任。2017年に改善活動のコンサルティング会社 株式会社クロスリバーを起業。ITをフル活用してメンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
のべ800社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら”自分の時間”を増やしていく「働き方改革」の実行を支援。2018年から1000名以上のほぼ全員がフルリモートワークの株式会社キャスター執行役員と兼任。
著書18冊。『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか』(KADOKAWA)など。


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