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明日から定時で帰るための時短術トレーニング①【「残業沼」脱出、AI分析でわかった時短術No.11】

「時間がない」
「今日も仕事が終わらない」
多くのビジネスパーソンが抜け出せずに苦しむ「残業沼」。
このマガジンでは、シリーズ累計15万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』著者の越川 慎司氏に、残業沼から脱出する方法を学んでいく。

※記事中の用語説明
5%社員=各社で人事評価上位5%の社員
95%社員=5%社員以外の一般社員

金曜に「大きな仕事」を2つ書き出す

最短距離の仕事を実現するには、「時間削減」ではなく、「何をするのか」を考えるようにしましょう。そのためにまずは、成果につながる最大の仕事を見つけ出し、最優先させることです。
「ビッグロックの法則」というものがあります。入れ物に小さな石と大きな岩をランダムに入れていったら、大きな岩が入らなくなるので、先に大きな岩を入れてから、小さい石を入れていく、という手法です。

時間管理でも、これと同じことが言えます。
大きな仕事(ビッグロック)を最優先して時間割を決め、残りの時間で細かいタスクを詰めていくと最短距離で成果を出せます。
5%社員は、このプロセスを実現するために、金曜日に「一週間で最も重要な2つのタスク」をメモしていました。5%社員は休み前の金曜日の午後に15分程度の内省をする習慣があり、直近一週間の予定を振り返っていました。その内省タイムでは、成果につながらなかったタスクの抽出に加えて、成果を出し続けるために取りかかるべき「重要タスク」を見つけ出していたのです。

この行動は、無駄を削って効率を高めるだけでなく、中長期にわたって成果を出すために重要なタスク(=ビックロック)を優先させる「効果第一主義」の表れです。ビックロックがなぜ2つなのかを複数の5%社員に尋ねたところ、「コンスタントに行動改善するため」「行動ハードルを上げないため」との回答が返ってきました。

ビックロックを3つも4つも書き出してしまうと、精神的なプレッシャーが高まってしまうそうです。たしかに、一気に3つ以上の大型案件があると全部こなせなさそうですが、2つ程なら継続できる確信を持てるように感じました。

また、なぜビックロックを書き出すのが金曜日なのかも確認したところ、「月曜に気持ちよく出社するため」「月曜の初動を早めるため」と教えてくれました。
休みの前に仕事の優先順位がクリアになっていると、「月曜に鬱々と出社」といった精神的負担が低くなるそうです。また、月曜の朝一でやるべきことが明確になっていると、心地よくスタートダッシュがきれるとも考えていました。

社内で一目置かれている5%社員は、95%社員よりも1.3倍の仕事が割り込んできます。
しかし実は、この「割り込み仕事」が5%社員の作業効率を上げることがわかったのです。
割り込んできた仕事が多くなればなるほど、5%社員は優先順位や手順を見直していきます。重要度の低い作業をやめたり、定型業務は稼働に余裕があるメンバーに委ねたりして、生産性を上げていたのです。
割り込み仕事があることについて、「そんなときこそ、時間と精神のバッファー(余裕)を持つよう心がけるようになった」「そんなときこそ、不要だと思っていた業務をやめる勇気を持てた」とも発言していました。
5%社員に限らず、多くのビジネスパーソンが多くの仕事を抱えています。しかし、闇雲にタスク処理をするだけではいくら時間があっても足りません。
5%社員のように、「今週のビックロック」をメモする習慣があれば、雪だるま式にタスクが増えても、的確に対応・処理できるのです。

新刊好評発売中!

シリーズ第3作、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』が5/27日から発売開始しました!
このマガジンを読んで少しでも興味を持った方は是非読んでみてください。

目次

第1章:なぜ、24時間があっという間なのか?
94%の人が「時間がない」と感じている
74%の人が「働き方改革=残業削減」に反対してい
67%の人が「残業が多いのは上司のせいだ」と感じている
53%の人が「効果より効率を上げよう」と考えている
45%の人が「努力で何とかなる」と思っている

第2章:よかれと思ってやってしまう逆効果の時間術
「しっかり管理すればしっかり成果が出る」と信じている
「仕事効率は才能で決まる」と思っている
「重要そうな情報を集めたほうがいい」と思っている
「とりあえずショートカットキー」と思っている
「自分の経験と知識で考えよう」と思っている
[ Column ] 5% 社員は英語を勉強しない

第3章:95%の人が知らない5%社員の意外な時間術
ランチをとらない
積極的に「ため息」をつく
「ローリスクローリターン」を積み重ねる
情報収集の時間は一日5分以内
作業途中でも一度手を止める
時間の余裕は、気持ちの余裕からつくる
「情報」は「洞察」に変えないと人を動かせない
メンバーを巻き込んで早く作業を終わらせる
やる気が削がれることは仕事から排除する
机の上に飲み物を置かない
贅沢キーボードで時短する
「ちょっと外出」で生産性を上げる
[ Column ] 5 % 社員がカバンと靴に投資する理由

第4章:残業沼から抜け出す「ちょいスイッチABC」
95%社員と5%社員は何が違うのか? 
トップ5%社員の6つの特異点
トップ5%社員の時間術を「ちょいスイッチABC」で再現する
ちょいスイッチA(Accept) 過去の浪費を受け入れる
ちょいスイッチB(Build) 行動を早め、継続する仕組みをつくる
ちょいスイッチC(Concentrate&Continue) 集中して継続する

第5章:残業沼から抜け出す 「ちょいスイッチABC」を実践!
ちょいスイッチA「過去の浪費を受け入れる」を実践
作業時間と思考時間を分ける/アウトプットを先にする/時間の使い方を計画ではなく企画する/成功確率アップより失敗確率ダウンを目指す
ちょいスイッチB「行動を早め、継続する仕組みをつくる」を実践
すぐに作業できる状態を整える/「やめること」を決める/やめる基準の「チェックポイント」をつくる/メモのすごい効能を日常に定着させる
ちょいスイッチC「集中して継続する」を実践
丁寧で遅い仕事をしない/「悩む心配する時間」を減らす/投資対効果を考えて、せっかちにならない/自己否定は「妄想」であることを知る
[ Column ]5% 社員はなぜ野球よりラグビーが好きなのか

第6章:明日から定時で帰る「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 個人編
時間管理
金曜に「大きな仕事」を2つ書き出す/45分単位で仕事をこなす/報酬を声に出して言う/「承認」される仕組みをつくる
自制心コントロール
アナログ時計で逆算思考を促す/行動目標と締め切りを周囲3人に宣言する/週に1回トイレ掃除をする
集中力アップ
ヘッドホンを活用する/通知設定を変える
インプット
文字を手書きする/音声入力をマスターする/自動校正を活用する/散歩しながら本を聴く/倍速再生機能を活用する
アプトプット
3秒の沈黙を避ける/3秒ジェスチャー3選

第7章:チームで時短する「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング 組織編
最強の巻き込み力
「フットインザドア」で依頼する/自走するチームが実践する5ルール/会議時短3アクション
誤解を避ける意思伝達
承認サンドイッチ作戦/上手に断る3つのテクニック/相づち&共感コメント7選/相手のメリットを事前に5分考える
プロジェクト推進
1チーム5人で活動する/刺激し合う仕組みをつくる/逃げ道をつくっておく

あとがき

著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
株式会社レビルソーク 代表取締役
株式会社キャスター 執行役員
国内通信会社および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員として最高品質責任者やPowerPointやExcelなどの事業責任者など歴任。2017年に改善活動のコンサルティング会社 株式会社クロスリバーを起業。ITをフル活用してメンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。
のべ800社以上に、ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら”自分の時間”を増やしていく「働き方改革」の実行を支援。2018年から1000名以上のほぼ全員がフルリモートワークの株式会社キャスター執行役員と兼任。
著書18冊。『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)、『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか』(KADOKAWA)など。


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