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「子どもいるからそんな無理しなくていいんじゃない?」って、は?余計なお世話なんですけど。

子育てと仕事の狭間で悩む女性は多くいます。
女の人生に悩み迷うことをポジティブに捉える、noteマガジン「Destinations」では同じような悩みを持った他のみんなは、どんな考えを持ってどんな道を選んだのか。ほかの女性の悩みや選択を知るだけでも、自分の勇気に変えられたりするのではないか。そんな想いを持って情報を発信していきます。

前回は、大企業でマミートラック(マミトラ)から、脱出しようと周りに働きかけているちなさんの奮闘をお伝えしました。

今回も、出産後マミートラックと戦う女性のストーリーをお伝えします。

みかさん…新卒でサービス業の会社に入社。営業・営業事務を経験し、産前は20〜21時まで毎日残業の日々。第一子を出産後、産休育休を経て経理課に異動するも収入激減。悩んだ末、状況が変わらないと見切りをつけ転職活動を行い、IT企業の経理職にて転職。

【case2】育休復帰後、やりがいも年収もDOWN…リモートワークの企業に転職しマミトラ脱出をしたみかさんのストーリー

みかさん:
私は最初の会社に、営業職(営業事務も兼務)として入社して、産休育休が終わり復帰したら営業は難しいからと言われて経理職にキャリアチェンジしました。

ちょうど私も育休中に「手に職つけたいな~」と考えていたこともあり、経理職へのキャリアチェンジは前向きにとらえていたんですね。職種のことよりも、せっかく大事な子どもを預けてまで働くのだから、とにかく精一杯やりたい!という想いが先行していました。

そんな流れで「やるぞ~!」と復職したのですが、まさかの展開が待っていて。復職後に任されたのは書類のファイリングや事務作業ばっかりだったんです。上司には、「子どもいるからそんな無理しなくていいんじゃない?」と言われてしまい、全然おもしろい仕事を与えてもらえませんでした。

時短社員として復職後、昇給は年功序列型で変わらずだったのですが、昇格(主任、リーダー)はできないと言われました。せっかく子どもを預けて働くのですから、やることは前向きにやって、成果を出した分は評価を受けたかったのに。悲しかったですね。

さらに追い打ちをかけられたのは、お給料のことです。
なんと、育休前から40%カット。普通の人が100%としたら、私は時短なので8分の6として計算されます。(普通の人が8時間勤務で、時短社員は6時間だから)その上、時短社員は普通の社員よりも重たい仕事を与えていないので、その分お給料を通常の80%分しか与えませんと説明されました。
つまり、計算式はこうです。

※通常のお給料=100として…
100×6/8(時短の6時間分)×0.8(他の人より仕事内容が簡単だから)=60

例)手取り20万円だとしたら…
20万円×6/8×0.8=12万円!!!

Destinations:
働く時間が短くなっている分少なく計算されるのは100歩譲って分かりますが、仕事を与えていないから通常の80%しかお給料あげないだなんて!そんなの会社の勝手な都合じゃないですか!!(泣)その場合って、残業代はどのように計算されるのでしょうか?

みかさん:
私のいた会社は固定残業代制度だったので、その分がすべてカットされました。ここまで手取りが減ってしまうとは予想外だったのでショックでしたね…。実は、私より前に復職して時短勤務していた先輩ママが、けっこう仕事を休みがちだったり、仕事をゆるやかにやりたい方が多かったのが背景にあるんです。

実は、先輩ママたちは「マミトラ万歳でしょ。子どもに何かあったら休めるし、仕事は責任が軽くなって楽だしね。」という考え方をしていたんですね。すべての時短勤務の方が、やりがいを持ってバリバリ働きたい!って訳ではないんだと気付かされました。

Destinations:
そっか…全員が「ママだから〇〇だよね」と言われることが良くないのかもしれないですね。時短社員にも多様性あるってことをもっと会社が理解してくれれば…。

時短ママ、転職を決意。子育てだって仕事のやりがいだって諦めたくない。

みかさん:
転職活動は、トータルで2ヶ月間でした。家の近くで勤務時間が短いところと、リモートワークができるところなど、的を絞って応募していきました。

探すのは苦労しましたが、最終的にフルリモートOKの経理職で採用してもらえました。ただ、経理職だと紙ベースの請求書をチェックする作業も発生するので、オフィスに出社はできないかと打診されまして。相談した結果、週4日は9時~17時半のフルリモート、週1日は9時~17時の出社という形で契約を進めてもらうことができたんです!

Destinations:
出社の日と在宅の日で30分終業時間に差があるんですね。

みかさん:
出社して帰りに子どものお迎えに行くことを考えると17時半は厳しかったので17時に調整してもらいました。他の日は、家でがっつり働きたいので17時半にさせてくださいと、個人的に微調整をしてもらったんです。

Destinations:
希望条件はご自身で交渉して手に入れたのですね!たしかに、週4日在宅で出勤は1日だけ、しかもバックオフィスの経理職の求人なんてあまり市場にはないと思います。

みかさん:
さらに細かい希望なのですが、毎週同じ曜日に出社なのは嫌だったんです。だって、たまたま出社する曜日に雨だったりしたら外出しんどいじゃないですか。せっかくフルリモートで働くのであれば、とことんリモートの良さを使いたいなぁって(笑)

面接では、時短社員になって仕事を奪われてしまった悔しさなどを面接官にぶつけて、希望条件は「1週間ごとに出社の曜日を自由に決められること」と伝えて、なんとかOKをいただきました。

Destinations:
そこまで交渉できるものなんですね…すごいです。ところで、みかさんは営業職から経理職で復職をして、経理職の業務経験は日が浅かったと思いますが。ほぼ未経験の経理職で、経験が浅くても転職できるものなのでしょうか?

みかさん:
たしかに経理職の仕事経験は短かったのですが、経理の現場で実施した業務改善のスキルをアピールしました。前の会社では、すごく無駄な仕事が多かったんです。経理関係のシステムを入れてもらって、20分かかっていた作業を5分で終わらせられるようになったエピソードなどを面接で話しましたね。

その上、お給料もけっこう交渉をしたんです。オファー面談で提示された金額が少し低かったので、「フルタイム社員のときは〇〇円もらっていました。今回はフルタイムで入社するのでもう少しあげてほしいです。」と、はっきり伝えたら子どもを産む前(フルタイム時)の収入に戻すことができましたよ!仕事もやりがいがあって、満足しています!

自分の心地よいペースを自分でつくる。

小さい子ども子育て中でも雇ってもらえるだけありがたいんだよね、なんて言葉を言ってしまっていませんか。確かに、時短だと急な休みなどでチームメンバーにしわ寄せがあったり、迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。
ですが、それを解決するのはマネジメントの仕事ですし、ママのせいでは決してないはずです。
長い職業人生で見ると、迷惑をかけることもあれば、かけられることだってあります。

そして、少しだけ俯瞰で見てみると、労働人口が減りどこも人手不足で採用活動に力を入れている現状を見てみると、もっとママだって仕事にワガママでもいいのではないかな?と思います。

いいえ、それはワガママではなく、行動力、働きかける力です。みかさんのエピソードを聞いて、行動を起こすことが全ての満足度を上げるんだなと感じました。
納得のいく子育て環境を整えるのも、やりがいのある仕事を引き寄せ、創るのも自分の行動発信でしかありません。誰も代わりにはやってくれないのですから。

「子どもいるからそんな無理しなくていいんじゃない?」そんな決めつけの言葉、気にせずに吹き飛ばして、自分の心地よいペースは自分でつくる。やってやりましょう!

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