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株主のみなさまとの新たな対話の形を―。これからの石井食品を築く「株主ミーティング」を振り返る(後編)

石井食品は、2023年6月21日(水)に開催した定時株主総会に先立ち、6月10日(土)に「株主ミーティング」を開催しました。

株主総会では、株主総会招集通知で提示した報告事項についてご説明を行い、決議事項について株主のみなさまが決議を行います。しかし、株主総会での決議という重要な決定を行っていただくために、株主のみなさまに対して、事前の情報開示をもっと充実させられるのではないかという気持ちを抱いておりました。わたしたちは、石井食品の理解をさらに深めていただき、また今期の取組をしっかりお伝えし、きちんと株主のみなさまと対話をしたいという思いがありながらも、長引くコロナ禍でなかなかこのような対話の場の創出を実現することが出来ずジレンマを感じておりました。

このような思いから、代表の石井智康をはじめ、各取締役・執行役員と株主様がカジュアルかつ深く対話のできる「株主ミーティング」として機会を数年ぶりに復活させ、開催いたしました。今回は、株主総会の11日前に、3部構成で実施しています。

この株主ミーティングの開催内容を、2回にわけてお伝えいたします。第2回目の今回は、第2部の後半「2023年3月期 82期 ご報告」と、第3部「株主様とのディスカッション広場」の様子についてレポートします。

第2部後半:2023年3月期 82期 ご報告

報告は、代表の石井智康よりお話しさせていただきました。

決算発表資料のリンク

石井智康より昨年の総括

昨年度の2023年3月期における、社会情勢における大きなトピックは原材料及び光熱費や包装材料の高騰です。新型コロナウイルスで打撃を受けた景気が少しずつではあるものの持ち直している中、それを上回る価格高騰は、”全て”のと言っても過言ではないほど、ありとあらゆる原材料に影響がありました。

年初には赤字予想を出し、株主の皆様にはご心配をおかけしましたが、最終的には黒字転換で期を終えることができました。ここに至るまでの大きな取り組みとしては、「収益改善」「コスト構造の見直し」「一部商品の価格改定」「季節毎施策の徹底」の4点が挙げられます。

中でも、10月に実施した価格改定による販売数の減少が予想よりも発生することがなく、全てのお取引先様より継続して取り扱いをいただくことができました。根強いファンの方に支えられたことによる黒字転換だと考えています。

2023年度3月期のご報告に続き、2024年3月期の重点方針として

  1. 地域活性化に向けたビジネスモデルへの転換

  2. 徹底したコスト削減

  3. 働き方改革及び人財の多様化の推進

の大きく3本の柱、その他、中期経営計画についてお伝えしました。

株主総会での議案のご説明

株主総会当日は、どうしても議案を読み上げ、賛否を問うだけの時間となってしまいがちです。事前に議案についてご理解いただき、質問をお受けしたりカジュアルにディスカッションをする場を設けたく、この株主ミーティングでもご説明の時間を設けました。

  • 第1号議案 剰余金の処分の件

  • 第2号議案 定款一部変更の件

  • 第3号議案 取締役3名選任の件

    なお、これらの議案の決議結果については、「第82回定時株主総会決議ご通知」をご確認ください。

第3部:株主様とのディスカッション広場

第3部の株主様とのディスカッション広場では、

  • 代表取締役社長執行役員 石井智康

  • 取締役執行役員 八千代工場長 久保啓介(製造部門代表)

  • 執行役員 顧客 サービス部 総括 伊藤幸一郎(営業部門代表)

の3名が、株主のみなさまとディスカッションさせていただきました。

こちらのパートについては、アーカイブの動画を公開しています。下記のURLよりぜひご確認ください。

クリックするとアーカイブの動画にリンクします

ディスカッション広場を設けた背景

これまでの株主総会の中で設けてきた質疑応答の時間でいただくご意見はもちろんなのですが、帰り際に伺うお話やご意見は、石井食品にとって非常に大事な気づきとなる機会になっています。みなさまからいただいた言葉を、その場にはいない石井食品の他社員にも聞かせたいと思うことが多々ありました。
なので、今年度ご意見をいただきやすい雰囲気のはカジュアルな場として用意した「株主ミーティング」にて、普段の株主総会の様にかしこまった場では言いづらいご意見も、気軽に発言していただきたいと思い、ディスカッション広場を設けるに至りました。

株主の皆様からいただいた質問(一部)

株主の皆様からはたくさんのご質問をいただきました。こちらにはその一部を掲載させていただきます。ご質問いただいたみなさま、ありがとうございました。

  • 石井食品は肩書きなしでお名前で呼んでいる文化なんでしょうか。

  • 「無添加調理」というキャッチコピーにこだわっているのはなぜでしょうか。

  • 環境面のサステナビリティに関する企業の考えを教えてほしい。

  • 石井の定期便のファン、たまねぎがまるごと入った商品にはびっくりした。そのようなアイデアはどのように考えているのか。

  • 残留農薬について、国の基準に対して石井食品はどのレベルまで対応しているのでしょうか。

  • 工場見学に伺った時にミートボールの購入率が群馬県が多いと聞きました。それははなぜでしょうか。

  • 株主への期待、ソフトウエアへの投資について教えてほしい。

上記の中でも、いくつかのご質問と回答についてご紹介させていただきます。

「無添加調理だから」というキャッチコピーにこだわっているのはなぜか

(質問)石井食品は「無添加調理だから」というキャッチコピーにこだわっているように見えます。「安心・安全」という言葉では、現在と異なる顧客層にアプローチできるように思えます。また近頃では、「脂肪がつきにくい」という特性をうたったチョコレートが出現しています。このような流れがある中で、あえて「無添加調理」という言葉にこだわる理由はありますでしょうか。

(回答者:石井)我々もより良い表現は何かを日々考えています。
「無添加」という言葉は打ち消しの「無」という言葉が入ることにより、否定的で少し固い印象になっていることもあり、なかなか広がらないと感じる一方、他の無添加を掲げる企業の商品と比較した際には、パイオニア企業でありたいとも思っています。

しかし、我々が取り組んでいることは無添加のその先にある「家庭で馴染みのない調味料は使わない」「素材をおいしくすることで商品をおいしくする」「土壌から素材を追いかける」ということです。「無添加調理」という言葉だけでは、これらの取り組みまでは伝わっていないと自覚しています。

これらをどう正直に、ありのままを表現するかは、これからも石井食品にとっての課題だと思います。

(回答者:伊藤)以前から健太郎さん(会長)には、「無添加という言葉を販促のために使ってはいけない」と教わってきました。また、石井食品として「添加物が危険だ」というメッセージを発信することはありません。ただ、食べてくださるお子さんをはじめとした皆様に、安心安全で、採れたてで、真(ほんとう)においしいものなのだということを、何度も言い続けてきました。

(回答者:久保)安心安全な食品会社になるというテーマを以前から掲げてきたゆえに、頑なに同じことを続けてこれました。しかし、真(ほんとう)のおいしさを追求するために、同じことだけでなく新しい作り方などに挑戦する必要が出てきていると感じています。

株主ミーティングを終えて

2023年は、 新たな石井食品の基礎となる、「株主の皆様との対話」に挑戦することができました。これからもより良い対話のあり方を模索していきたいと考えていますので、ご意見やご要望がございましたら、下記問い合わせ先までぜひご連絡いただけますと幸いです。

第83期もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本件に関するご意見、お問い合わせ先

石井食品株式会社 コーポレート総務部(担当:染谷、池田、望月) 
千葉県船橋市本町2丁目7番17号 
E-mail:event@ishiifood.co.jp