002-フォークとナイフで皿を叩く

モスクワで一夜を過ごした。よくわからない英語での会話の中でトランジットだということがわかった。
そもそもトランジットの仕組みも知らなかったので無料で一泊できてよかった位にしか思わなかったけど。

朝起きて朝食の案内がありレストランに。
はっきりとした人数は覚えてないけど、100人以上はいたと思う。おそらく全員がトランジットの乗客。
テーブルの上には何も置かれていない皿と水。少し待っているとパンとビーツのピクルスが配られた。
あとで他にも出てくるだろうと思っていたらそれで終わりのようだった。
それに気がついたあたりで1人がフォークとナイフをも両手に持ち、皿を叩きはじめた。
するとレストランにいた全員が呼応したかのように皿やテーブルを叩く。
まるで漫画みたい。
厨房のドアが開き、これまた漫画のように、鬼のような険相で調理服を着た調理人が鍋とおたまを叩きながら出てきて、大声で怒鳴りはじめた。さすがに、笑ってしまったが場はこれでおさまった。

結局それで朝食は終わり、飛行機への搭乗をアナウンスされ各々がターミナルに向かい、飛行機に搭乗。最初の目的地である、ブルガリアへ。

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