フォートナイトの競技シーンの歴史

 こんにちはこんばんは。野良連合所属のDiscentra(でぃせんとら)です。良かったら各媒体のフォロー登録お願いします。

 今回は長いです。番外編といいますか、まずこの謎部えむさんのツイートをご覧ください。

 よし、書きましょう。ということで、この記事で大会やチーム・選手を紹介したいと思いますが、その前になぜこんなに情報がないのかを説明したいと思います。

 理由としては選手も困っているのですが(ここ重要です)、大会が急すぎるのと多すぎることです。まず開催が急すぎることについて。

 2月3日に発表されたこの大会ですが、賞金はなんと世界全体で一億円、凄い金額です。素晴らしい!フォートナイト最高!さあ!いつ開催なんでしょうか?・・・・・・2週間後です。2月15日・16日です。

 フォートナイトではこの金額の大会が1,2週間前に発表されることはざらにあります。競技シーンを実際にやっている人じゃないとこのスピードについていけません。メディアの中にそういう人がいたらできるかもしれませんが、いないといっていいでしょう。

 次に多すぎることですが、フォートナイトはとにかく大会の数が多いです。最近の話ですと賞金がある大会が水・木の二回、ない大会が金・土の二回で合計四回あります。真面目に全部参加するとしても週の七分の四あります。大会やるっていうレベルじゃねえぞこれ。

 別のゲームをやっていた身としてはもちろんありがたい環境です。しかし多すぎることによって一つの大会をフィーチャーして内容の深い記事を書けるメディアは少ないでしょう。上位陣はたしかによく見かける方が多いですが、大会の数だけ成り上がってくる選手が出てきて有名になっていきます。よって追いかけるのは難しいでしょう。


 本題に入りますが、今回の記事はフォートナイトの競技シーンの初期から今までをこれを読めばほぼ分かるぐらいに書きます。その大会で熱かった選手やチーム等も書いていきますが、私が競技シーンをやり始めたのが遅かったのもあって、実際に見た大会以外は詳しく書けないのであしからず。取りこぼしなどもあるので気付いた方は是非教えてください。では行きましょう。


全ての始まり、Summer Skirmish

 見出しでかっこつけて全ての始まりとか書きましたが自分は見てませんでした。理由はこの大会が開催されたのは2018年の夏ごろですがアジアでは開催されなかったからです。この頃はまだアジアでは競技シーンというのは活発ではなかったと思います。しかし、明らかに競技を意識した大きい大会というのはこれが初だと思います。

 アメリカとヨーロッパで八週間にわたって行われ、八週目だけはアメリカのみオフライン大会での決勝戦がPAX WESTというイベントであったようです。この大会の結果はこちらから。

 最初の大きい大会ではありますがあまり書けることもないので割愛。しいて言うなら初めての大きな大会で賞金総額約9億ってよくわかんないですね。決勝で優勝した選手は今ではあまり活躍しているとは言えませんが約2500万円を獲得しています。

 大会の裏の話をしましょう。この頃大人気だったのはNinjaとその愉快な仲間たち、TSMの選手たちでした。彼らの黄金期と言っても良いでしょう。Twitchでかなり人を集めていました。もちろんこの頃は強さも別格でした

 そしてこの時期より少し前ですが、今ではトップ選手の一人であるMongraal選手が世界最年少プロゲーマーとしてイギリスのBBCで取り上げられるなどのニュースもありました。このとき13歳。

 ゲーム内ではプレイグラウンドというモードが追加されました。このモードがフォートナイトを更に進化させます。今まではトレーニングモードのようなものがなかったのですが、このプレイグラウンドモードによってプレイヤーは敵を気にしないで練習できるようになりました。建築バトルという一対一で戦う今では誰もがやっている練習も始まり、本当に戦い方が多彩になりました。あまり使われていなかった編集という機能も積極的に練習されるようになり、選手の成長スピードというよりかはゲームの成長スピードが異次元に加速しました。

 他にはスイッチでフォートナイトが出来るようになったことで日本での人口も増えましたし、今では日本では一番と言っていいプロチーム、クレイジーラクーンもこの頃に発足されました。


Tfueの台頭、Fall Skirmish

 ここからは実際に見てました。前述のSummer Skirmishのおかげか、アジアでもAOFというコミュニティができ、スクリムが開催されるようになり徐々に競技シーンが盛り上がっていきました。

 が、この大会もアジアでは開催されずアメリカとヨーロッパのみの開催。2018年の秋頃に何週間かにわたって行われ、決勝戦はデュオのみで前回同様アメリカでのオフライン、TwitchConの会場内にて行われました。

 この時に名を轟かせたのがTfueとCloakペアでした。優勝賞金は4000万円、二人とも当時Faze所属でTfueは大会前からこいつはヤバいという雰囲気が出ていて知名度はありましたが、優勝したことでフォートナイト界の神になりました。YouTube登録者数は現在1000万越え。Tfueが嫌いな武器がツイートすることで消えることもありました。他にも入賞した選手で語りたい選手はいますが多すぎるので仕方なく割愛。

 年が変わって2019年の2月頃にSecret Skirmishというアメリカで行われた、選手以外は大会があることを直前に知るという突発的なオフライン大会もありました。賞金は今までより少なく、デュオのメンバーがランダムで今までと同じレベルの大会ではありませんでした。ソロで優勝したBizzle選手は今までの大会でも安定して結果を残していて、今でもトッププレイヤーです。

画像1

画像2

この大会で競技シーンが好きになりました。こういう場面のこのカオス感がたまらなかったです。

 大会以外では前述のMongraal選手が縦積みという画期的な建築方法を生み出し、それから派生するように建築が更に研究、派生、普及していきました。

 日本ではクレイジーラクーン主催のCRCUPの第一回が開催され、アジアでの競技シーンも活発に。アジアではまだなのかという声も聞こえていました。

 そしてこの頃に追加されたのがカスタムマッチです。今まではAOFなどでスクリムをやるには一般のプレイヤーがいる公開のマッチでやらざるを得ませんでした。Discordで同じ通話のチャンネルに入り、BOTのカウントダウンに合わせてゲームの準備完了ボタンを押して、一緒のマッチに入るという作業。当然、全員が同じマッチに入れるわけではなく、3つに分かれたサーバーでやったりなど非効率ですし、巻き込まれた一般プレイヤーがガチガチのバトルに巻き込まれたりなどの問題もありました。カスタムマッチというのはその権限を持った人が自分でマッチを作れるという機能で、かなり効率が上がりました。


初の世界大会、Katowice Royale

 2019年3月、ESLが主催した完全招待制の世界大会が初めて行われました。そう、世界大会です。ポーランドで行われたこの大会で初めてアジア勢が大きな大会に参加しました。日本からはリズアート選手とクレイジーラマ選手が招待され参戦。韓国からは4名の選手が招待されました。

 採用されたモードはソロとデュオで、プレイヤーの数はヨーロッパ勢が多数でしたがソロ、デュオ共にアメリカ勢が優勝。ソロはTSMのVinny選手。デュオはZayt選手とSaf選手。Vinny選手はアメリカで同じくTSMのZexRow選手と組んでおり、今までの大会でも結果を残しています。Zayt選手とSaf選手は前者がNRG、後者がGhost所属。彼らもコンスタントに結果を残してきました。

 やはりアメリカ勢はオフライン慣れをしているのか上位には多くいました。アジア勢は大会自体がほぼなく、大会のルールも把握できていないこともあり苦戦しました。

 ちなみに所属チームが違ってもデュオを組むのはフォートナイトでは当たり前です。他のゲームではあまりないでしょう。理由として考えられるのはフォートナイトは環境の変化が激しく、それにすぐに対応していくことが求められます。環境によってはメンバーとの相性が悪くなることもあるので、同じチームで合うパートナーを探すというのは難しいです。

 この大会が終わった後、一日だけ開催される小さな大会が毎週行われるようになりました。アジアでもです。まるで、そろそろ大きな大会があるかのように......

 裏ではこのあたりにアリーナモードというのが追加されました。通常とは違うルールで、ランクマッチのようなものです。安全地帯の進み方が普通とは違ったり、敵を倒したら回復するなどより競技向けなルールなため、みんなこぞってやるようになりました。スクリムでもこのモードのカスタムマッチでやるようになりました。

 基本的な技術が確立されていった中、次は大会向けの技術が開発されるようになりました。敵に撃たれないように建築しながら移動したり、上が強いこのゲームで上を取り返す技術など。

 大会ではキルポイントと順位ポイントがあり、キルポイントはキル毎に1ポイント、順位ポイントは25位で3ポイント、15位で2ポイント、5位で2ポイント、1位で3ポイントを獲得。ボーラーという乗り物がでた当時、その乗り物で終盤をほとんど建築せず逃げ、順位ポイントを獲得するというムーブも当時流行りました。そして......


世界が熱狂、ワールドカップ

 そしてついにワールドカップが発表されました。アメリカ東、アメリカ西、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、ブラジルの6つの地域から予選を勝ち抜いた者がニューヨークで行われるワールドカップへの出場が許されます。賞金総額110億円。全プレイヤーが熱狂しました。

 4月上旬あたりから予選が十週間に渡り行われ、奇数週がソロの予選で偶数週がデュオの予選でした。土日に行われ、土曜日はゲーム内のアリーナモードである程度上にいないと参加できず、日曜日は土曜日の上位3000人しか参加できません。日曜日の上位500位に入ると賞金が貰えます。

 このとき、この大会で革命的なことが起こりました。

「最高の十週間をありがとうフォートナイト、楽しかった、今まででこのゲームをプレイした中で一番楽しかった。年齢制限を下げることで可能になったことに感謝したい、人生で一番の出来事だった。」

 和訳ガバガバかもしれませんがだいたいあってるでしょう。そう、エピックゲームスは大会への参加可能年齢を引き下げたのです。13歳以上から参加可能でもちろん親の承諾等は必要ですが、この変更により世界中の若いプレイヤーが参加できるようになりました。ヨーロッパを席捲していたbenjy選手やMongraal選手含め数十名はこの変更がなければ出場できませんでした。

 さあこの予選。残念ながら通過枠は地域によって異なります。アメリカ、ヨーロッパは40人ずつ通過できますが、アジアはソロは7名、デュオは3ペアしか通過できません。

画像3

 その少ない枠を日本人選手が四名獲得しました。ソロではウィーク3で二位のRuri選手とウィーク9で一位通過したRiddle所属のMaufin選手です。デュオはウィーク2で一位通過したCR所属のBell選手とScarlet選手。やはり日本勢ではクレイジーラクーンが圧倒的です。この予選後にRuri選手はCRへ加入、彼らはヨーロッパへ行き、強化合宿をしたあとにニューヨークへと旅立ちました。各結果はこちらから。

 ここまでの記事で書いたアメリカやヨーロッパの選手はほぼ通過しています。benjy選手やMongraal選手を初め、各地域の強い選手は毎週のように予選通過する順位を獲得していました。

 エピックが制作したbenjy選手のプロフィール動画です。こんなの作ってくれたら感動ですよね。YouTubeで"Fortnite Player Profile"と調べると他の選手の動画も出てきますのでよかったら。よかったらと言っていますがぜひ見てほしい。見てください。

 そして決勝。デュオはAqua選手とNyhrox選手が優勝し、三億円を獲得しました。結果はこちら

 公式から出ているこちらの動画は大会後にエピックゲームズが制作した動画です。泣けます。字幕できちんと日本語対応しているのでぜひ。

 デュオは途中までは誰が勝つのか分からず、圧倒的というチームはありませんでした。日本人ペアのBell&Scarlet選手は一試合目が終わった段階で二位など、かなり奮闘し最終順位は20位。アジアは通用すると本気で思いました。

 優勝したペアはヨーロッパからの選手たちでした。ヨーロッパは人口が多く、国の数が多いので多様性があり、戦術の幅も広いのかなと思いました。
トップ10はアメリカが5ペア、ヨーロッパが5ペアで互角。チームはほぼバラバラでどのチームが特に強いなどは前述の通り同じチームで組むペアも少ないのでありませんでした。

 Katowiceで優勝したZayt&Safペアもビクトリーロイヤルを取ったり、以前から活躍している地力のあるペアは高順位でした。

 次にソロ。優勝したのはBugha選手で賞金は3億円。ニュースになったので名前を知っている方も多いかもしれません。

 2位とのポイント差は26ポイントと圧倒的な力を見せつけました。彼は他の選手と既にレベルが違う技術を身に着けていました。本当に圧倒的でした。

 日本勢はRuri選手が33位、Maufin選手が91位でした。デュオで優勝したAqua選手が94位とソロは激戦です。降下地点で勝負がつくことも多いです。トップ10はアメリカ勢が多数を占めました。

 ぜひ見てください。見ましょう。文字通りBugha選手は人生が変わったでしょう。今では競技シーンをやっていて知らない人はいません。ソロは語ることが少なくなるほど圧倒的でした。

 こうしてワールドカップは幕を閉じました。実はクリエイティブワールドカップというのもあり、死なずに目的地まで向かうファン制作のデスランなどで優勝を争ったりなどもしましたが自分はあまり詳しくないので書けません。最高の四か月間でした。これをモチベーションにやっているプレイヤーも多いでしょう。今年はどうなるでしょうか。


新しい大会、フォートナイトチャンピオンシリーズ

 フォートナイトは眠りません。ワールドカップが終わって一か月もせずに新しい、そして大きい大会が始まりました。 

 フォートナイトチャンピオンシリーズ。通称FNCS。シーズン毎に行われる、各シーズン、各地域のチャンピオンを決める大会です。シーズン10ではトリオモードで行われました。

 なぜトリオなのか。一つはApexの影響もあると思います。今まではソロ、デュオ、スクワッドでしたが、ツイッターでトリオモードキボンヌのような意見が出はじめ、期間限定でトリオモードが追加され、ついに大会になりました。

 今までとは予選方式が違いますが、各ウィークを勝ち抜いた選手が決勝戦で戦うという大本は変わらないルールです。 

 アジアはクレイジーラクーンのRizart選手とRuri選手とRiddleのMaufin選手が二位に40ポイント差で優勝。圧倒的でした。

 賞金額も大きいこの大会、シリーズということで毎シーズン行われる大会のようで後述しますが次のシーズンでも行われます。そしてソロの小さい大会も開かれるようになりました。もちろん毎週です。フォートナイトプレイヤーに休む暇はありません。


新チャプター、そしてスクワッド

 新チャプター。マップが完全に変わり、環境もがらりと変わったこのシーズン。スクワッドはないと思っていましたがきてしまいました。

 新環境に加え、スクワッドということで幅広い戦い方が見られるようになりました。今まではあまり日の目を浴びなかったグレネードが4人全員で投げることで1パーティーを一瞬で壊滅、後にナーフされました。

 移動系がないため、4人でのチームワークが何よりも大事で、練習量が物を言う大会でした。アジアでは前シーズンを二位で終えら苦渋をなめた韓国勢のチームが一位、前回王者のRRMトリオにRiddleのBob選手を加えたチームは二位になりました。20ポイント差ではありましたが、各チームかなり接戦でした。4人などでごり押しが強く、もう一度やりたいという選手はあまり見かけませんが......

 ソロの大会も引き続き毎週行われ、過労死しかけました。W KEYという進むキーがWなことが由来のアグレッシブなプレーを最初にすることがメタになりました。理由は大会はポイントが増えるにつれて近いポイントの人とマッチングするので敵が弱い最初のマッチでキルポイントを稼いだ方がよいからです。

 他にはコントローラーのエイムアシストが強い問題などいろいろあります。コントローラーがランキング上位にいることは珍しくないです。色々論争が起きますが直しても問題が出てくるだけなのでこのままでいいかなと自分は思います。

 週ニで行われる賞金ありのこのソロ大会はモチベーションになりました。次のシーズンが遅れ、他のモードの競技情報がないためやるしかなかったのもありますが........

 次のシーズンが遅れているその間にWINTER ROYALEというデュオの大会が開催され、こちらもかなり混戦模様でした。正直大会が多すぎてちょっとうろ覚えです。こうして新チャプターの最初のシーズンが終わりました。


次なるシーズン

 現在シーズン2になりました。詳しい大会の情報は発表されていません。そろそろワールドカップの日程が発表されるのかもしれませんし、今年は遅いのかもしれません。モードも今までは違うモードで行われるかもしれません。環境も変わりましたし、また戦い方が変わります。

 正直プレイヤーの技術というのはそろそろ限界が来ます。研究され尽くし、あとは練度を高める段階でしょう。次の大会はどうなるでしょうか。色々な選手が出てきて、昔活躍した選手は消えていくなどざらなゲームです。追いついていくしかありません。

 今回の記事である程度大会の歴史を分かってもらえれば幸いです。こんなに長く書いたのは初めてなのでかなり時間がかかり、疲れました。誤字脱字や勘違い等もあるかもしれませんがご容赦ください。だいたいあってるとは思います。今回は特別編で今までの記事とは毛色が違いますが楽しんでいただけたら幸いです。それではみなさんさようなら。よかったらスキ押してね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?